漢城條約（明治十七年京城暴徒事變ニ關スル日韓善後約定,漢城条約）

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政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名]　漢城條約（明治十七年京城暴徒事變ニ關スル日韓善後約定,漢城条約）

[場所]　漢城（京城）

[年月日]　1885年1月9日

[出典]　舊條約彙纂，第三卷，外務省條約局，１７５‐１７８頁．

[備考]　

[全文]

　　明治十八年一月九日漢城（京城）ニ於テ調印（日、漢文）

　　此次京城ノ變係ル所小ニ非ス

　大日本國

大皇帝深ク

宸念ヲ軫セラレ茲ニ特派全權使伯爵井上馨ヲ

簡ヒ

　大朝鮮國ニ至リ便宜辦理セシメラル大朝鮮國

大君主

宸念均シク敦好ニ切ニ乃チ金宏集ニ

委ヌルニ全權議處ノ任ヲ以テシ

命スルニ懲前瑟後ノ意ヲ以テセラル

　兩國ノ大臣和衷商辦シ左ノ約欵ヲ作リ以テ好誼ノ完全ヲ昭カニシ又以テ將來ノ事端ヲ防ク茲ニ全權ノ文憑ニ據リ各々名ヲ簽シ印ヲ鈐スル左ノ如シ

　約欵

第一

　朝鮮國

　國書ヲ修メテ

　日本國ニ致シ謝意ヲ表明スル事

第二

　此次

　日本國遭害人民ノ遺族並ニ負傷者ヲ恤給シ曁ヒ商民ノ貨物ヲ毀損掠奪セラルル者ヲ塡補シテ

朝鮮ヨリ拾壹萬圓ヲ撥支スル事

第三

　磯林大尉ヲ殺害シタル兇徒ヲ査問捕拿シ重キニ從テ刑ヲ正ス事

第四

日本公館は新基ニ移シ建築スルヲ要ス當ニ

朝鮮國ヨリ地基房屋ヲ交附シ公館曁ヒ領事館ヲ容ルニ足ラシムヘシ其修築增建ノ處ニ至テハ

朝鮮國更ニ二萬圓ヲ撥交シ以テ工費ニ充ツル事

第五

日本護衞兵弁ノ營舍ハ公館ノ附地ヲ以テ擇定シ壬午續約第五欵＊ヲ照シ施行スル事

大日本國明治十八年一月九日

　特派全權大使從三位勳一等

　　伯爵　井上　馨＜印＞

大朝鮮國開國四百九十三年十一月二十四日

　特派全權大臣左議政

　　金宏集＜印＞

＊濟物浦條約ヲ指ス第一六九頁參照（日、漢文擡頭ヲ異ニスルモノアルモ右ハ調印書ニ從ヘルモノトス）

　另單

一約欵第二第四條ノ金圓ハ日本銀貨ヲ以テ算ス須ラク三個月ヲ期シテ仁川ニ於テ撥完スヘシ