データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ポリオ根絶を支援するG8の約束

[場所] シーアイランド、ジョージア州
[年月日] 2004年6月10日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文]

1.1988年、世界の保健大臣達は、ポリオの根絶を一致して約束した。G8諸国は、この課題を取り上げ、世界中のポリオワクチン接種キャンペーンに資金を拠出するため、官民のパートナーと共に、33億ドル以上を調達した。既に、数百万人の児童がポリオによって肢体不自由になることを免れ、そして世界保健機構が主導する世界ポリオ撲滅イニシアティブ(PEI)が成功すれば、2005年までにポリオは世界的に撲滅される。主要な疾病の中でこれまで根絶されたのはただ一つ −天然痘− のみである。

2.しかし、前途には危険がある。インド、パキスタン、エジプト、アフガニスタン、ニジェール及びナイジェリアの6か国において、程度は様々であるが、ポリオは依然として存在している。アフリカの9か国において、ポリオは再発した。ポリオ撲滅イニシアティブは、2004年から2005年の資金不足に直面している。我々は、この不足を満たすことがほぼ可能なところにあり、努力を持続することによって、ワクチン接種キャンペーンは継続し、我々はポリオのない世界という目標に近づくことができる。この疾病に対して我々がこれまで実現した進歩は、今、我々が何も行動を起こさなければ消え去ってしまうであろう。成功への鍵は、ポリオが流行している国々の取組み及びコミットメントの拡大である。

我々の約束{前5文字下線有り}

3.我々は、2005年までにポリオを撲滅するために、全ての必要な手段をとる。

4.ポリオが再発生しないことを確保するため、我々は、2008年までの撲滅後の期間において、国の保健戦略及び保健構造における必要な手段の完全な統合を確保するために作業する。

5.我々は、我々の努力及び他の者の努力によって、現在、2004年の資金不足が解消されたことを喜ばしく思う。我々は、2005年のG8サミットまでに、G8及び他の官民のドナーからの拠出によって、2005年の資金不足を解消することを決意する。

6.我々は、ポリオ撲滅のための資金を誓約した政府に対し、その誓約を現実の拠出にするよう強く求める。我々は、現在から2005年にかけての効果的なワクチン接種キャンペーンのための予算及び計画の策定が可能となるべく、時宜を得た拠出の確保に取り組む。

7.また我々は、ポリオが流行している6か国及びポリオが広がりつつある9か国の政府と共に、これら政府に対し、より強力な手段をとりポリオ・ウィルスを封じ込め、破壊するよう強く求めることを誓約する。我々は、また、他のドナー及び機関をこれら各国への支援を行い、またこれらの国の取組みを奨励することを約束する。

8.G8は、ポリオ撲滅のための努力におけるパートナーシップの一例として、2003年10月16日から17日までマレーシアで開催されたイスラム諸国会議機構首脳会議で採択されたポリオ撲滅に関する決議を歓迎する。

9.G8は、ポリオ撲滅イニシアティブの立派な活動、並びに直接の資金拠出及び世界中の数千人のボランティアの取組みを通じた国際ロータリーによる特別の貢献を評価する。