データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 對蘭印交涉に關する齋藤總領事電報(対印交渉に関する齋藤総領事電報)

[場所] 
[年月日] 1940年10月25日
[出典] 日本外交年表竝主要文書下巻,外務省,464頁.
[備考] 
[全文]

 昭和十五年

 バタヴイア 十月二十五日午後發

 本省 十月二十五日夜着

  松岡外務大臣宛 齋藤代表發

 會蘭一〇〇號

 斎藤、太田ヨリ

往電第九六號(向井ヨリ燃料局長官宛)ニ關シ企業家ノ立場ヨリセハ至極尤モト思考スルモ本件ハ更ニ軍事的立場ヨリ考慮スルヲ要スヘシ、卽チ先方提示區域ニ對スル全部ノ試掘願提出ハ本邦側技術者數ノ關係ヨリモ先方ニ於テ奇異ニ感スヘシトモ察セラルルモ我方トシテハ全部ニ對スル調査ヲ爲シ相當數ノ飛行機並ニ便衣隊ヲ入込マシメ以テ對蘭印作戰上或種ノ軍事基地タラシムルコト必要ナリト思考ス、之カ爲ニハ大ナル調査面積ヲ獲得シ置クニアラサレハ右計畫モ蘭側ニ取リ理由薄弱ナルニ付僅カ十五萬乃至二十萬盾ノ差ナルニ鑑ミ試掘權ノミハ先方提示全面積ニ付爲シ置クコト肝要ナリト認メラルルニ付右御含ミノ上關係官廳ヲ指導相成度シ。

假ニ向井案ノ通リ各地域ニ付二、三區域ニ對シ試掘權及採掘權ヲ獲得スルコトニ決定スル場合ト雖當方ニ於テハ其ノ區域選定ニ付軍事的立場ヲ考慮ノ上然ルヘク指導致度キ所存ナリ。