[文書名] スーダン(第31回グレンイーグルズ主要国首脳会議‐G8サミット)
1.我々G8首脳は、本日、ダルフールにおける危機を終結させることを決意する。この危機により、数千人が殺害され、約2百万人もの人々が家を追われ、故郷へ戻ることを恐れており、また20年以上も野蛮な内戦の舞台となったスーダン南部において、大変な苦労の末達成された和平合意が損なわれるおそれがある。ダルフールにおける危機を終結させるため、我々は、既に相当の支援を行ってきており、また、我々はここにその支援を継続させることを誓約する。我々はまた、スーダン東部の情勢を綿密に注視していく必要性に留意する。
2.我々は、ダルフールの危機を解決するためのアフリカ連合(AU)の取組を賞賛する。我々は、ダルフールの反政府団体及びスーダン政府が、停戦合意を厳正に遵守し、またアフリカ連合が主導するアブジャにおける対話で完全な政治的合意を達成するため建設的に交渉することを要請する。この紛争を解決するための場は他に存在しない。我々は、7月5日の関係当事者による「諸原則の宣言」の署名を歓迎する。これは重要な最初の一歩である。政治的な解決なくしては、人道的危機は継続し、また永続的な平和と安全は引き続き達成されない。ダルフールにおいて犯された恐ろしい犯罪の不処罰を終わらせることが極めて重要である。我々は、スーダン政府及びその他のすべての関係当事者に対し、人権侵害に責任を有する者を逮捕し司法手続にかけるため国際刑事裁判所との協力を要請する国連安保理決議1593を履行し、また、ジャンジャウィード他の民兵を武装解除することを要請する。
3.AUは、現地の治安を向上させ、文民を保護し、人道支援策が機能することを可能にし、また政治対話に成功の機会を与えることに極めて重要な役割を果たしている。AU部隊は、前向きな影響をもたらしている。反政府勢力と政府部隊の間の衝突の回数は減少しており、同部隊の増強は治安の向上に更に貢献する。G8各国は、AUのミッションの支援に深く関与しており、これまで4億6千万ドルをコミットした。我々は、9月末までに完全な展開を達成するためにAUが必要とする支援を緊急に供与するために、欧州連合やNATO等を通じて緊密に協力している。
4.1年前には、ダルフールにおける人道支援は、緒に就いたばかりであった。それは、いまだに必要とするすべての人々には行き渡ってはいないものの、現在では、大部分は効果的な作業となっている。我々は、スーダン政府及び反政府勢力に対し、人道援助機関の極めて重要な作業が、妨害、略奪される不安なく継続及び拡大でき、その結果人々が故郷に帰還し、自分達の正常な生活を再開できるよう求める。G8各国は既に、スーダンに対し、向こう3年間で35億ドル以上の支援をコミットしている。しかし、ギャップはいまだ存在する。したがって、我々は本日、このギャップを埋め、また今後数年間要請がある間、資金供与を維持するため、改めて国際社会の努力を呼びかける。そして我々は、2005年4月のオスロ支援国会合において行われたコミットメントを迅速に果たすようドナー各国へ強く求める。
5.包括的和平合意の署名後、スーダンは現在、極めて重要な転機にある。国連のミッションの取組は極めて重要であり、G8として完全に支持している。G8各国は、スーダンの人々がこの合意を実施し、より透明で民主的な政治体制を樹立する際に、支援を行うことにコミットしている。我々は、明日のスーダン新政府の樹立を歓迎し、同新政府がスーダンを国民が享受すべき平和で、繁栄して、民主的な国とするよう強く要請する。