データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第23回主要国首脳会議における外相の進捗報告

[場所] デンヴァー
[年月日] 1997年6月21日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

1.我々8カ国は、国際の平和と繁栄を築くことを目指したグローバルな統合の戦略を掲げている。その目的のために我々は、引き続きこれまでに決定したことを土台とし、共同の努力の幅を広げることに合意した。リヨンでの前回会合以来、我々は、不拡散、対人地雷、国際犯罪、テロ対策、国連改革の分野で協力を強化してきた。この進捗報告書は、これらの分野における我々の成果と、さらなる共同行動のための決定をまとめたものである。我々は、この先の1年間もこれらの課題を引き続き議論し、来年のバーミンガム・サミットで再検討することとする。国際の平和と安全を推進するとの堅い意志の現れとして、我々は首脳間の議論を相補いまた補足する形で政治情勢一般についても議論した。

不拡散

核密輸

2.我々は、1996年4月のモスクワ原子力安全サミットにおいて合意された「核物質密輸防止プログラム」を実施するために、モスクワ及びリヨンで与えられた指示を履行するための、不拡散専門家グループの作業を称賛する。

3.ロシアにより提案され、1997年5月12日、13日の会合において不拡散専門家グループにより合意された、勧告的な「強化された協力及び情報共有のための枠組み」に規定されている通り、我々は、可能な限り既存の合意、条約及び取決に基づいて行われる、法執行、情報、税関当局間の核密輸に対する闘いにおける強化された情報の共有及び協力の実施を、慫慂する。

4.我々は、本プログラムにより求められた「ポイント・オブ・コンタクト」システムのための具体的な業務と通信手段を確立するための、我々の不拡散専門家の合意、それに対応する権限及び重大な核密輸事件に関する情報の交換のための暫定的な様式を承認する。

5.核密輸に対抗するための我々の努力の対象と実効性を拡大するために、我々は、引き続き、本プログラムへのより多くの参加を慫慂する。この目的のために、仏によって始められた、将来参加する可能性のある国との接触を継続することを、現議長国である米に要請した。我々は、本プログラムへの参加拡大後もその全体的な方向性を維持するため、本プログラムの活動を議論し、核密輸に関する意見を交換する新参加国間の定期的な会合を8カ国の支援のもとで開催するよう、議長が努めるべきことに合意した。我々は、最初のそのような会合を、1997年11月にウィーンで開催するとの米の考えを歓迎する。

6.AIEAの下での、また、国際技術作業グループ(ITWG)によって開催された会議を通じての、核に関する司法分析能力を開発するための国際的な努力においてなされた進展を我々は歓迎する。

プルトニウムの管理

7.我々は、1996年4月のモスクワ原子力安全サミットに従い、防衛目的にとり不要とされた核分裂性物質の安全かつ効果的な管理のための選択肢を検討し、進め得る国際協力のあり方を特定するために開催された専門家グループの結論を歓迎した。専門家は、最も時宜にかない、且つ、技術的に実施可能な選択肢は、プルトニウムを混合酸化物燃料として原子炉で燃焼することであり、補完的な選択肢として、高レベル放射性廃棄物と混合した上でガラスまたはセラミック状に固化することであるとの結論に達した。また、専門家は、暫定的な貯蔵は、長期的な管理のためにいずれの選択肢が選ばれるにしろ必要であるとの結論に達した。これらの結論は、昨年11月、パリにおいて、不拡散専門家グループにも支持された。

8.余剰兵器プルトニウムの管理へのかかる取組みは、国際社会の不拡散の目標にかない、且つ、核兵器削減への重要な実際的貢献となろう。協力プログラムの計画及び実施においては、不拡散の目標が最も優先されるべきである。技術的、経済的、財政的、環境上及び他の関連する要素にも適当な考慮が払われるべきである。

9.国際協力は、余剰兵器プルトニウムの管理に取組む努力を加速するであろう。従って、我々は、ロシア国内に実証規模のMOX燃料加工施設を建設するための、追加的な参加国にも開かれた計画を仏、独及び露が発表したことを歓迎する。これに関連して、我々は、加及び露が仏、独と協力しつつ行っているCANDU用MOX燃料の製造の実用性を研究するための努力を歓迎する。また、米及び露は、他の国際的な努力と調整しつつ、兵器の構成要素を処理に適した物質に転換する分野での協力を計画している。これら及びその他の関連するイニシアティブへの参加が、我々の中のその他の国の間で検討されている。

10.我々は、防衛目的にとり不要とされたプルトニウムの管理における透明性の確保の重要性を改めて指摘する。全ての選択肢の実施においては、余剰兵器プルトニウムが再び核爆発物として利用され、または、不法な目的に転用されないとの信頼を醸成することを目的として、実行可能になり次第適切な国際的な検認を行うことが含められるべきであり、また、物質の防護及び計量管理の厳格な基準が含められるべきである。これに照らして、我々は、「プルトニウムの管理のためのガイドライン」の作成に関するウィーンでの作業の進展を歓迎する。また、米露が報告した、防衛目的にとり不要となった兵器核分裂性物質をIAEAの検認の下に置く方策に合意するためのIAEAとの努力に関する進展を歓迎する。

11.モスクワ原子力安全サミットを受けて発展したこれらのイニシアティブにより生まれたモメンタムを持続し高めていくために、不拡散専門家グループは、プルトニウムの管理のための努力を調整し実施する上での取決めにつき議論を始めるべきである。不拡散専門家グループは来年のバーミングハム・サミットまでに首脳への報告書を提出すべきである。

対人地雷

12.我々の政府は、リヨンにおいて確立された「対人地雷の拡散とその無差別的使用によりもたらされる惨害の発生の全世界的な禁止を確保する努力を惜しまない」との目標を支持し、いくつかの行動をとってきた。

13.我々は過去一年間、対人地雷を禁止する条約の交渉を促進するため積極的に努力した。第51回国連総会において、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国及び米国は、対人地雷を禁止するとの合意を追求するよう各国に求める決議の共同提案国となった。この決議は156対0の圧倒的大差で採択された。

14.我々は、対人地雷の使用、備蓄、生産および移転を禁止する、効果的かつ法的拘束力を有する国際約束に達するための、重要かつ補完的な努力、すなわち、軍縮会議における努力と、かかる禁止を今年中に実現することを目標として掲げるオタワプロセスを通じて9月にオスロにて開催される公式協議における努力を認識する。

15.ドイツは最近、このような条約の遵守状況を確認する方法について検討を行うための会議を主催した。我々の政府は、この緊急の問題に取り組むため、効果的な地雷禁止に向けた努力に引き続き参加する。

16.我々の政府は、昨年のリヨンにおける決定と同様、通常兵器禁止条約、および対人地雷の使用及び移送の規制を強化する、地雷、ブービー・トラップおよび他の類似の装置に関する1996年議定書が全世界で遵守されることを目標として掲げている。我々の政府は、改正議定書の批准を得るための各々の努力を継続するとともに、すべての国に対して、批准を完了するよう求める。

17.我々の政府およびEU加盟国は、対人地雷に関し、個々に確立した種々の禁止措置、モラトリアム及びその他の規制を有している。中には生産及び使用の禁止を実施している国もあり、また多くの国では地雷の蓄積の相当程度の削減に着手している。我々は、対人地雷の輸出に関する我々の様々な禁止が恒久的なものとなるよう努力する。

18.最後に、我々はリヨンにおいて誓約したとおり、埋設された地雷の探査、除去及び地雷の犠牲者に対する支援のための国際的努力を支持し続けてきた。我々は、他の諸国が独自かつ独力で地雷に関する意識啓発及び地雷除去のためのプログラムを実施することを支援してきた。日本、ドイツ及びカナダは、地雷の探知及び除去のための情報共有、独自の地雷除去能力の開発並びに地雷の犠牲者に対する適切な医療措置の提供を含む地雷除去問題に取り組むための会議を開催した。EUは、これらすべての分野において、多大の貢献を行ってきた。我々は次の一年間に、地雷の探知及び除去に関する最も将来有望な技術を開発し、これを適切な場合に国際社会と共有する努力を継続する。我々はまた、拡充した地雷除去支援プログラムを継続する。

国際組織犯罪

19.上級専門家会合は、リヨンにおいて合意された国際組織犯罪に対抗するための40の勧告のフォローアップおよび実施を進めてきた。これらの活動は、法執行に影響を与える現実的・法的・実務的問題に焦点を充て、法執行機関の能力強化とメンバー国間の協力を推進し、多角的視点に基づいた全ての国家が採用しうる方策を提示することによって、国際組織犯罪の地球規模の脅威に対抗すべく行われた。

20.実務上のより高い効果をあげるため、我々の法執行の専門家は、国際犯罪組織を標的とし、その活動を妨げるための合同プロジェクトに着手する。

21.犯罪者を法の裁きにかからしむるため、我々の専門家は、現実的な犯罪人引渡しと捜査・司法共助の方策に合意した。専門家は、犯罪人引渡し、裁判のための移送、ないし国内における自国民の効果的な訴追を確実なものとするための取り極めと、法執行機関間の効率的な調整を精力的に追究している。

22.銃器の不正取引により効果的に対抗するため、我々の専門家は、専門家間でのおよび他国の関係法執行機関との緊密な実務上の協力を推進し(銃器トレースの要請への迅速な対応を促進することを含む)、法執行上の科学的および技術的情報を含む相互間の直接の情報交換を強化することに合意した。

23.国境を越える違法な人の密輸に対抗するため、我々は我々の法および実行が、関与する犯罪組織に効果的に照準を充てるよう確保することを誓約する。われわれの専門家は、既存の情報交換に関する合意を尊重しつつ、人の密輸のネットワークを運営する犯罪者についての、またこうしたネットワークが如何に組織されるかについての、より効果的かつ迅速な情報交換のために、中心となる(複数の)コンタクト・ポイントを設定した。

24.我々は、盗難、偽造された旅行文書および他の公式文書が多くの形態の国際組織犯罪にとって鍵となる前提条件であることを認識し、偽変造旅券に対抗する方策に合意した。

25.コンピュータとテレコミュニケーション技術の著しい発達は新たな課題を伴う。地球規模のネットワークは、コンピュータ関連犯罪に対する迅速かつ効果的な対応を国際的な法執行において可能とする、新たな法的・技術的なしくみを必要とする。この目的のため、我々は、犯罪人を見つけ出し、特定し、訴追するための能力を強化するために共に努力すること、証拠の収集に関して相互に協力し支援すること、および法執行官のハイテク・コンピュータ関連犯罪に対する訓練のための資源確保を約することに合意した。

テロ

26.フランス、ロシア、英国、中東及び南アジアにおける爆弾テロ事件、リマにおける日本大使公邸占拠事件、並びに昨年、無辜の人々に対して行われたその他の凶悪なテロ攻撃は、テロリズムが依然市民社会への脅威であることを示すものである。政治的な強要や身代金を目的としたテロリストによる人質行為の増加は、追加的な懸念要因であった。我々の政府は、1996年のパリ・テロ閣僚会合の25項目勧告の実施を実質的に進展させることにより、テロの脅威に対抗するための重要な措置を採った。例えば、  テロリズムと闘いこれを廃絶するための協力を強化するため、国連は、我々の政府のイニシアティヴにより、爆弾テロ防止条約案に関する交渉を開始した。このような協力を更に拡大するために、我々は、全ての国に対し、2000年までに、国際テロを廃絶するための措置に関する1996年の国連決議に明記されたテロに関する国際条約の締約国になることを求めたが、これらの条約の普遍的な締結及び遵守を達成するための外交的努力を強化する。 陸上交通へのテロ攻撃を捜査する我々の能力を強化するため、我々の専門家は、一連の技術・保安協議を開催した。我々は、車輌が関連するテロ犯罪を各 国が捜査するのを支援するため、国際会議において、車輌識別番号の国際的制度の強化を推進した。  航空旅客の安全を向上させるため、我々は、国際民間航空機関(ICAO) 理事会において、爆発物探知及び関連装置に関するものも含め、より高い保安標準を採択するため諸国と協力した。ICAO構成国は、合意された空港保安 標準及びこれらの標準のより一貫した且つ統一的な実施の理事会による承認を求める意図を示した。

 国際法上の庇護の合法的権利をテロリストが悪用するのを防止するため、我々はこの目的に資する国連総会宣言を導入した。

 特に、テロリストによる堅固な暗号化の使用に対抗するため、我々は暗号政策のためのOECDガイドラインの協議の加速化と採択を支持するとともに、テロ行為を防止し、捜査するために、合法的な政府のアクセスをこの指針に従って可能にし得る暗号化に関する国内政策を、暗号キーの管理を含め、発展させること、及びこのような政策の実施に当り国際的に協力するためのメカニズムを見い出すことを、全ての国に対し奨励した。

 テロ対策の情報交換を改善するため、英国は8ヶ国間におけるテロ対策能力の要覧を創設した。また、米国は、二国間の取決めにより、自国のテロ対策の鑑識情報に関するデータベースを8ヶ国の各国と共有することを提案した。

 生物兵器及び毒素兵器へのへのテロリストのアクセスを防止するため、細菌生物)兵器及び毒素兵器条約(BTWC)第4回再検討会議の参加国は、我々の政府の求めにより、特に、テロ又は犯罪活動のための生物及び毒素兵器の使用を排除するため、同条約の下での義務の実効的な履行を、国内的措置のレビュー及び/又は採用を通じて確保する必要性を認識した。

 更なる協力を促進するため、我々の政府は、テロリストの資金調達に関する各国の国内法を比較し、また、爆発物の製造、取引及び輸送に関する強力な国内法及び取締りを確保する。

27.我々は、来年もこれらの努力を継続し、我々のテロ対策協力をその他の重要な分野に拡張する。

28.我々の電子・コンピューター・システムをテロ攻撃による破壊から保護するため、我々は、このような攻撃を防止し、また、テロ及び犯罪目的によるコンピューター・ネットワークの使用を防止するための情報及び手法を共有する。

29.高度な爆発物及びその他の高度技術を使用するテロ行為並びにテロリストによる大量破壊物質の使用可能性が呈する継続的な危険に取り組むため、我々の専門家は、テロ対策技術の研究開発における情報交換を強化する。

30.主要国際行事の安全に対するテロ及びその他の脅威のために、我々は、このような行事の警備に関する情報及び経験を共有する。米国は、主要国際特別行事のための最も実効的な警備の実践に関する情報を交換するため、1997年9月にホノルルにおいて、この問題に関する専門家会議を開催する。

31.海上船舶及びその旅客を標的としたテロ行為に対する警戒を強めるために、我々の政府は、国際海事機関(IMO)に対し、海上保安措置を強化し、また、IMO標準の啓発及び実施を改善することを奨励する。

32.より緊密な協力への国際的な要請の高まりに応えて、我々は、国際的な協力及び協議を強化・拡充し、テロ対策に関し、二国間および多国間の方法で協力を広げていく。この点において、我々は、1996年12月にアジア・太平洋地域テロ対策セミナーを開催した日本のイニシアティヴを歓迎した。

国連改革

33.我々は、国連の改革について早急かつ実行可能な結論に達することへの我々のコミットメントを再確認する。過去二年間に生起した、国連の主要な活動の全てについて国連システムの抜本的改革を目指すモメンタムを歓迎する。コフィ・アナン事務総長は指導力を発揮し、組織全体を再活性化させる新たな使命感を喚起した。現在、国連事務局、経済社会理事会(ECOSOC)及びその下部機関、機能強化、財政安定化等のための政府間のハイレヴェル各作業部会、国連貿易開発会議(UNCTAD)、地域経済委員会、専門機関、開発及び人道援助の実施プログラムにおいて、重要な努力が払われている。

34.これまでに達成された進捗の評価は広く共有されている。我々は、国連の他の全ての加盟国と力を合わせ、国連とその関連する国際機関の強化及び改善という広く認識された問題に対処してきたことを喜ばしく思う。我々の協同の努力により、国連システムのプログラムの効果と費用効率を改善するためにとるべき方途が明確となった。

35.我々は、各作業部会が適時に作業を終了し、国連の次会計年度(1998〜99)の間に迅速に対応策が実施されることを期待する。このような行動により、平和、安全、人間の福祉の増進、及び持続可能な開発の全ての面で責任を有する枢要な国際機関である国連が、新たな世紀の課題に十全に対応できるようになる。

我々は、全ての加盟国に対し、これらの重要な成果を達成するため、我々と共に努力を倍加させるよう呼びかける。

政治情勢

コンゴ民主共和国

36.コンゴ民主共和国での極めて重要な変化は、平和的、民主的移行や幅広い基礎をもつ暫定政権を樹立することの重要性を浮き彫りにした。我々は、選挙による政権への移行中の新しい当局を支援し、人権の尊重を推進し、緊急の人道的ニーズに対応し、経済の刷新を促進することが重要であると考える。我々は、こうした取り組みにおける他のドナー国や国連、OAU、国際金融機関、地域の指導者との緊密な協力を期待する。我々の政府が国の諸機関の再建を支援するかどうかは、新しい当局が選挙、健全な経済政策、公的責任及び人権尊重を含む民主的改革に関するコミットメントを示すかどうかにかかっている。。

コンゴ共和国

37.我々は、コンゴ共和国における状況を深く憂慮し、全ての当事者に対し、敵対関係に終止符を打ち、市民生活の平和の回復と国民和解のために協力することを呼びかける。我々は、ボンゴ・ガボン大統領とモハメド・サハヌーン国連・OAU特別代表による調停を強く支持する。我々は、憲法上の正統政府の軍事転覆を含む、政治的相違を武力の行使により解決しようとするいかなる企てにも断固として反対する。コンゴ共和国の将来は、民主的過程に則り、遅滞なく大統領選挙実施につながるような、永続的な政治的解決にかかっている。

ハイティ

38.国連ハイティ支援団(UNSMIHU)の活動の結果としてハイティで達成された前進は、安定を維持し、民主化と経済開発を促進するための国際的支援の継続の必要性を強調している。我々は、現在のUNSMIHUのマンデート終了後のハイティにおける国際的プレゼンスの性格に関する事務総長の新たな勧告を前向きに受け止める。我々は、またハイティに対し、経済近代化プログラムの実施を促進するよう要請する。

アフガニスタン

39.我々はアフガニスタンの最近の出来事に留意し、アフガニスタンのすべての派に対して戦闘を停止し、すべてのアフガニスタン人の権利を守り、アフガニスタンの国際的義務を守る、国民を幅広く十分に代表する中央政府の樹立に向けて協力するよう要請する。地域的な安定の破壊という危険を考慮に入れれば、平和と安定は、外部からの干渉がすべて停止されることを前提とし、すべての関係国から積極的かつ調整のとれた国連主導の政治的交渉を通じることによって、最もよく達成され得る。アフガニスタンのすべての派や関係国は、国連安全保障理事会と国連総会がアフガニスタンに関して採択した最近の諸決議の既定を遵守すべきである。

ミャンマー

40.我々は、ミャンマーで現政権によって引き続き人権が侵害されていることを懸念し、SLORK(国家法秩序回復評議会)に対して、国民和解と民主主義の回復のため、民主派勢力や少数民族の指導者との意味ある政治的対話を開始するよう呼びかける。我々は、7月にミャンマーの加盟を認めるとの最近のASEANの決定に留意し、ASEAN加盟国がミャンマーにおいて民主主義が早期に回復されるよう影響力を行使することを希望する。我々は、国際社会が、アウン・サン・スー・チー女史の安全に関する責任を、SLORKに帰していることを強調する。