データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[内閣名] 第17代第2次大隈(大3.4.16〜大5.10.9)
[国会回次](帝国)第34回(臨時会)
[演説者] 大隈重信内閣総理大臣
[演説種別] 日獨交戰に就ての演説
[衆議院演説年月日] 1914/9/5
[貴族院演説年月日] 1914/9/5
[全文]

諸君、毆州列強戰亂の時局に當りまして、軍國急務の爲に召集せられました當議會に於て、諸君と共に聖謨を贊襄するの責任を有しまするのは、本大臣の光榮と致すところでございます、同時に又日夜憂慮に堪えへないところでございます、諸君、帝國が東洋永遠の平和を保持致す爲め、同盟の誼に依りまして、竟に獨逸國と戰を交ゆるの已むを得ざるに至りましたのは洵に遺憾とするところであります、此の局に對しまする帝國の公明なる態度と、篤厚なる信義とは、列國民の均しく諒とするところであると信じます、今日の場合に於きましては、唯和衷共同聖旨を奉體致しまして、交戦の目的を達し、速に平和の克復を期しますることは、國民皆志を同じうするところであるべきことは、本大臣の信じて疑はざるところであります、政府は聖旨を奉じまして、軍國の急務に應ずる爲め、必要なる豫算案竝法律案を提出致しました、諸君は公平なる審議を悉されまして、速に協贊を與へられんことを希望致します、今や 陛下の陸海軍人は、艱苦を冒しまして其忠勇を表はしつヽあるのであります、本大臣は此秋に際しまして、優渥なる聖勅を奉ぜられましたる諸君と共に、聖旨の厚きに酬い奉らんことを期する次第でございます