第三回日露協約 - データベース「世界と日本」

データベース「世界と日本」（代表：田中明彦）

日本政治・国際関係データベース

政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名]　第三回日露協約

[場所]　

[年月日]　1912年7月8日

[出典]　日本外交年表竝主要文書上巻，外務省，３６９頁．

[備考]　

[全文]

　明治四十五年七月八日

日本帝國政府及露西亞帝國政府ハ千九百七年七月三十日卽露曆七月十七日及千九百十年七月四日卽露曆六月二十一日兩國政府間ニ締結セラレタル祕密協約ノ條項ヲ確定補足シ以テ満洲及蒙古ニ於ケル各自ノ特殊利益ニ關シ誤解ノ原因ヲ一切除去セムコトヲ希望シ之カ爲前記千九百七年七月三十日卽露歷七月十七日ノ協約ノ追加約款ニ定メタル分界線ヲ延長シ且內蒙古ニ於ケル各自ノ特殊利益地域ヲ定ムルコトニ決シ左ノ條項ヲ協定セリ

第一條　前記分界線ハ托羅河ト「グリニッチ」東經百二十二度トノ交叉點ヨリ出テ「ウルンチュール」河及「ムシシャ」河ノ流ニ依リ「ムシシャ」河ト「ハルダイタイ」河トノ分水線ニ至リ是ヨリ黑龍江省ト內蒙古トノ境界線ニ依リ內外蒙古境界線ノ終端ニ達ス

第二條　內蒙古ハ北京ノ經度（「グリニッチ」東經百十六度二十七分）ヲ以テ之ヲ東西ノ二部ニ分割ス

　日本帝國政府ハ前記經度ヨリ西方ノ內蒙古ニ於ケル露西亞國ノ特殊利益ヲ承認シ且之ヲ尊重スルコトヲ約シ露西亞帝國政府ハ該經度ヨリ東方ノ內蒙古ニ於ケル日本國ノ特殊利益ヲ承認シ且之ヲ尊重スルコトヲ約ス

第三條　本協約ハ兩締約國ニ於テ嚴ニ祕密ニ付スヘシ