データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 杭州日本居留地追加取極書

[場所] 杭州
[年月日] 1987年5月13日
[出典] 日支間並支那ニ関スル日本及他国間ノ条約 大正12年版,外務省条約局編,99-102頁.
[備考] 
[全文] 

杭州日本居留地追加取極書

  明治三十年五月十三日 杭州ニ於テ調印(日、支文)

  同年五月二十五日 吿示

   第一條

日本居留地ハ旣ニ兩國政府ニ於テ新約ヲ締結シ專界專官、ト爲ス事ニ定メラレタリ居留地ノ運河ニ添ヒタル道路ハ前洋務局督辨聶緝椝ト取極書十四條ヲ議定ノ際交換セシ界圖內ニ西ハ運河東岸ニ沿フノ語アルヲ以テ此道路ハ居留地內ニ在ルモノトス最モ此地ハ淸國人民往來出入ノ道ニ係リ下方ハ官塘ニ連ナルヲ以テ之ヲ公共往來ノ路トナシ淸國人民ノ自由ニ通󠄁過繋船スルヲ得ル事ヲ聽シ制限ヲ設ケサルヘシ而シテ居留地內ニ立會裁判所󠄁ヲ設ケ若シ淸國人民ノ此路上又ハ他ノ道路ニ於テ事ヲ惹起ス者アレハ上海立會裁判所󠄁規定ニ照シ之ヲ處分スヘシ私ニ拘禁凌虐欺侮スルコトヲ得ス蓋シ專界トハ此土地ヲ以テ專ラ日本商民居住ノ界トナシ專管トハ專ラ日本領事官ニ於テ界內商民ノ事ヲ管理スルモノニシテ其道路土地ノ所󠄁有權ハ孰レモ淸國ニ屬スルモノトス此約義ハ固ヨリ明亮ナレトモ淸國人民ノ此義ヲ明ニセス動モスレハ疑惧ノ心ヲ起シ反テ枝 節ヲ生スルヲ慮リ淸國地方官ト各布吿ヲ發シ衆人ニ吿知スヘシ

   第二條

居留地內總テノ道路橋梁溝渠碼頭及ヒ警察ノ權ハ日本領事官ノ管理トナス其道路橋梁溝渠碼頭ハ日本領事官ヨリ法ヲ設ケ建築修理シ淸國地方官ハ之ニ關涉スルコトナシ但シ界內設計道路ノ外若シ彼此人民水利交通󠄁ノ關係ニ因リ別ニ道路ヲ開設セムトスルトキハ淸國地方官ト協議ノ上取行フヘシ

   第三條

原取極書ノ借地料ハ上中下三等ニ分チ每畝上等貮百五拾圓中等貮百圓下等百五拾圓ト定メタリ然ルニ原取極書ハ道路橋梁溝渠碼頭ハ淸國ニ於テ築造󠄁スヘキ規定ナレトモ今改メテ日本領事官ニ於テ自ラ之ヲ築造󠄁スル事ニ定メタルヲ以テ此借地料ヲ改メテ每畝上等百七拾圓中等百六拾五圓下等百六拾圓ト爲ス其地稅ハ原取極書ノ通󠄁リ徵收スヘシ道路橋梁溝渠碼頭等公共ノ用ニ供スル土地ハ借地料及ヒ地稅ヲ免除ス其餘土地貸借ニ關スル事項ハ淸国地方官ニ於テ原取極書ニ照シ辨理スヘシ

   第四條

居留地現地圖境界內ノ總テノ地面ハ旣ニ日本專界ニ歸シタルヲ以テ淸國地方官ニ於テ運河ニ沿ヘル道路築造󠄁ニ用ヒタル費用洋銀貮萬參千弗及墳墓家屋ヲ移遷シタル費用洋銀壹萬壹千四百八弗合計洋銀參萬四千四百八弗ハ日本商人ノ土地ヲ借入レ家屋ヲ建設シ商業ヲ營ムトキニ於テ日本領事官ヨリ徵收ノ上辨償スヘシ

   第五條

淸國地方官ハ日本領事官ト商議ノ上居留地內ニ立會裁判所󠄁ヲ設クヘシ其規則ハ總テ上海ノ例ニ倣フヘシ

   第六條

原取極書中第二第三第四第十三條ハ統テ刪除シ其餘各條項ハ孰レモ原取極書ノ通󠄁リ施行スルモノトス若シ未タ議定ヲ經サル事項アラハ日本領事官ヨリ淸國地方官ト和衷協定スヘシ

以上追加取極書日本文淸文各二通󠄁ヲ作リ各自記名調印シ各二通󠄁ヲ取置キ以テ信守ヲ昭ニス

 大日本明治三十年五月十三日

   杭州在勤大日本帝國二等領事 小田切萬壽之助 畫印

 大淸光緖貮拾參年肆月拾貮日

   大淸國欽命二品頂載分巡杭嘉湖海

   防兵備道監督杭州關兼辨通󠄁商事宜 王祖光 畫印