データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名]  G8首脳声明:大量破壊兵器及び物質の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップ

[場所] カナナスキス
[年月日] 2002年6月27日
[出典]  http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/kananaskis02/index.html
[備考] 仮訳
[全文]

 9月11日の攻撃は、テロリストが、恐怖を引き起こし、無実の市民に恐るべき犠牲を強いるために如何なる手段をも厭わないことを明らかにした。我々は、テロリストまたはそれを匿う者が、核、化学、放射性及び生物兵器、ミサイル、並びに関連物資、機材及び技術を取得または開発することを防止することにコミットする。我々は、すべての国に対し、本日発表した一連の不拡散の原則の採択に参加するよう求める。

 これらの原則を実施するための主要なイニシアティブとして、我々はまた、本日、大量破壊兵器及び物質の拡散に対する新たなG8グローバル・パートナーシップを打ち出すことを決定した。我々は、このイニシアティブの下で、不拡散、軍縮、テロ対策及び原子力安全に関する問題に対処するための具体的な協力事業を、まずロシアにおいて、支援する。我々の主たる関心事項には、化学兵器の廃棄、退役原子力潜水艦の解体、核分裂性物質の処分、及び兵器の研究に従事していた科学者の雇用が含まれる。我々は、向こう10年間にわたり、このような事業を支援するために200億ドルを上限に資金調達することにコミットする。本グローバル・パートナーシップに貢献する国は、二国間債務と協力事業のスワップの選択肢を含め、様々な資金供給の選択肢を活用できる。我々は、効果的かつ効率的な策定、調整及び実施を確保するため、新たな事業に関する具体的な合意のための交渉の基礎となる一連の指針を、直ちに適用されるものとして、採択した。我々は、向こう1年間、この指針の既存の事業への適用可能性について再検討する。

 このグローバル・パートナーシップが国際の安全保障及び安全を向上させることを認識し、我々は、この共通原則及び指針を採択する用意のある他の諸国に対し、このイニシアティブへの参加及び貢献について我々との議論を開始するよう呼びかける。我々は、このグローバル・パートナーシップの進捗状況を、2003年の次回サミットにおいて検討する。