[文書名] カナナスキス/ウィスラー会議 議長サマリー
我々は、カナナスキスにおいて、年次サミットのために会合し、テロとの闘い、世界経済の成長と持続可能な開発の強化、及びアフリカの開発のための新たなパートナーシップの構築といった課題について議論した。
この会合は、9月11日の悲惨な事件以降の我々にとり最初の会合である。我々は、テロリスト及びそれを支援する者が、無辜の市民及び我々の社会に対して及ぼしている脅威について議論した。
●我々は、テロリストへの支援及び聖域を否定し、テロリストを法に照らして裁き、テロリストによる攻撃の脅威を減少させるための持続的かつ包括的な行動をとることにコミットしている。
●我々は、テロリストまたはそれを匿う者が、核・化学・放射性及び生物兵器、ミサイル、並びに関連物質・機材及び技術を取得または開発するのを防止することを目的とする、6つの不拡散の原則について意見の一致を見た。我々は、他の国がこの原則の実施に加わるよう求める。
●我々は、新たな「大量破壊兵器及び物質の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップ」を立ち上げ、この下で、合意された指針に基づき協力事業を実施する。我々は、向こう10年間にわたり、かかる協力事業を支援するために、200億米ドルを上限に資金調達することにコミットした。
●我々は、グローバルな交通システムの安全性及び効率性を強化するために、明確な期限を含む新たなイニシアティブである「交通保安に関するG8協調行動」について意見の一致を見た。
我々は、世界経済の成長及び雇用の見通し、並びに貧困削減及び持続可能な開発の課題について議論した。我々は、我々の経済及びグローバルな成長への見通しに対する自信を表明した。我々は、我々自身の経済における経済改革の成功のための強力な政治的リーダーシップの根本的重要性について合意した。我々は、ブラジル及び他のラテン・アメリカの諸国を含む新興市場国による健全な経済政策を実施する努力を支持する。
●我々は、保護主義的圧力に抵抗することに合意し、2005年1月1日までにドーハの開発アジェンダを成功裡に終結させることを確保するために開発途上国と協力するとの我々のコミットメントを強調した。
●我々は、ドーハ・アジェンダ及びモンテレー・コンセンサスを再確認することの重要性について意見の一致を見た。さらに、持続可能な開発及び目に見える成果を達成するための意味あるパートナーシップを創り出すために、来るヨハネスブルグ・サミットにおいて、努力することにつき意見の一致を見た。我々は、気候変動はグローバルな解決を必要とする喫緊の課題であると認識し、また、森林破壊の問題について議論した。
●我々は、拡大HIPCイニシアティブにおいて最大10億米ドルの資金不足が生じうることを認識し、我々の負担分を拠出する。我々は、HIPC債務救済により恩恵を受ける国における良い統治の重要性を強調した。
●我々は、ドット・フォースのジェノバ行動計画の実施を検討し、行政の効率性を改善し国家予算の透明性を高めるためのe−モデルのような、e−開発のための開発途上国の準備を強化するイニシアティブを歓迎した。
●我々は、開発途上国が初等教育普遍化及び女子の教育への機会均等を達成することを支援するための、一連の提案を採択した。我々は、これらの目標に向けた、確固かつ信頼できる政策及び財政的コミットメントを示した諸国に対して、我々の二国間援助を相当程度増加させることに合意した。
我々は、アルジェリア、ナイジェリア、セネガル及び南アフリカの大統領並びに国連事務総長と会談し、アフリカが直面している課題及び「アフリカ開発のための新パートナーシップ」(NEPAD)へのG8の対応について議論を行った。
●我々は、「G8アフリカ行動計画」を、NEPADを支援するための行動の枠組みとして採択した。我々は、各々がNEPADのコミットメントを反映する行動を見せるアフリカ諸国との間で強化されたパートナーシップを構築することに合意した。
●アフリカが強固な政策的コミットメントを示す場合、最近の援助の潮流を踏まえれば、モンテレーにおいて表明された我々の新たな開発援助の内、総額で半分又はそれ以上が、公正な統治を行い、自国民に投資し、経済的自由を促進するアフリカ諸国に対して向けられうると我々は考える。
●我々は、マラリア、結核及びHIV/エイズ等の疾病がアフリカの開発に与える壊滅的な影響を強調した。これらの疾病に対処するための我々の現存のコミットメントに加えて、我々は、2005年までにポリオを根絶するために十分な資源を提供することにコミットした。
●我々は、アフリカの平和支援活動を行う能力を発展させるための共同計画を2003年までに作成するため、アフリカのパートナーと協力することで意見の一致を見た。
●我々は、アフリカのパートナーとの対話を継続する。我々は、次回サミットにおいて、アフリカ個人代表による最終報告書を基に、「G8アフリカ行動計画」の実施の進捗状況を検討する。
最後に、我々は、国際の平和及び安全に対し重大な意味合いを有する、いくつかの地域問題について議論した。
●我々は、イスラエル、パレスチナの二つの国家が安全で認められた国境の中で並存するという我々の構想を基礎とする、中東における平和の達成に向けての作業に対するコミットメントを強調した。我々は、パレスチナの各機関及び経済の改革、並びに自由かつ公正な選挙の緊急性につき合意した。
●我々は、アフガニスタン移行政権を支持する。我々は、東京会議における我々のコミットメントを達成し、阿片栽培と密輸を根絶するために作業する。
●我々は、インド、パキスタン間の緊張について議論した。我々は、パキスタンが同国が管理する領域から発生するテロ行為を恒久的に停止すべきことに合意した。両国は、両国を分断する根元的な問題に関する持続的な対話にコミットするべきである。
●我々は、次回会合を来年6月に行うとの仏大統領の提案を歓迎した。我々は、2006年にロシアが議長国を務め、我々の年次サミット会合を主催することに合意した。