データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 時局に伴ふ對支謀略(時局に伴ふ対支謀略)

[場所] 
[年月日] 1938年7月12日
[出典] 日本外交年表竝主要文書下巻,外務省,389-390頁.
[備考] 
[全文]

(昭和十三年七月十二日五相會議決定)

  方針

敵ノ抗戰能力ヲ崩壞セシムルト共ニ支那現中央政府ヲ倒壞シ又ハ蔣介石ヲ失脚セシムル爲現ニ實行シアル計畫ヲ更ニ强化ス

其ノ要綱左ノ如シ

  要領

一、支那一流人物ヲ起用シテ支那現中央政府竝支那民衆ノ抗戰意識ヲ弱化セシムルト共ニ鞏固ナル新興政權成立ノ氣運ヲ釀成ス

二、雑軍ノ懷柔歸服工作ヲ促進シテ敵戰力ノ分裂弱化ヲ圖ル

三、反蔣系實力派ヲ利用操縱シテ敵中ニ反蔣、反共、反戰政府ヲ樹立セシム

四、回敎工作ヲ推進シ西北地方ニ回敎徒ニ依ル防共地帶ヲ設定ス

五、法幣ノ崩落ヲ圖リ支那ノ在外資金ヲ取得スルコト等ニ依リ支那現中央政府ヲ財政的ニ自滅セシム

六、右諸工作ノ遂行ヲ容易ナラシムル爲所要ノ謀略宣傅ヲ行フ

備考

要領第五項ニ對シテハ尙ホ研究ヲ繼續ス