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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 臨時外交調査委員官制(臨時外交調査委員官制)

[場所] 
[年月日] 1917年6月5日
[出典] 日本外交年表竝主要文書上巻,外務省,434頁.
[備考] 
[全文]

大正六年六月五日

朕、時局ノ擴大ニ鑑ミ、永遠ノ利害ヲ慮リ、側近ニ臨時委員會ヲ特設シ、中外ノ情勢ヲ考査シテ應機啓沃ノ任ニ當ラシムルノ必要ヲ認メ、臨時外交調査委員官制ヲ裁可シ、茲ニ之ヲ公布セシム。

第一條 宮中ニ臨時外交調査委員會ヲ設ケ、天皇ニ直隸シテ、時局ニ關スル重要ノ案件ヲ考査審議セシム。

第二條 臨時外交委員會ハ總裁一人委員若干人ヲ以テ之ヲ組織ス。

第三條 總裁ハ內閣總理大臣ヲ以テ之ニ充テ、委員ハ內閣總理大臣、國務大臣、若クハ國務大臣タル前官ノ禮遇ヲ賜ハリタルモノ、國務大臣タリシモノ、又ハ親任官ノ中ヨリ簡拔シテ之ヲ勅命ス。

第四條 總裁ハ旨ヲ承ケテ委員ヲ統督シ、議事ヲ整理シ、敷奏ノ任ニ當ル。

第五條 臨時外交調査委員會ニ、幹事長一人、幹事若干人ヲ置ク。幹事長ハ委員ノ中ヨリ之ヲ兼ネシメ、會務ヲ整理セシム。

幹事ハ內閣及外務省高等官並陸海軍將校ノ中ニ就キ、之ヲ任ス。

幹事ハ幹事長ノ指揮ヲ承ケ、會務ヲ掌理セシム。

第六條 特別ノ須要アル場合ニ於テハ、第三條ノ規定ニ拘ラス、學識經驗アルモノヲ以テ臨時委員ニ勅命ス。

第七條 委員ノ待遇ハ官職ヲ有スルトキハ、其ノ官職ニ付受クル待遇ニ依テ、官職ヲ有セサルトキハ別ニ之ヲ定ム。