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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] アフガニスタンに関するG8外相共同声明(G8外務大臣会合)

[場所] 京都
[年月日] 2008年6月26日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

1.アフガニスタンは、長期的な安定には道半ばであり、いまだテロ、治安、貧困、汚職、違法な麻薬生産、合法的な経済機会の欠如、脆弱な各種機関といった深刻な課題を克服しなければならない。我々G8外相は、アフガニスタンの安定と復興に向けた一体的アプローチによりアフガニスタンを支援するという確固たる長期的コミットメントを新たにする。我々は、アフガニスタン国家開発戦略(ANDS)を歓迎し、同時に、アフガニスタン政府に対し、ANDSの実施に際し、治安、統治及び復興においてより大きな責任を担うよう強く奨励する。

2.我々は、アフガニスタンにおいて国連が果たす国際的な文民の取組を主導するとの重要な役割を支持する。この点に関し、我々は、国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)の任務を強化した国連安保理決議第1806号を歓迎し、国際社会による取組を全体的に調整する役割を担うUNAMA及びカイ・アイダ国連事務総長特別代表を支持することにコミットする。

3.我々は、国際治安支援部隊(ISAF)及びこの取組を支援する海上の要素も含む不朽の自由作戦(OEF)が果たす役割を評価する。我々はまた、地方復興チーム(PRT)が果たす重要な役割を認識する。我々は、アフガニスタン国軍及び警察がさらに主導的かつ自律的となるよう、軍及び警察の建設への支援を加速する。我々はまた、国全体にわたる非合法武装集団の解体(DIAG)及び司法改革を含む治安分野改革のその他の要素においても、アフガニスタンに対する支援を強化する。

4.我々は、違法作物の排除及び持続的な経済的代替物への支援を含む麻薬対策の取組を強化する。我々は、近隣国に対し、アフガニスタン国内及び周辺で活動している麻薬の違法取引者及びテロへの資金供与者を阻止するよう奨励する。

5.我々は、法の支配、人権の尊重及び保護並びに汚職防止を確立するような方途で、中央及び地方双方のレベルでアフガニスタンの統治を強化するというアフガニスタンのコミットメントを歓迎し、支持する。

6.我々は、6月12日にパリで開催されたアフガニスタン支援国際会合の結果を歓迎する。特に、ANDSの実施を後押しする、同会合でなされたプレッジを歓迎する。我々は、すべてのアフガン人が、復興と開発の利益を享受できるよう、開発課題への取組に当たって国連その他の関係国際機関、民間部門及びNGOと緊密に協力する。我々は、アフガニスタン・コンパクトで規定されている優先分野に焦点を当て、説明責任の向上及び活動の調整を通じ、アフガニスタンの自助努力と優先順に基づいて、援助効果の向上に取り組むことにコミットする。さらに、我々は、汚職と闘うための具体的な措置をとることを含む政治・経済改革を追求するという、パリ会合でのアフガニスタン政府のコミットメントを歓迎した。

7.我々は、大統領選挙及び国民議会選挙の準備を進めているアフガニスタン政府を支持するというコミットメントを強調する。我々は、過激主義及びテロを打倒し、アフガニスタンに民主主義を定着させることを目標に、アフガニスタン憲法及び国連安保理決議第1267号に従い、包括的で、国民を代表し、かつ対応能力のある政治的枠組みの確立に向けたアフガニスタンの努力を引き続き支援する。

8.我々は、アフガニスタンの近隣国に対し、アフガニスタンの安定のために建設的な役割を果たすよう求める。特に我々は、アフガニスタンとパキスタンに対し、対話を通じて建設的かつ互恵的な方途で協力を継続することを奨励する。G8アフガニスタン・パキスタン・イニシアティブに沿って、我々は、連邦直轄部族地域(FATA)を含む国境地域への支援を強化し、また、より良い調整のため、必要に応じ、国連事務総長特別代表による周旋を活用する。この点に関し、我々は現在G8各国により計画乃至実施されている150以上のプロジェクトを承認する。これらの重要な取組は、麻薬の違法売買や過激主義が蔓延している孤立した地域社会において合法的な経済機会及び経済代替物を促進することによってテロと闘う我々の戦略の不可欠な一部を成す。これらの目標を追求するため、我々は、アフガニスタン及びパキスタン政府の支持を得て、UNAMAを支援する形で、G8による調整の仕組みを創設することで合意した。