[文書名] 日本國「フィリピン」國間同盟條約(日本国「フィリピン」国間同盟条約)
昭和一八年(一九四三年)一〇月一四日「マニラ」ニ於テ署名
昭和一八年(一九四三年)一〇月一八日「フィリピン」國批准
昭和一八年(一九四三年)一〇月二〇日本邦批准
昭和一八年(一九四三年)一〇月二〇日ヨリ實施
昭和一八年(一九四三年)一〇月二〇日(一〇月二一日附官報)公布
昭和一八年(一九四三年)一〇月二八日「マニラ」ニ於テ批准書交換
大日本帝國天皇陛下及「フィリピン」共和國大統領ハ
日本國カ「フィリピン」國ヲ獨立國家トシテ承認スルコトニ決シタルニ因リ
兩國相互ニ善隣トシテ其ノ自主獨立ヲ尊重シツツ緊密ニ協力シテ道義ニ基ク大東亞ヲ建設シ以テ世界全般ノ平和ニ貢獻センコトヲ期●シ確乎不動ノ決意ヲ以テ之カ障害タル一切ノ禍根ヲ芟●除センコトヲ欲シ之カ爲同盟條約ヲ締結スルコトニ決シ左ノ如ク各其ノ全權委員ヲ任命セリ
大日本帝國天皇陛下
特命全權大使從三位村田省藏
「フィリピン」共和國大統領
國務大臣「クラーロ、エメ、レクト」
右各全權委員ハ互ニ其ノ全權委任狀ヲ示シ之カ良好妥當ナルヲ認メタル後左ノ諸條ヲ協定セリ
第一條 締約國間ニハ相互ニ其ノ主權及領土ノ尊重ノ基礎ニ於テ永久ニ善隣友好ノ關係アルヘシ
第二條 締約國ハ大東亞戰爭完遂ノ爲政治上、經濟上及軍事上緊密ナル協力ヲ爲スヘシ
第三條 締約國ハ大東亞ノ建設ノ爲相互ニ緊密ニ協力スヘシ
第四條 本條約ノ實施ノ爲必要ナル細目ハ締約國當該官憲間ニ協議決定セラルヘシ
第五條 本條約ハ締約國ニ於テ其ノ批准ヲ了シタル日ヨリ實施セラルヘシ
第六條 本條約ハ成ルヘク速ニ批准セラルヘシ批准書ノ交換ハ「マニラ」ニ於テ成ルヘク速ニ行ハルヘシ
右證據トシテ各全權委員ハ本條約ニ署名調印セリ
昭和十八年十月十四日卽チ千九百四十三年十月十四日「マニラ」ニ於テ本書二通ヲ作成ス
村田省藏(印)
クラーロ、エメ、レクト(印)
日本國「フィリピン」國間同盟條約附屬了解事項
條約第二條ニ付
同條ニ規定スル大東亞戰爭完遂ノ爲ノ軍事上ノ緊密ナル協力ノ主タル態樣ハ左ノ通トス
「フィリピン」國ハ日本國ノ爲スヘキ軍事行動ノ爲一切ノ便●宜ヲ供與スヘク又●日本國及「フィリピン」國ハ「フィリピン」國ノ領土及獨立ヲ防衞スル爲相互ニ緊密ニ協力スヘシ
右證據トシテ下名ハ各本國政府ヨリ正當ノ委任ヲ受ケ本了解事項ニ署名セリ
昭和十八年十月十四日卽チ千九百四十三年十月十四日「マニラ」ニ於テ本書二通ヲ作成ス
村田省藏
クラーロ、エメ、レクト