データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第15回主要国首脳会議における政治宣言:中国に関する宣言

[場所] アルシュ
[年月日] 1989年7月15日
[出典] 外交青書33号,332−333頁.
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 我々は,既に,中国における人権を無視した激しい抑圧を非難した。我々は,中国当局に対し,民主主義と自由に対する正当な権利を主張したに過ぎない人々に対する行為を中止するよう強く促す。

 この抑圧に鑑み,我々各自は,深甚なる非難の意を表明し,二国間における閣僚その他のハイレベルの接触を停止し,また,中国との武器貿易があれば,これを停止するといった適当な措置をとるに至った。更に,我々各自は,現下の経済的不確実性に鑑み,世界銀行による新規融資の審査を延期されるべきことに同意した。我々は,また,中国人留学生が希望すれば,その滞在を延長することも決定した。

 我々は,中国当局が,政治,経済改革と開放へ向けての動きを再開することにより,中国の孤立化を避け,可能な限り早期に協力関係への復帰をもたらす条件を創り出すよう期待する。われわれは,これらの出来事以来香港の人々が有している深い懸念を理解し,共有する。我々は,中華人民共和国政府が,香港に対する信頼を回復するために必要な対応をとるよう求める。我々は,国際社会の継続的な支援が,香港に対する信頼を維持する上で重要な要素になると考える。