データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第24回主要国首脳会議におけるG8外相総括

[場所] バーミンガム
[年月日] 1998年5月9日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

1.我々G8外相及び欧州委員会代表は,ロンドンにおいて,1998年5月8日及び9日に会合した。我々は,安全で繁栄する世界を確保するためにより緊密に協力する必要性が高まっていることを認識し,共通の関心事項である多くの地球規模及び地域の問題につき議論した。いくつかの問題はG8バーミンガム・サミットにおいて元首及び首相により取り上げられる。その他の問題については,我々は,以下の結論を導いた。

地球規模問題

環境

2.我々は,リオの地球サミット以降の進展について検討した昨年の国連総会の結果及びリーズ城におけるG8環境大臣会合の結論を完全に支持する。我々は,持続可能な開発及び貧困削減が我々の主要な目標であり,パートナーシップの精神の下,他のものと共同してその達成のために努力することへのコミットメントを再確認する。我々は,以下のような行動をとることにより,持続可能な開発を促進するための地球規模の努力に対して新たな弾みをつけることで一致した。

3.我々は,本日,「森林に関する行動計画」を発表しこれを実施することにコミットした。これは,国内及び国際的なレベルの双方で,持続可能な森林管理を促進するための特定の施策について示したものであり,森林に関する政府間フォーラムや他の国際的なイニシアティブの作業を補完するものである。我々は,環境,生態系,社会,経済的な価値を反映した持続可能な森林管理のための実際的なアプローチを発展させ実施する上で参加と透明性の確保が重要であることを強調する。我々は,政府以外のものも含めた他のパートナーとともに,この行動計画を実施することを期待しており,その状況について2000年に報告することを期待している。最近の大規模な森林火災は,この課題を緊急なものとした。

4.1998年は国際海洋年である。世界は,本年を,海洋が占める地球の7割のより良い管理の方法について検討するために利用する必要がある。政府は,海洋環境の保護のために国内的及び国際的な行動をとる必要があり,また,それが死活的重要性を有することについての一般の更なる意識向上を進める必要がある。我々は,国連持続可能な開発委員会の1999年の会合において,海洋の保全及び持続可能な使用を促進するための地域的なレベルでの取り組みを含め,結論を得るために他の国と積極的に協力することにコミットする。リーズ城におけるG8環境大臣会合において示されたように,我々は,地域的イニシアティブ,特に閉鎖海,半閉鎖海及び北極でのイニシアティブを含め,海洋生物多様性についての一層協調された取り組みを促進する。我々は,持続可能な開発委員会の準備に当たっての焦点を示すような,第2回ロンドン海洋ワークショップを英国が1998年12月に開催するという意図を歓迎する。我々は,ストラドリング魚種に関する国連での取極を含め既存の国際約束やイニシアティブを実施するための新たな努力を払うことにコミットする。

5.淡水については,統合された水資源管理のための適切な枠組みの中での安全な飲料水及び十分な衛生設備へのアクセスが,疾病の軽減,食料の安全の改善,貧困の削減にとり不可欠である。水資源管理は,陸上の管理活動を水の質と量に統合させることを反映し,汚染から水資源を含む生態系を保護する必要性を強調したものでなければならない。政府を含む水管理に責任を有する事業体は,これらの目的を達成するため,地方的,国内的,地域的及び地球的なレベルにおいて組織化を行うべきである。したがって,我々は,国連持続可能な開発委員会の最近の会合において合意された淡水の管理に関する戦略的アプローチを適用するために,民間セクターも含めパートナーシップの発展を助長することにコミットする。我々は,3月の水と持続可能な開発に関するパリ会議において採択された閣僚宣言を歓迎し,その優先的行動についての計画をフォローアップすることの重要性を強調する。

6.我々は,持続可能な開発に関する環境,社会及び経済の側面を統合した政策形成を行うためには,国家戦略が本質的な方法であることを認識する。我々は,2002年までに持続可能な開発に関する適切な戦略が策定され,2005年までにこれらの戦略が実施されているよう,開発途上国と協力することにコミットする。

7.我々は,国連環境計画(UNEP)の新事務局長への支持を表明し,地球環境問題の主導的な機関としてUNEPが再活性化された役割を果たすことを期待する。

8.我々は,地球環境ファシリティー(GEF)に成功裡に27.5億ドルの資金が充填されたことを歓迎し,地球環境の利益を促進するための主要な資金供与制度として,GEFへのコミットを再確認する。

9.我々は,ローマにおける砂漠化防止条約第1回締約国会合の成功を歓迎し,その完全な実施を奨励する。

10.我々は,人間の健康及び環境に対して問題となっている残留性有機汚染物質に関する行動を起こす必要性を認識し,モントリオールにおいて6月に多数国間の法的文書についての交渉が開始されることを歓迎する。我々は,特定の残留性有機物の使用を軽減し,段階的に廃止する上で,いくつかの開発途上国が直面する問題に対処する必要があることを認識する。

11.我々は,公的輸出信用の支援を与える際には環境についての要素も勘案することについてのOECDにおける努力を踏まえ,OECDが,この目的のために更なる作業を行うことを奨励するとともに,来年報告されることを要請する。

原子力の安全

12.原子力の安全は最優先課題である。4月の会合においてエネルギー担当大臣が確認した通り,我々は,1996年の原子力安全モスクワ・サミットにおけるコミットメントの完全実施を目指す。その際我々は,原子力発電施設の安全と使用済み燃料及び放射性廃棄物管理に関する国際条約の作業に積極的かつ建設的に参加する。我々は,クルスク原子力発電所の1号原子炉の状況について議論した。我々は,原子力安全基金贈与取極のすべての規定を完全に遵守する必要性について意見の一致をみた。我々は,ロシア当局が,同原子炉の安全状況を5月中旬に国家原子力安全監視委員会と共同で調査するためにEBRD(欧州復興開発銀行)チームを招いたこと,また,ロシア当局が,今後詳細な安全点検が完了する前に同原子炉を運転する際には必ず両機関の勧告に従うことを約束したことに留意する。国内的及び国際的な原子力責任体制の発展と実施の継続も重要である。我々は,原子力損害の民事責任に関するウィーン条約を改正する議定書及び補完的補償に関する条約が採択されたことを歓迎する。

13.我々は,原子力の安全を向上させるために中・東欧及び独立国家共同体諸国を支援するための緊密な協力を継続する。1993年以来原子力安全基金の下で達成された合意の完全な実施は引き続き重要な優先事項である。チェルノブイリ発電所及び,了解覚書の実施については,石棺の安全確保のための大規模プログラムを支援する新たな国際基金設立に関し,順調な進捗が見られた。必要な760百万ドルの半分以上は調達され,最初のプロジェクトが開始されつつある。我々は,まだ基金拠出を表明していない諸国に対し,この重要なプロジェクトを2006年までに完了できるよう支援するため,既に拠出を表明した18カ国及び欧州連合同様拠出を検討するよう求める。我々は,また,デンヴァー・サミットにおいて要請された他のドナーによる貢献が必要であることを強調する。

国連

14.国際の平和と安全を維持し持続可能な開発を促進する国連は,我々の強固な支援のもとにある。我々は,国連システムの強化という目標に向けた全体的な機構の改革を引き続き支持する。昨年の夏,我々は,他の大多数の国連加盟国とともにコフィ・アナン事務総長による広範な提案を歓迎した。我々は,提案のうちいくつかのもの,特に新たな開発グループの創設,ルイース・フレシェット氏の副事務総長の任命,システム全体にわたり管理慣行の改善が既に実施されたことに満足している。

15.しかしながら,まだ多くの改革を行う必要がある。その主要な責任は加盟国にある。我々は,アナン事務総長による勧告のうち,結果重視予算,サンセット条項,現地における統合の強化,節約の結果生じた資金の優先度の高い開発プログラムへの再投資を含む残りの部分について合意に達するよう,協力する。我々は,一層の合理化,特に経済社会理事会の下部機関の合理化,及び国連内部における調整の強化,国連と市民社会や他の国際機関との連携の強化を促進する。

16.国連は引き続き深刻な財政上の問題を有している。我々は,分担金の完全かつ時宜にかなった支払い及び一層論理的で,より衡平な分担率の採用を含んだ解決法を見出さなければならない。

17.G8は,紛争予防を極めて重視している。我々は,この分野における国連の能力を向上させ,紛争予防のすべての活動に人権に関する配慮を含め,また,地域的機関と密接な関係を発展させようとするアナン事務総長の動きを支持する。我々は,アナン事務総長の紛争予防に対する努力への支援を強化する。

18.我々は,アフリカにおける紛争に対応するための事務総長の勧告,並びに国連の援護の下,国連加盟国がアフリカ諸国と協力して,その平和維持能力を高める努力及び国連憲章に適合した形で,アフリカ統一機構及びアフリカの地域的諸機構が紛争の予防,紛争への対応,紛争の解決に当たっての役割を拡大するとの努力を歓迎する。我々は,地雷除去における国連の調整活動の重要性を再確認する。

19.過激な紛争は,しばしば社会的・経済的な不公正にその原因を有している。貿易,援助及び経済改革計画はこれを勘案しなければならない。暴力行為が終息した際には,安全保障理事会は,軍事的な平和維持活動から平和構築及び復興へ向けての移行を支援すべきである。国連の文民警察は,人権関連の現地の職員とともに,人権を擁護し,民主主義を回復するにあたり中心的役割を有する。しかしながら,より良い訓練と迅速な展開を行う必要がある。我々は,平和構築のための国連の中心的部署としての政務局の役割の重要性を再確認する。

20.残虐行為の加害者は,罰せられないままに放置されてはならない。このような加害者を裁判にかけることは,他の者を抑止するであろう。我々は,信頼性があり,かつ効果的な国際刑事裁判所を設立することを強く支持する。同裁判所が世界のすべての地域から多くの国の参加を得ることが重要であるので,我々は,すべての国に,来るローマ外交会議の成功を確保することを呼びかける。

不拡散,軍備管理及び軍縮

21.我々が共有する不拡散,軍備管理・軍縮の目的を追求するため,我々は,以下の分野における行動を約束する。

 ・法的拘束力のある検証議定書を可能な限り早期に採択することを目的に,生物兵器禁止条約を強化するために,効果的な抑止と検証を含む諸措置に関する交渉の強化と成功裡の妥結。

 ・防衛目的にとり不要とされた核分裂性物質の安全かつ効果的な管理。我々は,兵器に使用可能な物資の問題に対処するためのG8諸国の努力を歓迎する。3月のロンドンにおける産業・金融専門家会合は,既存のプロジェクト間のより広範かつ効果的な調整を呼びかけ,様々な金融上のオプションを発展させた。専門家会合は,進展を再評価し,新たな技術的な解決策を進めるため,1999年に開催される。

 ・「核物質密輸防止プログラム」の一層の実施。「ポイント・オブ・コンタクト」システムのテスト演習は3月に成功裡に行われた。我々は,プログラムの参加の拡大に向けての作業を継続する。G8の中で我々は,本年,国境監視機材の検討を行う。

 ・保障措置制度の一層の強化。我々は,すべての国に対し,IAEA(国際原子力機関)保障措置協定に対する追加議定書をできるだけ早期に締結するよう要請し,また,制度をより効率的にしようとするIAEAの努力を認識しつつ,この不拡散における劇的な業績を実施するために必要な資源をIAEAが持てるように確保することを要請する。

22.我々は,大量破壊兵器とその運搬能力を持つミサイルの拡散の継続的な危険性に立ち向かうことに引き続きコミットしている。我々は,核不拡散条約(NPT)の強化された再検討プロセスの成功を確保するために作業する。我々は,化学兵器禁止条約の実施に当たる化学兵器禁止機関の活動を引き続き支援するとともに,すべての未締約国に対しこの条約への批准・加入を呼びかける。我々は,まだそうしていないすべての国に対して,NPTを支持し,CTBT(包括的核実験禁止条約)に署名し,批准するよう要請する。我々は,イラクの大量破壊兵器プログラムを根絶し,関連の国連安保理決議の遵守を監視するUNSCOM(国連特別委員会)とIAEAの努力を引き続き全面的に支援する。我々は,カットオフ条約交渉の即時開始と早期終結にコミットしている。我々は,また,STARTIIの発効とSTARTIIIの交渉の開始を引き続き期待している。我々は,欧州における変化を勘案するためのCFE条約(欧州通常戦力条約)の適合の作業の進展を歓迎し,交渉の終結を期待する。我々は,NPT第6条の下でのすべての締約国の義務にコミットしていることを確認する。

23.我々は,緊張の存在する地域における通常兵器の蓄積がもたらす潜在的な不安定化効果を依然として懸念している。我々は,紛争に苦しんできた地域の平和を確固としたものにするために一層の実践的な軍縮措置を促進することは,意義があると考える。我々は,この点での関係各国の継続的な努力,特に国連での努力を奨励するとともに,通常兵器及び汎用品・技術の移転についての透明性と責任の重要性を再確認する。故に,我々は,ワッセナー・アレンジメントの目的を全面的に支持することを改めて表明する。我々は,また,国連軍備登録制度の発展へのコミットメントを再確認する。加えて,我々は,適当なフォーラムにおいて小火器の拡散の問題に取り組んでいく。我々は,「小火器に関する国連政府専門家パネル」の勧告を支持し,その実施を勧奨し,国連に対してこの問題に対処する一層の行動を検討するよう要請する。我々は,携帯可能防空システム(MANPADS)の犯罪のための使用の民間航空に対する脅威を認識しており,この問題に対処するためになすべき一層の作業を求める。

対人地雷

24.オタワ条約が署名のために開放されたことは,対人地雷のない世界へ向けての重要な一歩であった。我々は,同条約の目的が普遍的に達成されることを奨励する。我々は,同条約が早期に発効するであろうことに留意する。我々は,地雷のもたらす人道的な影響に対処する種々の禁止,モラトリアムその他の規制を行うことによって貢献することを歓迎する。関連する国際的合意,例えばオタワ条約や特定通常兵器条約の改正された議定書_の署名と批准を通じ,また国連軍縮会議の特別な重要性を認識しつつ,国際的・地域的なフォーラムにおける補完的作業を進めることを通じ,この目標に向けて更に前進するよう,我々は,すべての国に要請する。我々は,国際社会が,「犠牲者ゼロ」の目標に向けて,新たに組織された国連地雷活動サービス等を通じて,地雷除去のために一層効果的に協力するよう,また,地雷の犠牲者に対する効果的な支援と長期のリハビリテーションを確保するための努力を強化するよう,奨励する。

民主主義と人権

25.世界人権宣言50周年に当たる本年,我々は,人権を保護し擁護するために働いているすべての者を賞賛する。我々は,民主的価値観,良い統治及び法の支配が世界中で強化されることに強くコミットしている。人権は普遍的であり,我々は,すべての国に対し,国籍,民族,人種,性,宗教,意見及び言語を理由として個人の人権及び基本的自由が否定されることのないよう要請する。

26.我々は,人権と基本的自由の普遍的な履行を引き続き促進する。我々は

 ・若年層,少数者及びその他の脆弱なグループを含め,人権に対する意識を高めることにより,また,市民社会団体への新しい支援を提供することにより,市民社会の重要な役割を強調する。また,人権関係諸条約の普遍的な批准という目標に留意しつつ,これら人権関係諸条約への加入が最大限となるよう,引き続き努力する。

 ・国連通常予算の適切な割合が人権へ配分されることが確保されるよう求め,また,新人権高等弁務官が所掌する基金やプログラム等への任意拠出金を続けることにより,同弁務官への政治的及び財政的支援を行う。ジェンダーの視点を含む人権が,平和構築のための活動を含むすべての国連の計画及び政策に調和され統合されるための努力を支援する。また,世界人権宣言50周年を記念する。

 ・極端な形態の児童労働に関する新たな条約を作成するための国際労働機関(ILO)の努力が早期に完結することを求める。ILOの児童労働撲滅国際計画への支援を強化し,児童労働に関するオスロ会議の行動計画を実施する。武力紛争下の児童の権利の保護及び搾取の防止のために努力する。武力紛争下の児童を担当する国連事務総長特別代表の活動を支持する。

 ・ILOのコア労働基準に関する宣言が採択されるよう努力する。

 ・承認された国際基準に基づいた倫理的労働慣行に関する自主コードの採択を促進する。

 ・国際金融機関において開放性,透明性及び良い統治について更に注意が向けられるようにする。

 ・5月4日,5日にマリにおいて,開発と良い統治に関するこれまでにない国際ワークショップが開催されたが,例えばOECDによるアフリカとのこうした試験的な努力を通じて,民主主義,開発,人権の尊重及び平和への我々のコミットメントを再確認しつつ,開発途上国自身のイニシアティブを奨励し,ドナー相互の間及びドナーと被援助国との間での協調を促進することによって,開発途上国における良い統治に関するプログラムの効果を高める。安定と和解のための平和構築プログラムに協力する。過剰な軍事支出の問題に取り組むため,作業する。

 ・政府の支援を得た,民主主義を促進する組織の価値を確認する。

テロリズム

27.我々は,その動機の如何にかかわらずあらゆる形態のテロリズムと闘い,テロリストの要求に対する如何なる譲歩にも反対し,この悪に対して協調した国際的な行動を推進する決意を再確認する。我々は,1996年にG8により採択された25項目の措置及びテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の採択を含め,デンヴァー・サミットにおいて合意された追加的措置の実施によりテロリズムと闘うためになされた実質的な進展を歓迎する。我々は,国際協力を強化するため以下の措置を採る。即ち,すべての政府に対し2000年までに11本のテロ対策に係わる国際条約を批准することを要請すること,核テロリズム行為の防止に関する国連条約案について交渉すること,G8の国家危機管理手続きの概要を交換すること,他の諸国との協議,協力及び共同行動を推進すること,化学・生物テロリズムの脅威を含む,新たな,あるいは増大しつつある脅威に関する情報を交換すること,である。

28.我々は,我々の専門家の報告を支持し,更なる行動のために以下の優先分野を確認した。

 ・テロリストの資金調達の防止。我々は,G8の行動のための諸点を確認したところであり,また,国内法を比較・照合していく。G8の専門家は,最良の実践例を共有し,協力強化のための実践的な措置を決定すべく会合する。

 ・テロリストに対し譲歩しないこと。身代金支払いに対して一致して反対することが人質犯を抑止するために極めて重要である。共通した手法を推進するため,我々は,一連の原則について意見の一致をみるとともに,危険度の高い諸国で活動する諸団体のためのアドバイスを提案した。G8のワークショップにより調整と情報交換が強化される。

 ・武器,爆発物及び関連品目に対するテロリストのアクセスの拒否。リヨン・グループは,不法な銃器の密輸に対処するための行動計画を進めている。我々は,爆発物及び関連物資に対する輸出管理につき比較照合していく。また,我々は,テロリストにより使用される品目に対するより厳しい輸出管理の範囲を決定することを含め,将来の作業のための基礎について一致した。

 ・航空保安の強化。ロカビー事件10周年に当たり,また,インド航空(1985年)及びUTA(1989年)の航空便に対しなされた残虐行為を想起し,我々は,いくつかのICAO加盟国が国際的な航空の安全措置を依然として満足のいく形で実施していないことについて,ICAOが近年収集した証拠に対し重大な懸念を表明した。我々は,シカゴ条約の下で合意された標準と及び勧告方式の完全実施についてG8のコミットメントを再確認するとともに,すべての国に対し鋭意実施に取り組んでいくことを強く求める。

感染症

29.感染症及び寄生虫症の被害は引き続き懸念材料である。G8は,例えば国内保健セクターの能力強化,発生動向監視能力の改善,医薬品の適正使用に関する政策及び代替的方法の開発による薬剤耐性の脅威の減少のための戦略の開発,及び適切な微量栄養素摂取を通じた幼児の免疫力の向上による,これらの課題に対処する諸国への支援にコミットしている。G8諸国とWHOの専門家は,今月会合を行い,世界中の現行発生動向監視システムの見直しを行い,WHOの地球規模の発生動向監視網構築の支援の方途について検討する。

30.我々は,3千万人以上が現在HIV/エイズ感染者となっているとの国連エイズ合同計画(UNAIDS)の推計を新たな懸念とともに留意する。予防措置は引き続き優先事項でなければならない。我々は,HIV感染率及び苦しみを減少させるための費用対効果の大きいメカニズムを開発し広めるため,この病気の重荷を最も背負っている国々と引き続き協力する。ワクチンは依然として究極的な目標であり,G8諸国は効果的で手頃な値段のワクチンの開発のために科学的な協力を進める。

知的所有権関連犯罪

31.我々は,剽窃や偽造といった知的所有権関連犯罪は,すべての者にとって懸念すべき,主要かつ大きくなりつつある問題であることを認識する。我々は,我々の国内におけるこのような犯罪に立ち向かうための効果的な行動の重要性について意見の一致をみるとともに,世界中で剽窃と偽造のレベルが真に減少するように,他の諸国に対し,WTOのTRIPS協定の権利行使に関する厳格な規定をできるだけ早く満たすよう促す必要性について意見が一致した。我々は,知的所有権のより効果的な行使を可能とするために,政府と知的所有権の権利者との間のよりよい協力と情報交換のための機会を検討することについて意見が一致した。

地域問題

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ

32.ボスニアにおける平和と和解は欧州の安全保障に直接的に関連しており,依然としてG8諸国の外交政策上の最重要課題である。我々は,ボスニアのデイトン/パリ和平合意履行の進捗,特に,プラヴシッチ大統領及びドディック首相の和平履行と国際社会との協力への動きを受けたスルプスカ共和国における進捗を歓迎する。しかし,我々は,また,すべてのデイトン/パリ合意署名者に対し,和平プロセスを妨げたり後退させる如何なる試みも重大な結果を招くことに注意喚起する。国際社会並びに上級代表の決意と協調的アプローチは決定的なものとなりつつある。我々は,上級代表に対し,ボスニア和平プロセスにおいて,デイトン/パリ和平合意及び和平履行評議会により与えられたすべての権限を行使して積極的役割を続けるよう促す。和平プロセスの将来は,和平プロセスを前進させ,多元的で多民族の2つのエンティティからなる繁栄した民主的なボスニア国家を建設するとの,ボスニア当局者自身のコミットメントを実施する意思にかかっている。1998年は和平履行,特に難民の帰還に関連するすべての問題と移動の自由,及び9月にボスニアで行われる選挙にとり重要な年である。中央機関の設立,警察改革,経済改革及び旧ユーゴスラヴィア国際刑事裁判所との協力についても,更なる進捗が必要である。そのため我々は,安全な環境を維持し民生面の履行への支援を提供するSFOR(安定化部隊)の努力を歓迎する。我々は,ボスニア・ヘルツェゴヴィナの指導者に対し,必要な目標を達成するためにOHR(上級代表事務所),UNHCR,OSCE,IPTF(国際警察タスクフォース)及びその他の国際機関と十分協力することを求めるとともに,そうする者を支援する我々の意思を再確認する。

クロアチア

33.我々は,クロアチア政府及びその他のすべての当事者に対し,デイトン/パリ和平合意のすべてのコミットメント及び東スラヴォニアについてのコミットメントを完全に履行し,民族又は現在の居住地にかかわらず,すべての難民及び避難民のクロアチア及び地域内の故郷への帰還を確保するための国際的努力に建設的かつ精力的に取り組むことを求める。我々は,クロアチアにおける民主化の進展,特に選挙法の改善及び報道の自由の増進の必要性につき特別の注意を喚起する。

コソヴォ

34.我々は,コソヴォにおいて増大する暴力と対立の深刻化,特にセルビア軍による過度の武力行使に深い懸念を有する。我々は,政治的変化をもたらす手段としての武装過激派によるテロとテロリストへの武器の供給及び暴力の使用を完全に拒絶する。我々は,コソヴォの独立と受け入れ難い現状の継続に断固反対する。また,我々は,コソヴォの強化された地位と自治を支持する。交渉による解決をはかり,法の支配の遵守,全市民の保護及び人として並びに市民としての権利の擁護を確保することはベオグラードの政府としての主たる責任である。

35.我々は,ベオグラードの当局とコソヴォのアルバニア人指導者に,いずれの側も前提条件なしに対話プロセスを至急開始するよう求め,ベオグラードに交渉への国際的な関与を受け入れるよう求める。我々は,また,OSCE議長の個人代表並びにユーゴスラヴィア連邦共和国におけるEUの特別代表としてのフェリペ・ゴンザレスの関与を完全に支持し,ベオグラードの当局が彼と完全に協力するよう促す。

36.対話を通じコソヴォにおける政治的解決を見出すことは,地域のすべての人々の利益となる。我々は,ベオグラードの国際社会への完全な統合への明確かつ実現可能な道筋を促進する用意がある。しかしながら,コソヴォにおいて政治的解決をもたらすための対話をベオグラードが開始しないことに鑑み,カナダ,フランス,ドイツ,イタリア,英国,米国及び欧州委員会は,ユーゴスラヴィア連邦共和国政府とセルビア政府が外国で所有している資金を凍結し,セルビアにおける新規投資を停止するとのコンタクト・グループのメンバーによる決定を実施することに合意した。日本は,この対応を支持するとともに,日本として可能な行動を検討する。他の諸国も同様の行動をとることが勧奨される。ロシア連邦はこれらの措置に関与しない。

37.国際社会並びに我々G8諸国は,ボスニアとその周辺地域における平和をもたらすために大きな努力を行ってきた。我々は,この地域における難民と避難民という増大しつつある問題に対処するため関連国際機関と協力する決意である。我々は,地域のすべての国の安全の強化のために協力すること及び国境不可侵の原則の支持にコミットしている。

アルバニア

38.我々は,法と秩序の回復,政治的及び経済的改革の実施及び地域の安定への貢献に対するアルバニア政府のコミットメントを歓迎する。我々は,アルバニアの領土保全を支持する。我々は,昨年の不安定からアルバニアが回復することを支援するため最大限の支援を表明し,国際金融機関及びその他の国際機関がこの進捗を支援するよう促す。我々は,究極的な責任はアルバニア人自身にあることを再確認し,政府及び反対勢力双方がこの目的のために協力することを求める。

サイプラス

39.我々は,国連の諸決議及びハイレベル合意に従ってサイプラス問題の包括的解決策を見出すための国連の努力に対する支持を再度表明する。我々は,当事者に対し,直接対話を国連の支援の下で再開することを求める。我々は,すべての関係者に対し,二地域,二共同体型の連邦に基づく解決に向け努力する。我々は,兵力水準の増大及び高性能兵器の増強を含め軍事面における新たな動きはこの既に不安定な地域において一層緊張を高める可能性があることを懸念する。我々は,特にギリシャ及びトルコ政府に対し,良好な隣国関係を促進し,二国間紛争の平和的解決のために努力するよう求める。

中東和平プロセス

40.我々は,中東和平プロセスに進展がないことに深い懸念を有している。我々は,プロセスを前進させようとする,最近のロンドンでの対話における米国によるものを含むあらゆる努力に留意し,かつ賞賛する。我々は,すべての当事者が,新たな活力をもって,包括的,公正,かつ永続的であって,その地域におけるすべての人々の安全を含むべき平和につながる交渉を追求することを求める。そのような交渉は,既存のコミットメントの完全実施と,国連安保理決議第242号と第338号に謳われ,マドリッドとオスロにおいて合意された領土と平和の交換の原則に基づかなければならない。イスラエル・パレスチナ・トラックについては,我々は,当事者が,既存の合意を実施し,信頼醸成措置を追求し,かつ,最終的地位交渉を予断し,信頼を損う一方的行為を慎むことを促す。最終的地位交渉は,出来る限り早急に再開すべきである。我々は,和平プロセスの多国間トラックの再活性化と多国間作業部会による地域問題に取り組むための努力を支持する。我々は,また,包括的な解決に向けた進展の再開をもたらすよう,イスラエル,シリア,レバノンとともに取り組む決意である。我々は,南レバノン及びイスラエルにおける市民に対する危険を低下させるためのイスラエル・レバノン・モニタリング・グループの積極的な役割を引き続き支持する。パレスチナ人にとっての持続的な経済開発と生活水準の改善が,本地域における平和の確保と安定の強化のための真の要素である。

イラン

41.我々は,化学兵器条約の批准,更なる表現の自由を含む,法の支配に基づく市民社会の発展への表明済みのコミットメント,隣国,同地域,及び外の世界とのより前向きな関係を追求することへのイランの関心に見られるような,イランにおける最近の勇気づけられる政治的進展を歓迎する。我々は,イランがこれを基礎に,世界情勢においてより建設的な役割を果たすことを求める。我々は,イランが,中東和平プロセスに対しより前向きなアプローチを採ること,及び中東和平プロセスに対し暴力的な手段を用いるグループへの支援を行わないこと,バハイ及び他の集団を含むすべてのイラン市民の人権を守るために更なる措置を採ること,対象となる人物,場所に拘わらず,表明済みのあらゆる形態のテロへの非難を実行すること,サルマン・ラシュディの生命及び彼の作品に関係する人物に対する脅迫が取り除かれることを確保することを求める。我々は,更に,イランが大量破壊兵器の開発に関しイランが署名を行った国際条約または取極を尊重することを求め,イランがこれらの兵器もしくはミサイル能力を国際条約または取極に違反して開発する能力に貢献するかもしれない援助をイランに対して供与することを回避するようあらゆる国家に対し求める。

イラク

42.我々は,イラクに関するすべての関連する国連安保理決議への完全な遵守を得るとの我々の決意を再確認する。我々は,国連安保理決議第1153号の下で,イラク人民に対し,より多くの人道支援を提供するための取極の速やかで,完全,かつ効果的な実施を確保する決意であり,イラク政府がこのための努力において,国連及び国連の特別報告者と十分協力することを求める。我々は,了解覚書において,国連安保理がUNSCOMとIAEAに与えた権限の実施の中で,両機関への完全,無条件,かつ即時のアクセスを提供するとのイラクのコミットメントを得るための国連事務総長の努力を賞賛する。我々は,上述の了解覚書で合意された取決めの下でこれまで実施された大統領施設に対する査察を歓迎し,それらが小さな事件を伴うのみで,全体としては満足な形で実施されたことに留意する。我々は,了解覚書の完全な実施と,国連安保理決議第1154号の下での義務のイラクによる遵守を期待する。我々は,イラクによるいかなる違反も最も深刻な結果を招くであろうことに留意する。我々は,これまでイラクが関連する義務を遵守していないことを残念に思う。また,我々は,関連する決議の完全な遵守により,制裁解除のプロセスが開始されるであろうことに留意する。

アルジェリア

43.アルジェリアにおける暴力の継続は,深刻な懸念材料である。我々は,すべてのテロ行為を全面的に非難するとともに,責任者に対し,暴力を即座に停止するよう求める。我々は,人権及び民主主義に関するアルジェリアのコミットメントと民主的な制度を更に強化しようとする政府の努力を歓迎する。この関連で,国連特別報告者の訪問と報道関係者及びNGOへのより大きなアクセスが,透明性と開放性の面で重要な貢献となるであろう。我々は,アルジェリア政府が,民主的プロセスを更に強化し,すでに約束している経済的改革を継続することにより,迅速に対処することを期待する。

アフガニスタン

44.我々は,アフガニスタンにおける紛争の平和的解決を求める国連の努力を完全に支持し,戦争は早急に終結されなければならないとの「6+2」グループの見方を支持する。紛争の軍事的な解決はないと我々は,確信している。我々は,直接対話を促進するための最近の国連の努力に勇気づけられる。我々は,この対話が実質的なものとなり,近いうちに,平和的な解決及び幅広い支持に基づく,多民族から成る代議政体の設立に結び付くことを期待する。すべての各派は,更なる軍事攻撃を慎まなければならない。各派に対し影響力を持つすべての国が,国連の努力を支持し,アフガニスタンの外から,各派に対し武器や物資を供給することをやめるよう行動することが必須である。我々は,また,すべてのアフガン各派に対し,女性と少女に対する差別を含む,アフガニスタンにおける甚だしい人権侵害をやめること,麻薬の生産,売買,乱用を実質的に削減すること,外国のテロリストに対するすべての支援をやめることを求める。我々は,すべてのアフガン各派に対し,また,特にタリバーンに対し,国際人道機関の不可欠な業務のための協力的な環境を確保することを促す。

カンボディア

45.自由で公正な選挙は,カンボディアにおいて国民を代表する政府と政治的安定を回復するために不可欠である。我々は,3月30日のラナリット殿下のカンボディアへの帰国,カンボディアの諸機関が適切に機能するために引き続き中心的役割を担うシアヌーク国王の帰国に見られる最近の前向きな進展を歓迎する。我々は,更に,ASEAN諸国,日本及びその他のカンボディア友好国が行っている努力を歓迎する。我々は,現地の状況が受入れ可能なものであれば,引き続き選挙支援を行う用意がある。しかしながら,重大な懸念が残っている。我々は,すべての政党と政治家の選挙プロセスへの参加が許されることを求め,すべての勢力に対し選挙結果を尊重するよう求める。我々は,すべての戦闘中の部隊に対し可能な限り早く完全なる停戦を実施するよう促す。我々は,人権を最大限に尊重し,カンボディア当局に対し,国連が列挙したものを含めた人権侵害を調査し,これ以上の遅滞なく犯人を裁くよう求める。

ミャンマー/ビルマ

46.我々は,同国における政治及び経済情勢,特に少数民族居住地域における継続的かつ広範な人権侵害,及びタイのキャンプの難民に対する国境を越えた攻撃に引き続き懸念を有する。我々は,国家平和開発評議会(SPDC)に対し,民主主義を樹立するために,特に少数民族及びアウン・サン・スー・チー女史を含む民主化運動の指導者と意味のある政治対話を行うことにより,これらの問題に緊急の課題として取り組むよう求める。我々は,また,SPDCに対し不法な麻薬生産及び取引きをなくし,地域的及び国際的な麻薬統制努力により積極的に参加するために更に具体的な措置をとるよう求める。

朝鮮半島

47.我々は,朝鮮半島の平和と安定を達成することを目的とした南北対話と四者会合プロセスを支持する。我々は,米朝間の合意された枠組みと朝鮮半島エネルギー開発機構への支持を再確認し,北朝鮮がすべての不拡散義務を完全に遵守することの重要性を強調する。我々は,相当量の緊急食糧支援を北朝鮮に供与してきており,北朝鮮に対し,食糧不足の根本的原因に対処する措置をとり,食糧輸送の適切なモニタリングを可能とするよう引き続き促していく。

大湖地域

48.大湖地域における継続的な紛争により,もたらされている不安定な影響は,引き続き国際社会にとって主要な懸念事項である。また,我々は,国連武器の流入に関する委員会の再開のような暴力を防ぐ措置を歓迎する。我々は,新たな大量虐殺の危険を孕む,政治的,民族的な動機を伴ったあらゆる殺害を非難する。我々は,ルワンダ,ブルンジ,コンゴ民主共和国の政府と人々に対し,対話の過程を通じ,及び正義,暴力の拒否,和解と能力の育成を通じ,紛争の原因に取り組み,責任ある代議政体を含む強化された民主的組織とプロセスを創ることを促す。この関連で,アフリカ統一機構により提案された,ルワンダにおける集団虐殺と関連事項に関する,著名人による国際的なパネルによるレビューが,地域レベルの政府と国際社会が前進する道を見つけるのに役立つはずである。我々は,安定,民主主義,繁栄を促進しようとする同地域の人々による継続的な努力を賞賛し,これらの努力を支援する用意がある。我々は,諸事情により国連事務総長の調査チームが調査を継続できなかったとの事実を遺憾とするものであり,我々は,同国が人権侵害に関する国際的な調査に協力することを促す。

ナイジェリア

49.信頼できる文民の民主政権への移行は,ナイジェリアが国際社会の中で真の潜在能力を発揮し,アフリカの将来において重要な役割を果たすことができるために,必須のものである。我々は,政府が承認した5つの政党より,わずか一人の大統領候補者しか指名されてこなかったことに留意する。我々は,アフリカにおいては,他地域と同様,信頼できる移行を実現するには,現指導者の後継者につき違った見方を有する人々が候補者を指名し,自由に組織化でき,選挙活動を行ってナイジェリア国民に対し主張できることが必要であることを強調する。我々は,指導者やその他の民主主義活動家の拘留や報道関係者や人権グループに対するハラスメントを含む継続してきている人権侵害につき,引き続き深く懸念を有している。我々は,ナイジェリアの政権が,すべての政治的な囚人を解放し,人権尊重と法の支配を回復するための措置を直ちに採ること,また,これらの問題の早期の進展に対し国際社会が非常に重視していることを認識することを呼びかける。

アンゴラ

50.和平プロセスにおける一定の前向きな変化に留意しつつ,我々は,すべてのアンゴラの関係者が以前に合意された日時の範囲内で,二者間の合意のすべての条項,解決のタイムテーブル及び関連する安保理決議を完全に実施することを呼びかける。我々は,「トロイカ」(米国,ロシア,ポルトガル),国連安保理,国連事務総長並びにアンゴラにおける事務総長の特別代表によるその目的に向けた努力を支持する。

ソマリア

51.我々は,法的権威の欠如や人道援助及び復興に対する障害に見られるようなソマリアにおける紛争の状況に懸念を有している。我々は,ソマリアにおける平和,安定及び諸制度の復興を促進するため,「開発に関する政府間機関(IGAD)」のパートナーや他の関心を有する国々,国際的ないし地域的機関により支援された,IGADを通じて行われている当該地域諸国による協調努力を支持する。