[文書名] G8声明:ガザ撤退及び中東和平へ向けた道程
G8は、シャロン首相のイニシアティブを承認するイスラエルの閣議決定に従い、イスラエルが全てのガザ入植地及び西岸の一部から撤退するという見通しを歓迎する。G8は、「中東における平和を追求する極めて貴重な機会を提供するこのような前進を歓迎し、奨励する」との5月4日の四者会合(カルテット)の声明を想起しつつ、この決定が2005年中に実施されることを期待する。G8は、この撤退のイニシアティブが、地域の平和及び、パレスチナ国民の希望、そしてイスラエル及び自立し、民主的かつ主権を有する陸続きのパレスチナが平和かつ安全に共存するという2国家に関する我々の共通の目標の実現に向けた前進に刺激を与えることを期待する。
G8は、四者会合のロードマップを包括的な解決に向けた前進であると考えており、全ての当事者に、ロードマップにおけるそれぞれの義務を果たすことを求める。G8は、四者会合に主導された国際社会の他の国々と共に、ロードマップのモメンタムを回復し、パレスチナの人々の人道的及び経済的状況を強化し、民主的で、透明性があり、責任あるパレスチナの諸機関を構築する。我々は、また、イスラエルが撤退するガザ及び西岸の一部の安全と安定の確保を支援するよう作業する。我々は、両者に対し、あらゆる暴力行為を停止するよう求める。
これらの目標の推進にあたり、G8は、四者会合に対し、今月末までにこの地域で会合を開き、イスラエル側及びパレスチナ側の代表と共に、5月4日の声明を事実上前進させるための計画を作成するよう求める。
我々は、エジプトによるものを含め、ガザに関する重大な治安問題の解決のための全ての努力を支持し、評価するとともに、この重要な作業の継続を要請する。パレスチナ治安機関が法の支配を強化し、あらゆる形態のテロに対する効果的な活動を実施し、権限を与えられた内務大臣及び首相に対して報告するようにするために、ロードマップと整合した形でパレスチナ治安機関を再建し再び焦点をあてるよう求めるとともに、これを支持する。
我々は、ガザ及び西岸の人道的状況を緩和するため現地支援調整委員会の重要な作業が継続されなければならないと信じる。我々は、パレスチナ経済の再活性化のためのパレスチナ支援調整委員会の会合を開催するための準備を今から開始することを提案する。我々は、世銀信託基金を、国際的な支援を受け入れる上で、責任及び透明性を有しているものとして歓迎し、これに対する国際的な支援を奨励する。我々は、今夏末から地方選挙を実施するというパレスチナ暫定自治政府の計画を歓迎する。我々は、これら及びその後の選挙が公平かつ透明性のあるものとなり、民主的改革の基盤として役立つことを確保する準備を支援するため、パレスチナ自治政府改革タスク・フォースが早急に会合を行うべきであると確信する。
G8は、ジュネーブにおける国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に関する国際会議を歓迎し、国際的支援に関係する全てのグループ間での緊密な調整を支持する。