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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] G8外相会合,アフガニスタンに関する声明

[場所] ロンドン
[年月日] 2005年6月23日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 我々、G8外相は、本日、アフガニスタンのアブドラ外相と会談した。我々は、2001年12月のボン合意以来、アフガニスタン政府及び同国国民が目覚ましい前進を達成したことを祝福した。我々は、2005年9月18日に議会及び地方選挙が行われることを、民主主義に向かう更なる重要な一歩として、温かく歓迎する。これらの選挙はボン・プロセスが成功裡に完了したことを示すものとなろうが、しかしそれはアフガニスタンに対する国際社会のコミットメントが終わることを示すものではない。

 深刻な諸課題が残っている。我々は、アフガニスタン政府及び国民が、彼らの自由を補強し、安全を強化し、法の支配への移行を完了し、人間開発及び経済開発の速度を上げ、その範囲を拡大し、非合法麻薬経済への依存を排除するために、その達成した成果の上に更に積み重ねていくことを支持することを約束する。我々は、国民和解を促進し、近接した過去の不正義に対処するための進行中の努力を支持し、アフガニスタン主導の移行期正義プロセスの重要性を認知する。

 我々は、国連安保理によってマンデートを与えられ、NATOが主導するの国際治安支援部隊(ISAF)及び不朽の自由作戦(OEF)を通じて国際社会によって行われているアフガニスタンの安全と安定を促進するための努力を支持する。法と秩序を執行する一義的責任はアフガニスタン政府にあるが、国際的な治安支援はいましばらくの間必要となる。我々は、ISAFとOEFという2つの作戦をより良く統合するための方策及びその実施に向けて提案されているスケジュールを含め、両者のより大きな相乗効果を確保するための進行中の作業を歓迎する。

 治安は、アフガニスタンにおける長期的な復興と開発にとって引き続き重要である。我々は、これまでに達成された武装勢力のDDR(武装解除、動員解除及び社会復帰)における進展を歓迎し、非合法武装勢力の武装解除に関し、特に課題があると認識する。我々は、来る選挙を含めた政治プロセス、治安分野の改革及び麻薬の生産、精製及び取引を撲滅しようとする我々の努力に対してこれらの勢力が与える脅威を低減するために、アフガニスタン政府及び国連と密接に協力してこれを支援する。

 麻薬はアフガニスタンの安定と安全に対する直接の挑戦となっている。我々は、麻薬のないアフガニスタンに向けて前進するための基礎として、2005年麻薬対策実施計画を承認し、支持する。我々は、ケシの栽培を終わらせ、適切な司法及び警察能力を構築し、農村経済に携わる人々に対して持続可能な代替的な生計の方途を与えるためにアフガニスタン政府及び国際社会が行っている努力を支持する。我々は、より多くの資金及び能力向上の必要性を認め、国際社会に対し、引き続き緊密に関与するよう奨励する。

 国連は、アフガニスタン政府を支援する上で重要な役割を果たしている。我々は、UNAMA(国連アフガニスタン支援ミッション)及び国連の他の諸機関の作業を最も重視しており、UNAMAが引き続き予見可能な将来にわたり重要な調整的役割を果たすべきと信じる。G8メンバーとして、我々は、特に地方レベルの司法・警察能力及び行政に対して特に注視しながら、法の支配、及び人権を強化するための努力を強化する。

 ボン・プロセスの精神の中で、我々は、議会選挙後の期間におけるアフガニスタンと国際社会との間のパートナーシップを更新するために、アフガニスタン政府及び国連とともに取り組むことを期待する。このプロセスは、我々の相互のコミットメントを定め、今後数年にわたるその実施のための枠組みと方法を提供するものでなくてはならない。

 我々は、インフラの再建、人的及び制度的能力の向上、及び地域共同体ごとの開発を通じた貧困層に焦点をあてた成長を達成するためのアフガニスタンによる開発努力を引き続き支持する。我々は、アフガニスタンの将来の繁栄及び安定に決定的となる地域経済協力の拡大の重要性を認識し、すべての関係者に対し、かかる目的を達成するための提案を行うよう奨励する。我々は、本年後半に予定されているアフガニスタン及び英国によってカブールにおいて共催される本件に関する国際会議を歓迎する。