データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] アフリカのためのジェノヴァ・プラン(第27回主要国首脳会議)

[場所] ジェノヴァ
[年月日] 2001年7月21日
[出典] http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2001/genova/g8africa.html
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 ジェノヴァにおけるG8首脳会合において、我々は、アフリカの問題の解決に向けて、アフリカ自身が行っている努力を支持することに合意した。アフリカにおける平和、安定及び貧困撲滅は、我々が新たなミレニアムにおいて直面している最も重要な課題の一部である。

 我々は、責任とオーナーシップの原則に基づき、民主主義、透明性、良い統治、法の支配及び人権を開発の根本となる要素として強調する、新アフリカ・イニシアティブを歓迎する。このイニシアティブは、アフリカ諸国と先進地域との間の、新たな密度の濃いパートナーシップの基礎となる。

アフリカのいくつかの地域において、紛争の解決に関する著しい進展がみられる。しかしながら、多くの場所において、紛争は、依然として経済的・社会的発展にとって主要な障害である。我々は、国際社会に対し、アフリカ諸国の政府、アフリカン連合及び小地域的な機関とのパートナーシップの下、紛争の予防、管理及び解決へのコミットメントを継続するよう強く求める。

 我々は、民主主義、多元主義及び選挙の公正がより多くのアフリカ諸国において確固たるものとなってきていることを、引き続き支持する。我々は、民主的原則と法の支配が弱い地域においても、開かれた政治に向けた同様の進捗が見られるよう奨励する。また我々は、アフリカ産品の世界市場へのアクセスの向上、海外直接投資の誘致及び主要な社会部門、特に保健及び教育に対する投資の促進のため、アフリカ諸国の政府と協力して取り組むことが重要であることを強調する。重債務貧困国(HIPC)イニシアティブの実施は、これらの取組

に要する支出のための資源を提供しよう。

 我々は、アフリカの開発のために非常に重要な問題に取り組むための新たなパートナーシップを形成することを本日決定した。我々は、我々のアフリカのパートナーと共に、また、国連、世界銀行、IMF及びWTO新ラウンド交渉といった多数国間フォーラムの場において、この目標を促進することにコミットする。我々のパートナーシップは、新アフリカ・イニシアティブの主要なテーマを支持する。これらのテーマには以下のものが含まれる。

 ・民主主義及び政治上の統治

 ・紛争の予防及び削減

 ・保健及び教育への投資、並びに、世界エイズ保健基金を通じたものを含む、HIV/エイズ、結核及びマラリアへの取組による人間の開発

 ・情報通信技術

 ・経済上の統治及びコーポレート・ガヴァナンス

 ・腐敗に対する措置

 ・アフリカにおける民間投資の促進

 ・アフリカ諸国間の貿易及びアフリカと世界の貿易の増大

 ・飢餓との闘い及び食糧安全保障の強化

 このプロセスを前進させるため、我々は、それぞれ、来年のG8サミットにおいてカナダのリーダーシップの下で承認される具体的な「行動計画」の策定について、賛同するアフリカの指導者たちとの連絡を行うハイレベルの個人代表を任命する。