[内閣名] 第92代麻生太郎内閣(平成20.09.24〜平成21.09.16)
[国会回次] 第171回国会(常会)
[演説者] 麻生太郎内閣総理大臣
[演説種別] 施政方針演説
[衆議院演説年月日] 2009/1/28
[参議院演説年月日] 2009/1/28
[全文]
ことしは平成二十一年、天皇陛下が御即位されて満二十年になりました。国民の皆様とともにお祝いを申し上げたいと存じます。
世界は今、新しい時代に入ろうとしております。その際に、日本が果たすべきは、新しい秩序づくりへの貢献です。同時に、日本自身もまた、時代の変化を乗り越えなければなりません。目指すべきは、安心と活力ある社会です。
新しい世界をつくるためにどのように貢献すべきか、新しい日本をつくるために何をなすべきか、私の考えをお話しさせていただきたいと存じます。
今回の世界的な金融危機は、百年に一度のものと言われております。しかし、危機はチャンスでもあります。危機が混乱をもたらすのか、それとも新しい時代を開くのか、それは私たちの対応にかかっております。
一九二九年の大恐慌の教訓を忘れてはなりません。世界各国は、自国の利益を優先し、保護主義に走りました。それは、世界経済を収縮させ、第二次世界大戦にもつながっていきました。
戦後、各国は、その反省に立ち、協力し合う関係を築きました。そして、世界経済は半世紀にわたり成長を続けました。しかし、今回の金融危機は、経済が予想を超えてはるかにグローバル化したとき、これまでの仕組みでは限界があることを示しております。
私は、昨年十一月のワシントンでの金融サミットで、我が国の過去の金融危機とそれを克服した経験を各国首脳に説明をしました。また、国際通貨基金の機能強化と、最大一千億ドルの融資による日本の貢献策を表明しました。あわせて、次のことも提唱いたしております。一つは、金融市場の監督と規制に関する国際的な協調性の必要性です。もう一つは、保護主義に陥ることなく、世界の貿易と経済を拡大することの必要性であります。
これらは、各国の賛同を得て進みつつあります。世界第二位の経済規模を持つ日本は、世界経済の新しいルールづくりに積極的に貢献しなければなりません。もちろん、経済だけではありません。東西冷戦が終わって二十年、国際社会の平和と安定に向け、新しい秩序づくりにも参画しなければなりません。
同時に、日本もまた、この国の形を変える節目にあります。
私たちは、この二世紀の間に、二度の危機的状況を経験しました。そして、その都度、みずからの生き方を転換し、かつ驚異的な成功をおさめたのが日本の歴史です。
一度目は、開国と明治維新です。鎖国で取り残された我が国は、殖産興業にかじを切りました。そして、急速な工業化を達成し、非西欧諸国として唯一、列強の仲間入りをしました。
二度目は、敗戦と戦後改革であります。焼け野原になった我が国は、軍国主義を捨て、経済重視に転換をしました。そして、世界第二の経済大国になるとともに、安全で平等な社会をつくりました。
今、三度目の変革が迫られております。急速な少子高齢化、新たな格差や不安、資源や環境の制約、そして時代にそぐわなくなった社会のシステム、これらを乗り越えなければなりません。試練を乗り越えたときに、人は成長します。混乱を乗り越えたとき、社会が進化します。危機は、むしろ飛躍するための好機でもあります。
今回も、私たちがみずからの生き方を選び、この国の形をつくります。目指すべきは、安心と活力ある社会です。世界に類を見ない高齢化を社会全体で支え合う、安心できる社会、世界的な課題を創意工夫と技術で克服する、活力ある社会です。
そのために政府は何をなさなければならないのか、私たちはこの点についても既に多くのことを学んでおると思います。それは、官から民へといったスローガンや、大きな政府か小さな政府かといった発想だけではあるべき姿は見えないということであります。
政府が大きくなり過ぎると、社会に活力がなくなりました。そこで、多くの先進諸国は、小さな政府を目指し、個人や企業が自由に活動することで活力を生み出しました。しかし、市場にゆだねればすべてがよくなるというものではありません。サブプライムローン問題と世界不況がその例であります。今、政府に求められる役割の一つは、公平で透明なルールをつくること、そして経済発展を誘導することです。
もう一つの政府の役割は、みんなが参加できる社会をつくること、そして安心な社会を実現することです。
日本は、勤勉を価値とする国です。この美徳が今日の繁栄を築きました。それを続けるためにも、高齢者、障害者や女性も働きやすい社会、努力が報われる社会をつくることが重要であります。また、競争に取り残された人を支えること、再び挑戦できるようにすることが重要です。
この点において、我が国はなお不十分であることを認めざるを得ません。日本の行政は、産業の育成には成功しました。これからは、政府の重点を生活者の支援へと移す必要があろうと存じます。
国民の安心を考えた場合、政府は小さければよいというわけではありません。社会の安全網を、信頼に足る、安定したものにしなければなりません。中福祉を目指すならば、中負担が必要であります。私は、景気回復と政府の改革を進めた上で、国民に必要な負担を求めます。
現在の豊かで安全な日本は、私たちがつくったものです。未来の日本もまた、私たちがつくり上げていくものだと存じます。過去二回がそうであったように、変革には痛みが伴います。しかし、それを恐れていてはならないと存じます。暗いトンネルの先に明るい未来を示すこと、それが政治の役割です。よき伝統を守り発展させる、そのために改革する、それが私の目指す真の保守であります。
私は、世界にあっては新しい秩序づくりへの貢献を、国内にあっては安心と活力ある社会を目指します。
以下、当面する課題と政府の取り組みについて述べさせていただきます。
第一の課題は、活力ある社会づくりです。
私は、当面は景気対策、中期的に財政再建、中長期的には改革による経済成長と申し上げております。まず急がねばならないこと、それは景気対策です。
世界が同時に、かつてない不況に入りつつあります。日本もまた、この世界不況から逃れることはできません。しかし、大胆な対策を打つことで、世界で最初にこの不況から脱出することを目指します。異常な経済には異例な対応が必要であります。
第一次補正予算、第二次補正予算、そして平成二十一年度予算、これら三つを切れ目なく、いわば三段ロケットとして進めてまいります。経済対策の規模は約七十五兆円となります。予算と減税額では合計約十二兆円、国内総生産に比べて約二%になります。諸外国の中でも最大規模の対策であります。
その際には、生活者、中小企業、地方の三つに重点を置きました。公共事業などの従来型の景気対策ではなく、生活や雇用を守ることを目的とするものであります。生活防衛のための大胆な実行予算、平成二十一年度予算をこう呼びたいと思います。
職を失った派遣労働者の方々には、急ぎ昨年の末から、雇用促進住宅などの住居を提供しております。雇用保険につきましては、非正規労働者が給付を受けやすいよう、適用基準を一年以上の雇用見込みから六カ月に短縮します。雇用保険料を引き下げます。標準的な世帯で年間約二万円に当たります。
日雇い派遣を原則禁止にするなど、労働者派遣制度を見直します。派遣労働者、内定を取り消された学生、年長フリーターを正規雇用した事業主に対して助成します。雇用創出のため、地方に四千億円の基金をつくります。これは、将来につながる事業、例えば高齢者の介護や配食サービスなどにつなげていきたいと思います。これらにより、三年間で百六十万人の雇用を見込みます。
定額給付金は、一人当たり一万二千円をお渡しいたします。子供や高齢者には二万円。子供二人の四人家族では六万四千円になります。さらに、一兆円規模の減税を行います。住宅ローンの減税につきましては、控除可能額を過去最大となる六百万円に引き上げます。自己資金で省エネ改修やバリアフリー改修をしても減税します。
中小企業対策につきましては、昨年末までに、緊急保証と特別の貸し付けを合わせて、約二十二万件、四兆五千億円の実績が上がり、資金繰りに大きな効果を発揮しました。さらに、第二次補正予算によって、保証・貸付枠を三十兆円に拡大します。また、中小企業の法人軽減税率を、二年間、一八%に引き下げます。従業員の雇用を守りつつ後継者に経営が引き継がれた場合には、相続税や贈与税を猶予します。
大胆な財政出動を行うからには、財政に対する責任を明確にしなければなりません。また、持続可能な社会保障制度を実現するには、給付に見合った負担が必要であります。そのために、社会保障と税財政に関する中期プログラムを閣議決定いたしました。経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うため、二〇一一年度までに必要な法制上の措置を講じます。その実施時期は経済状況をよく見きわめて判断しますが、私としては、二〇一一年度に向けて景気が回復するよう全力を尽くします。
これは、社会保障を安心なものにするためです。子や孫に負担を先送りしないためであります。
国民に負担をお願いするに当たっては、不断の行政改革の推進と無駄排除の徹底の継続が大前提です。例えば、公益法人への支出を平成十八年度に比べ約四割削減します。私のしごと館など、無駄が指摘されている事業を廃止します。国の行政機関の定員については、社会保険庁の廃止によるものを含め、約一万五千人を純減します。道路特定財源は、すべて一般財源化します。
国の出先機関の二重行政を排除するため、その事務や権限を地方自治体に移譲し、抜本的に統廃合します。縦割り行政の弊害を打破するため、内閣人事局を設置するとともに、公務員制度改革全体の工程表を策定し、改革を前倒しで実行します。天下りなど、公務員の特権と批判される慣行につきましても厳しく対応し、押しつけ的あっせんを根絶します。
世界は、人口急増や新興国の経済成長、資源制約や環境制約の高まりといった、人類史上例を見ない構造変化に直面をいたしております。未来を先取りし、世界が直面する課題の解決を先導する、そのような商品やモデルをつくることが我が国の持続的な成長をもたらします。
そのため、新たな成長戦略を策定します。昨年秋に取りまとめた新経済成長戦略を基礎としつつ、雇用や市場の創出に重点を置いた三つの柱といたします。
具体的には、世界最高水準の環境技術と社会システムの構築を目指す低炭素革命。iPS細胞など最先端の医療研究の活用や、優しく、しかも効率的な医療・介護サービスを実現する健康長寿。魅力ある地域、アニメなどのコンテンツ、ファッションなどのブランド力、おいしく安全な食べ物といった日本らしいソフトパワーを生かす底力発揮。今後二、三年で、集中的なインフラ整備、研究開発、規制・制度改革に一体的に取り組むとともに、成長を支える情報通信技術の戦略も策定いたします。
アジアは世界の成長センターでもあります。その自律的成長を我が国の成長につなげるためにも、アジアの成長力強化と内需拡大のための戦略的国際協力を、東アジア・アセアン経済研究センターも活用しつつ進めてまいります。WTOドーハ・ラウンドの早期妥結や経済連携協定の交渉に取り組みます。
新たな農政改革を推進します。農業に潮目の変化が訪れております。食料の安全、安心を確保し、自給力を向上させるため、従来の発想を転換し、すべての政策を見直します。
まず、平成の農地改革法案を今国会に提出します。所有から利用への転換であります。また、意欲ある若者や企業の参入を進めるとともに、経営対策によって担い手の経営を支えます。さらに、米粉や飼料用の米の生産を本格的に進め、自給率の低い麦、大豆の生産を拡大するなど、水田フル活用への転換元年といたします。これらによって、農山漁村に雇用とにぎわいを生み出します。
景気後退による経済と雇用への打撃は、地方ほど深刻であります。地方自治体が地域を活性化できるようにするためには、財源と権限が必要であります。地方税や地方交付税の減少分を補てんするのに加え、地方交付税を一兆円増額します。インフラ整備のために、使い勝手のよい地域活力基盤創造交付金を創設します。
分権型社会が目指すべき国の形であります。知事や市町村長が地域の経営者として腕を振るえるようにしなければなりません。地方分権改革推進委員会の勧告を踏まえ、地方自治体の活動について、国による義務づけを見直し、自由度を拡大します。
課題の第二は、暮らしの安心です。
暮らしの安心は、年金、医療、介護など、社会保障制度への信頼があってこそ成り立ちます。
年金記録問題により、公的年金制度に対する信頼が損なわれました。国民の皆様には改めておわびを申し上げる次第です。既に、ねんきん特別便をすべての現役加入者と年金受給者の方にお送りをし、御自身の記録を確認していただいております。これに加え、四月から、順次、標準報酬の記録もお送りいたします。紙台帳との突き合わせを含め、計画的、効率的に記録回復作業を進めます。
医師不足など地域医療をめぐる問題に対しては、医師養成数を増員し、勤務医の勤務環境を改善します。救急医療も、消防と医療の連携などにより、患者を確実に受け入れられるようにいたします。長寿医療制度につきましては、さらに議論を進め、高齢者の方々にも納得していただけるよう見直しを行います。四月から介護報酬を引き上げ、介護従事者の処遇を改善いたします。
少子化対策につきましては、妊婦健診を十四回分すべて無料にいたします。出産育児一時金も四十二万円に引き上げます。また、平成二十二年度までに十五万人分の保育所などをふやします。
昨年は、食の安全や暮らしの安全を脅かす事件が相次いで発生いたしました。消費者の利益を守るため、一日も早い消費者庁の設立に向け、関連三法案の成立を急ぎます。あわせて、地方自治体が相談窓口を増設し、きめ細かに対応ができるようにいたします。
昨年の交通事故死者数は五千百人余りとなり、昭和四十五年のピーク時に比べ、三分の一以下に減らすことができました。今後十年間でさらに半減させます。新たな犯罪対策を進め、世界一安全な国日本を目指したいと存じます。他方、自殺者は年間三万人を超えております。だれもが生きやすい社会をつくらなければなりません。学校施設の耐震化も前倒しで実施いたします。
日本に定住する外国人やその子供が増加しつつあります。新たに設けた担当組織のもと、地域における支援を進めます。ニートや引きこもりなど、困難を抱える若者を支援するため、新法をつくります。
裁判員制度が五月から始まります。国民が刑事裁判に参加することで、司法をより国民に身近なものとするための改革でもあります。
国づくりの基本は、人づくりです。
小中学校の新学習指導要領を四月から一部先行実施し、理数教科などの授業時数を一割程度増加させます。これによって学力を向上させ、豊かな心や健やかな体をはぐくみます。また、学校に携帯電話を持ち込ませず、有害情報やネットいじめから小中学生を守る対策を進めます。
昨年の日本人四名のノーベル賞受賞は、画期的な出来事であったと存じます。大阪の町工場の技と夢が詰まった「まいど一号」が今、宇宙を飛んでおります。基礎研究を充実させるとともに、科学研究費補助金など約九百億円を投じて、若手研究者などの多様な人材が活躍できる環境を整備いたします。また、英語による授業のみで学位が取得できるコースや、世界トップレベル研究拠点プログラムを推進し、大学の国際競争力を強化します。
さらに、経済状況の厳しい中でも不安なく教育を受けられるようにすることや、国際的に活躍できる人材の育成などについて、日本の将来を見据え、教育再生懇談会において幅広く検討を進めます。
二〇一六年オリンピックの日本開催に向けた支援に努めます。
地球温暖化問題の解決は、今を生きる我々の責任であります。同時に、環境問題への取り組みは、新たな需要と雇用を生み出す種でもあります。成長と両立する低炭素社会、循環型社会を実現いたします。
我が国が持つ世界最先端の環境・エネルギー技術をさらに伸ばすことが必要です。太陽光発電や環境対応自動車の開発普及などを進めてまいります。排出量取引の試行を通じて、実効性のある日本型モデルを構築します。温室効果ガスを削減する中期目標を、科学的、総合的観点から検討した上で決定します。
本年末までに、地球温暖化対策の次期枠組みを決める国際会議が開催されます。すべての主要国が参加する、公平で実効ある枠組みの構築に向け、積極的な役割を果たしてまいりたいと存じます。
課題の第三は、世界の平和と安定に向けた貢献であります。
国際社会の平和と安定は、日本はもとより、世界の発展に欠かすことができません。私は、日米同盟を基軸にしながら、アジア太平洋諸国との連携、国連などの場を通じた国際協調を重要な柱として、平和と安定の構築に全力を尽くしてまいります。
まず、米国とは、オバマ大統領とともに、同盟関係をさらに強化いたします。金融危機への対応はもちろん、テロとの闘い、核軍縮・不拡散、気候変動といった地球規模の課題に連携して取り組んでまいります。在日米軍再編については、沖縄など地元の声に耳を傾け、地域の振興に全力を挙げて取り組みながら、引き続き着実に進めてまいります。
先般、日中韓首脳会議を初めて独立した形で開催し、未来志向で包括的な協力を進める大きな一歩を踏み出しました。中国との戦略的互恵関係、韓国との成熟したパートナーシップ関係を通じて、アジアと世界の平和と安定に貢献してまいります。
ロシアとは、アジア太平洋地域における重要なパートナーとしての関係を構築するため、領土問題の最終的解決に向けた交渉を進めるとともに、幅広い分野での関係を進展させます。
北朝鮮につきましては、拉致、核、ミサイル問題などを包括的に解決し、不幸な過去を清算し、日朝国交正常化を実現すべく取り組みます。また、六者会合におきましては、非核化プロセスを前進させるとともに、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現に向け、北朝鮮に対し、早期に全面的な調査のやり直しを開始するよう、具体的な行動を強く求めてまいります。
私には、一つの信念があります。それは、経済的繁栄と民主主義を希求する先に平和と幸福は必ずやかち取れるというものであります。これは戦後日本の歩みでもあります。私が自由と繁栄の弧という言葉で表現したように、自由、市場経済、人権の尊重などを基本的な価値とする若い民主主義諸国の努力を積極的に支援します。
日本は、国際社会の責任ある一員として、また、この一月からは国連安保理非常任理事国として、積極的な役割を果たしてまいります。ODAを活用し、アフリカを初めとする途上国の安定と発展、テロとの闘い、貧困や環境問題、水問題など地球規模の課題の解決に貢献をします。資源・エネルギー外交を進めます。インド洋における補給支援活動を継続し、国際的な平和協力活動などに積極的に取り組んでまいります。
また、ソマリア周辺などでの海賊の襲撃は、日本を含む国際社会にとっての脅威であり、緊急に対応すべき課題であります。関係国との連携のもと、実行可能な対策を早急に講じ、新たな法制の整備を検討します。
世界経済の一段の減速に伴い、日本経済も急速に悪化をいたしております。景気の後退を食いとめ、不況から脱出するためにも、予算及び関連法案を早急に成立させることが必要です。これが日本の経済を、そして日本の将来を決めると存じます。経済成長なくして、財政再建も、安定した社会保障制度もあり得ません。
今こそ、政治が責任を果たすときだと存じます。国会の意思と覚悟が問われております。国民が今政治に問うもの、それは金融危機の津波から国民生活を守ることができるか否かです。
与野党間に意見の違いがあるのは当然です。しかし、国民が望んでいるのは、単に対立するのではなく、迅速に結論を出す政治です。政府・与党としては、最善と思われるものを提出しております。野党にもよい案があるなら、大いに議論をしたいと思います。ただし、いたずらに結論を先送りする余裕はありません。
とかく、物事を悲観的に見る人がおられます。しかし、振り返ってみてください。日本は、半世紀にわたって平和と繁栄を続けました。諸外国からは尊敬される、一つの成功モデルでもあります。そして日本は、優秀な技術、魅力ある文化など、世界があこがれるブランドでもあります。自信と誇りを持ってよいと存じます。日本の底力は、必ずやこの難局を乗り越えます。そして、明るく強い日本を取り戻します。
私は、自由民主党と公明党の連立政権の基盤に立ち、新たな国づくりに全力を傾注してまいります。決して逃げることはありません。国民の皆様とともに、着実に歩みを進めてまいります。
国民の皆様と議員各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。