[文書名] G8貿易宣言(第33回ハイリゲンダム主要国首脳会議‐G8サミット)
我々は、ドーハ開発アジェンダ(DDA)において、野心的でバランスのとれた包括的な合意を達成する必要性を強調する。これは、世界貿易、特に、先進国間、開発途上国間及び先進国と開発途上国との間の貿易を促進し、多国間貿易ルールを強化するものである。我々は、取組の強化により立場の収斂が達成可能であり、これによって2007年末までのラウンド妥結に貢献するとの信念を強調した2007年4月12日のG6貿易大臣コミュニケに留意する。
このような考えの下、我々は、DDAのすべての分野について高い水準の野心をもって取り組むことを誓うとともに、すべてのWTO加盟国に対して、交渉が迅速に成功裡の妥結に至るよう、建設的な柔軟性を示すよう呼びかける。政治レベルでの継続したコミットメントを具体的な成果に移す時が到来している。
従って、我々は、貿易を担当する閣僚、特に主導的な先進国及び主要な新興経済国の閣僚に対して、多国間での交渉がモダリティに関する合意へ至るための堅固な土台を今後数週間の内に提供するよう強く求める。この観点から、我々は、適時にブレークスルーに達するよう、ジュネーブでの様々な交渉グループの中で、交渉関係者があらゆる必要な努力を行うことを期待する。また、我々は、WTO事務局長や各交渉グループ議長と、また、すべてのWTO加盟国の間で、緊密に協力することが必要である旨強調する。
我々は、漸進的な貿易自由化を促進し、途上国の多角的貿易体制へのより良い統合を助け、最貧国がグローバル化の重要な機会から利益を享受できるよう支援しつつ、DDAの開発の側面に完全にコミットし続ける。このような考えの下、我々は「貿易のための援助」の重要な役割、強化された統合フレームワーク、貿易関連のキャパシティ・ビルディング全般の役割、増大した一層効果的な資金提供の基本的な重要性を強調したい。グレンイーグルズ及びサンクトペテルブルクでのG8サミット及びWTOの「貿易のための援助」タスクフォースの勧告に基づき、我々は、すべてのドナーに対して、2010年までに用い得る手段の質と量を改善することを強く求めるとともに、パートナー諸国に対して、「貿易のための援助」という課題を貧困削減及び国家開発戦略に含めるよう慫慂する。