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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] アフリカにおける民間セクター主導の成長のためのG8アクションプラン:投資環境の改善と金融セクター強化のポイント(G8財務大臣会合)

[場所] 大阪
[年月日] 2008年6月14日
[出典] 財務省
[備考] 
[全文]

新興国や発展途上国は近年堅調な成長を続けているが、食糧や資源価格の上昇等の外部要因に対し、アフリカを中心に依然として脆弱。G8財務大臣は、アフリカ諸国と共に、この望ましい傾向を維持・強化することと、アフリカ向け援助を倍増する公約にコミット。高成長を継続させるためには、民間部門主導の成長を慫慂することが不可欠であり、G8財務大臣は、なかでも投資環境の改善と金融セクター強化に焦点をおくことを提案。

投資環境の改善

信頼性の高いインフラの構築が成長促進には不可欠。G8財務大臣は、地域横断インフラや港湾・貯蔵施設の整備、そのための官民連携の推進等に対するバイの支援を拡大。アフリカ開銀のEPSA(Enhanced Private Sector Assistance)、世銀の持続可能なインフラ行動計画等によるインフラ整備向け支援の拡大を歓迎。

中小企業等の生産性向上が不可欠。G8財務大臣は、アフリカ各国における中小企業等の産業集積の拡充を支援。アフリカ開銀の中小企業向け技術支援のための専門家派遣の枠組み構築を支持。農業セクターにおける生産性向上が必要。

良き財政ガバナンスの重要性を確認。投資家に前向きなメッセージを送るため、G8財務大臣は、公共財政管理に関する分析についての情報公開を引き続き慫慂。

資源国における資源収入の管理に関する経験を集約し、各国に対し有益な助言を行うことを、G8財務大臣は、IMFと世銀に対し要請。資源収入を教育、インフラを含む生産的な投資に利用することが不可欠。採掘産業透明性イニシアティブ(EITI)の有用性を認識。

民間投資を誘致するためには、規制枠組みの強化が必要。G8財務大臣は、ビジネス環境の制約を特定し、各国の改革努力をモニタリングするため、投資環境についての指標の活用を慫慂。改革の道筋を探るため、資本逃避に関する更なる研究をIMFに対し慫慂。

途上国の経済活動の大半が公式経済の外で行われており、財産権の確立や公式経済へのアクセス拡大に焦点をおく必要。G8財務大臣は、財産権に関するベストプラクティスの策定の検討を世銀に対し要請。

G8財務大臣は、アフリカ諸国の貿易促進と税関関連サービスの改善を推進するため、世界税関機構(WCO)との協働による技術支援を通じたOne Stop Border Postを促進。「貿易のための援助」を通じて、アフリカ諸国の貿易関連インフラの運営等に関する能力向上を支援。

G8財務大臣は、世銀及びアフリカ開銀に対し、スペンス教授による「成長に関する委員会報告」に留意しつつ、アフリカの包括的投資環境改善のための方策を検討し、次回G8財務大臣会合で報告することを要請。

金融セクター強化

金融サービスへのアクセス向上が不可欠。アフリカの銀行システムは中小企業等の資金ニーズへの対応が不十分。アフリカの借り手は長期資金調達に際して、通貨と期間のミスマッチに直面。

G8財務大臣は、アフリカ開銀のEPSA等を通じた地場金融機関の能力強化を支持。アフリカの借り手に対する現地通貨建ファイナンスを拡大。この点で、途上国における投資に対し通貨・金利デリバティブを提供するTCX(The Currency Exchange Fund)の活動に着目。

G8財務大臣は、アフリカにおける現地債券市場の発展のための技術支援の重要性を引き続き強調。アジア債券市場イニシアティブ(ABMI)等、アジアの経験、知見の活用が有用。

途上国債券への投資や政府等への技術支援を内容とした国際金融機関の支援プログラムを支持。

G8財務大臣は、アフリカ諸国に対する海外からの民間投資を引き続き慫慂。海外にいるアフリカ人労働者の知識、技能、送金がより活用されるべき。