データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 2012年不拡散及び軍縮に関する宣言

[場所] キャンプデイビッド
[年月日] 2012年5月19日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

1. 大量破壊兵器(WMD)の拡散は国際の平和と安全に対する主要な脅威であることから,大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散防止は,我々の最重要課題の一つである。国際社会はこの懸念を国連安保理決議第1540号,第1673号,第1810号,第1887号,第1977号で強調した。我々は,拡散の防止及び拡散への対抗に寄与するすべての多数国間条約及び取決めの履行と普遍化を促進すること等によって,国際的な不拡散体制を強化する決意である。条約の中には国際安全保障の枠組みに欠かせない要素である核兵器不拡散条約(NPT),生物兵器禁止条約(BTWC)及び化学兵器禁止条約(CWC)が含まれている。我々は拡散に対する安全保障構想(PSI)及び核テロリズムに対抗するためのグローバル・イニシアティブ(GICNT)が引き続き貴重な協力の場を提供するものと確信している。

2. 我々は,NPTの3本柱である軍縮,不拡散及び原子力の平和的利用に対する無条件の支持を再確認する。NPTは依然として核不拡散体制の礎石であり,また,軍縮の追求及び原子力の平和的利用の不可欠な基礎である。我々は,全てのNPT締約国は国際的な不拡散体制の維持及び強化への責任があることを留意し,規定を履行するために適切な手段を講じる決意である。

3. 我々は2015年NPT運用検討プロセスの第1回準備委員会が成功裏に終了したことを歓迎し,素晴らしい議長の采配ぶり及び議長報告書に対しオーストラリアのウールコット大使に感謝を表明したい。2013年の準備委員会を含むNPT関連課題において引き続き我々が協力していくことを期待する。

4. 我々はコンセンサスで合意に達した2010年NPT運用検討会議の最終文書の行動計画を履行する決意であり,NPT締約国に対し行動計画の規定を履行するよう求める。この点に関し,2011年6月30日から7月1日にわたりパリで開催されたP5によるNPT運用検討会議のフォローアップ会合への注目を求める。我々はフォローアップ会合に出席した国による主要な核関連用語の共通定義に関するフォローアップ協議の開催への取組,及び2012年4月4日にロンドンで開催された検証に関する専門家レベル会合の開催への取組を歓迎する。また,次回の会合を2012年6月27日〜29日にワシントンで開催する決定を歓迎する。

5. 我々は,NPT第10条に規定されている脱退の権利を尊重しつつ,同時に,NPTからの脱退に対処する方途と手段が必要であることを認識する。その点に関し,我々は,国連安保理はNPTからの脱退に係るあらゆる国の通知に直ちに対処すべきこと,また,いかなる締約国も脱退以前に犯したNPT違反について国際法上の責任を有することを強調する。NPT締結中に保障措置の下で入手され開発された装置と物資の処分,又はその装置と物資に係わる保障措置の継続的な適用に関する取決めを含む,脱退の通告に集団的に,又は個別に対応できるあり得る方途についてさらなる議論ができるよう,この重要な問題はNPT運用検討プロセスにおいて引き続き議題とする必要がある。

6. また,関係国は,法的拘束力のある非核兵器地帯条約議定書の発効に向け協議し協力するコミットメントを再確認する。この点に関し,我々は,P5と東南アジア非核兵器地帯条約締結国の協議の成功裏の終了を歓迎し,P5の早期議定書署名を期待する。また,中央アジア非核兵器地帯条約締結国との協議を継続するP5の決意を歓迎する。

7. 我々は,中東における核兵器その他の大量破壊兵器及びその運搬手段のない地帯の設置に関する会議を2012年に開催する2010年NPT運用検討会議の決定を想起しつつ,同会議のファシリテーターを務めるラーヤバ大使の取組を強く支持する。我々は,すべての関係国に対し,2012年に開催される会合の準備に必要なあらゆる努力を行うことを求める。中東諸国がすべて参加する会議の成功に期待している。

8. 我々は,深刻な拡散の挑戦への強い懸念と,それらの挑戦を外交的手段を通じて解決するために取り組む決意を改めて表明する。NPTの遵守に対処するのは,核軍縮及び条約の普遍化を含むNPTの完全な履行を達成するための取組の重要な一部である。

9. IAEA,とりわけその保障措置制度は,引き続き核不拡散体制の効果的な実施のための不可欠な機関である。IAEAは,検認の任務を完全に実施することができ,憲章上のマンデートに従い,(保障措置の)違反事例を国連安保理に報告することができるよう,引き続き必要なリソース及び法的権限を有しなければならない。

10. 我々は,アシュトンEU上級代表と共に中国,フランス,ドイツ,ロシア連邦,米国及び英国の政務局長がジャリリ・イラン核問題交渉担当と本年4月14日に会合したことを歓迎する。アシュトン上級代表が述べたように,イランの核問題に関する議論は建設的かつ有益であった。我々は,5月23日にバグダードにおいて行われる会合を含む今後の会合がイランの原子力計画が専ら平和的なものであるとの国際社会の信頼を回復する,交渉による包括的な解決に向けた具体的な手段につながることを期待する。我々は,NPTが,イランのNPTに定められている原子力の平和的利用の権利を完全に尊重しつつ,イランがNPTの全ての義務を遵守することを確保するための真剣な取組の中核的な基盤であるという合意を支持する。イランが依然として多くの国連安保理決議に基づく義務を遵守せず,IAEA理事会決議の要求を満たしていないことは,喫急の懸念の原因となっている。我々は,ステップ・バイ・ステップのアプローチ及び相互主義の原則に立ち,最終目的はイランの国連安保理決議の完全な遵守,及びイランの原子力計画が平和的なものであるとの国際社会の信頼を回復した後の全ての制裁の解除につながる,交渉による核問題の包括的な解決であると再確認する。IAEAとの個別の対話において,イランが核計画の軍事的側面の可能性を含む全ての未解決の問題を完全に遅滞なく解決することが不可欠である。

11. 我々は,本年4月13日の北朝鮮による発射を強く避難する。国連安保理が同月16日の議長声明で明確にしたように,この発射及弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も,仮に人工衛星又は宇宙発射体と称されたとしても,国連安保理決議第1718号及び第1874号の深刻な違反である。北朝鮮の,ウラン濃縮活動を含む弾道ミサイル及び核兵器能力の引き続きの開発は国際的な義務に対する違反であり,地域及び域外の安定及び平和に危険をもたらす。我々は北朝鮮に対し,国際的な義務を遵守し,2005年の六者会合の共同声明の下での自らのコミットメントを果たし,またIAEAが要求し,かつ必要と認めるアクセスをIAEAに提供するよう要請する。我々は北朝鮮に対し,いかなる核実験も含む更なる挑発行為の自制,全ての核兵器及び既存の核計画の放棄,及び全ての関連活動の即時停止を要請する。我々は,既存の国連制裁を完全に履行する決意で変わりなく一丸となっており,北朝鮮による更なる弾道ミサイル技術を使用した発射,核実験,又は国連安保理決議に違反する行為の際には,相応の行動を取る決意を表明する。

12. シリアがIAEAに完全に協力すれば,IAEAの枠内における全ての未解決の問題の解明を可能とするだろう。

13. 我々は,国連安保理決議第1540号,同第1887号及び同第1977号で認められている,国際の平和と安全に対する脅威となる,大量破壊兵器を搭載可能な運搬手段の引き続きの拡散に懸念を表明する。我々は,国際社会にミサイル拡散の脅威に対する国際社会の認識を高める決意である。ミサイルの技術,知見及びシステムの分野における協力を考慮する一方,各国はこれらの拡散の危険性に特別な注意を払うべきである。我々は,現在,イラン及び北朝鮮を含め,中東,北東アジア及び南アジアで進行しているミサイル計画を懸念している。我々は,多国間の取決め,特に,今年25周年を記念するミサイル技術管理レジーム(MTCR)をより効果的なものとするための取組を強化する必要があることを認識する。

14. 我々は,今年10周年を記念する弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範(HCOC)を支持し,HCOCの普遍化の取組を歓迎するとともに,同規範をより効果的なものにし,弾道ミサイルに関する透明性を促進する意図を表明する。

15. 我々は,国家の社会,経済,科学及び技術的な発展,並びに国際の平和と安全の維持において,宇宙活動が重要な役割を果たしていることに留意する。全ての国には,経済,科学及び技術の発展状況にかかわらず,国際法に従い,平和目的に宇宙空間を探査及び利用する権利を有することを我々は強く確信する。我々はまた,国連憲章を含む適用可能な国際法に従って,宇宙空間の探査及び利用の活動を継続するとのコミットメントを改めて表明する。宇宙能力への世界の依存度が増大するに伴い,国家や国際社会全体が,協調して熟考され,かつ合理的なイニシアティブ及び措置を通じ,宇宙空間の安全保障全般に影響を及ぼす要因及び現象への十分な考慮を前進させるために,建設的な共同の取組を行うことが必要となると我々は認識する。

16. この文脈において,長期間にわたる宇宙活動の安定したかつ持続可能な開発の基礎を成す概念及び慣行の推進及び育成の全側面にわたり,特別な注意が払われる必要がある。我々は,有人宇宙飛行及び衛星システムを含む宇宙活動にとって拡大しつつある脅威となっている軌道上デブリの増大を特に懸念している。我々は,国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)における軌道上デブリの軽減に向けた取組を支持する。我々はまた,宇宙空間に関する透明性・信頼醸成措置(TCBM),及び宇宙空間における責任ある行動に関するガイドラインの作成に向けた努力への支持を宣言する。我々は,宇宙活動の国際行動規範に関し,強力な国際合意の形成に向けた現在の努力を歓迎する。欧州連合が提案した規範案は,国際的な規範策定において大いに有用な貢献であり,建設的な出発点である。我々はまた,次回の宇宙活動におけるTCBMに関する政府専門家会合を含む,宇宙空間関連のTCBM及び宇宙活動の安定に関する国際議論の前向きな動きに満足をもって留意する。我々は,上記のフォーラムの議論において,これらの課題に関する建設的な交流のレベル及び質を増進する決意である。

17. 我々は,生物兵器禁止条約(BTWC)第7回運用検討会議の成功を歓迎し,同運用検討会議で合意された,国内実施上の進捗,協力と支援,科学技術,及び信頼醸成措置に関する会期間会合において有意義な意見交換を期待する。同条約の普遍化を促進するコミットメントを再確認し,条約体制の強化のために締約国と連携する決意である。

18. 我々は,CWC及び化学兵器禁止機関(OPCW)の役割への無条件の支持を再確認する。化学兵器の廃棄は,引き続き同条約の中核的な目的である。我々は,すべての保有国が,透明性のある形で,既存の検証制度に従い,化学兵器の廃棄を完了するために必要なあらゆる措置を講じることを奨励する,OPCW締約国会議による直近の決定を歓迎する。我々は,より効果的な産業検証体制の必要性を強調する。

19. 我々は,拡散の問題に対処する上で鍵となる国連安保理の役割を支持する。我々は,1540委員会のマンデートを更新し,また,とりわけ,非国家主体による大量破壊兵器,その運搬手段及び関連物資の入手を防止することを目的とした,並びに大量破壊兵器,その運搬手段及び関連物資の拡散を防止するための国内的規制の導入を締約国に義務つけた国連安保理決議第1540号の義務を再確認した国連安保理決議第1977号の採択を歓迎する。我々は,すべての国に対し,国連安保理決議第1540号の完全な履行に取り組むよう求めるとともに,1540委員会のマンデート遂行に当たり,同委員会への支持を表明する。

20. 我々は,強固な拡散対抗措置を促進することを引き続き決意する。我々は,本年2月に金融活動作業部会(FATF)による拡散金融に関する新基準の採択を認識し,同基準の効果的な履行を全面的に支持する。我々は,拡散に対する安全保障構想(PSI)への参加の拡大,並びに運用及び法的問題を焦点として継続することを促進する。我々は,各国に対し,大量破壊兵器,その運搬手段及びその関連物資の拡散を国内法令において個別の犯罪とすることを奨励する。輸出管理取決めによらない場合には汎用品・技術の輸出を防止するよう,我々は,国内の輸出管理政策を引き続き強化する。我々は全ての国に対し,拡散金融及び出荷の防止,輸出管理の強化,大量破壊兵器に関連する機微な物資の確保,無形技術移転又は大量破壊兵器及びその運搬手段のために使用可能な情報へのアクセスを管理するため,国内権限及び法令上,並びに国際法に沿う適切な国内措置を取るよう求める。

21. 我々は,核燃料サイクルのうち最も機微な側面(濃縮及び再処理)に関連した物質及び技術の移転の管理に関し,原子力供給国グループ(NSG)による合意を歓迎する。

22. 我々は,NPTの目的に従い,国際的な安定を促進する形で,すべての国にとって平等かつ損なわれない安全保障との原則に立ち,この目的を達成するためには不拡散が極めて重要であることを強調しつつ,万人にとってより安全な世界を追求し,核兵器のない世界に向けた条件を創出するための決意を想起する。

23. この点に関し,我々は,アメリカ合衆国とロシア連邦の間で新START条約が2011年2月5日に発効したことを,不拡散条約の目的及び2010年運用検討会議の行動計画への両国のコミットメントの反映として賞賛し,新START条約の履行が積極的に進んでいることを歓迎する。同条約が完全に履行されれば米国とロシアの戦略核戦力が1950代以来最低の水準になることに留意する。我々はまた,フランス及び英国によって既に行われている軍縮関連の努力を想起し,歓迎する。いくつかの核兵器国による核兵器削減,軍縮,信頼醸成及び透明性に関する取組は,透明性の向上・改善措置を含め,2010年5月のNPT運用検討会議で採択された行動計画に沿った重要な進展である。

24. 包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効は,現在核兵器の実験的爆発及び他の核爆発に対する一方的なモラトリアムに依存する実験的核爆発禁止を恒久的に国際法として成文化する。我々は,このようなモラトリアムを歓迎するが,条約の発効と同様の拘束力がないことに留意する。CTBTの発効国際的な不拡散体制及び我々の軍縮への努力を大いに強化する。我々は,発効要件国であるインドネシアをはじめとする直近の同条約批准を歓迎し,全ての未署名・未批准国,特に発効要件国に対し,条約を更に遅滞なく署名・批准するよう求める。我々は,CTBTの基本的義務へのコミットメントを再確認し,すべての国に対し,同条約が発効するまでその目的及び目標を無効とするような行為を慎むことを求める。我々は,検証体制のすべての要素,特に国際監視制度(IMS)と現地査察(OSI)の構築において,包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)が達成した成果への支持を改めて表明する。

25. 我々は,軍縮会議(CD)が,作業計画CD/1864に基づき,核兵器又はその他の核爆発装置に用いられる兵器用核分裂性物質の生産を禁止する(検証規定を含む。)兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉を開始できない状態が続いていることに対する我々の深い憂慮と国際社会の増大する不満に留意する。我々は,G8の核兵器国が表明した当該物質の生産に関するモラトリアムへの支持を表明するとともに,その他の関係国もこれに続くよう求める。

26. 本年7月に国連本部で開催される武器貿易条約(ATT)に関する会議に向け,我々は,本件への国際的な取組の一部として,また通常兵器の不法な取引防止への貢献のため,この国連のプロセスの重要性を認識する。同条約の交渉を歓迎し,全ての国に対し,通常兵器の国際移譲についての高い基準に同意するよう求める。

27. 我々は,IAEAが国際的な不拡散体制の維持及び強化において果たしている中心的な役割を支持し,IAEAの包括的保障措置協定及び追加議定書を,核燃料,設備,及び技術の供給決定に当たり検討すべき普遍的に受け入れられた国際的な検認基準として促進する意思を表明する。我々は,追加議定書の署名及び批准を行っていない国に対し,可能な限り早期にこれを行い,その規定を適用するよう要請する。

28. 我々は,NPT締約国が国際的な義務を遵守しつつ,原子力を平和的目的のために利用する奪い得ない権利を有していることを再確認するとともに,我々は,国際的な核不拡散義務を遵守し,民生用原子力計画の実施を希望する国が原子力の平和的利用により得られる利益への公平かつ責任のあるアクセスを確保するために必要な基本的な要件を満たすことができるよう,当該国に協力する意思があることを表明する。これらの要件は,原子力安全,セキュリティ,不拡散及び環境への配慮を含む。適切な枠組みにおける革新的な技術の発展と適用は,世界的なエネルギー需要への供給や原子力事故に耐え得る強固かつ透明性のある原子力インフラの構築において,ますます重要な役割を果たしている。我々は,事故予防及び万一事故が発生した時の影響を最小化するためのマネジメントにおいて,適宜を得た十分な措置を講じる政府の責任を強調する。原子力事故発生時の通報の効率性と内容についても,更に改善する必要がある。

29. 我々は,核燃料サイクルへの多国間アプローチ,特にロシアにあるウラン濃縮センターの設立が果たす原子力分野において有益な貢献を認識し,引き続きこの問題に対処するためのIAEAの努力を奨励する。この点に関し,我々は,ロシアとIAEAの合意によりロシアのアンガルスクに低濃縮ウラン備蓄が設置されたことを歓迎し,また,IAEA加盟国のために低濃縮ウランバンクを設立するIAEAの決定を支持すると共に同バンクのための用地を提供する準備を進めているカザフスタンの姿勢を歓迎し,更に兵器計画から得られた低濃縮化されたウランで構成されている米国燃料供給保証の設立を歓迎する。我々は,既存の市場ルールの正常な機能を尊重しつつ,核燃料供給保証イニシアティブに関して採択された受領者と供給者との間のモデル協定を支持する。

30. 我々は,58の世界の指導者が世界中の脆弱な核物質及び他の放射性物質の管理を通じて核テロリズムの脅威の削減に向けた努力を行った本年3月のソウル核セキュリティ・サミットの成果を歓迎する。ソウルのサミットの参加者は,世界的な核セキュリティ体制の構築,IAEAの役割,核物質,放射性物質,核セキュリティ及び原子力安全,輸送のセキュリティ,不法取引対策,核鑑識,核セキュリティ文化,情報セキュリティ及び国際協力の分野における重要な核セキュリティの目的に向けた具体的な措置を説明する詳細なコミュニケに合意した。多くの国が核セキュリティの目的の前進に向けた他の多国間の共同コミットメントに合意した。我々はまた,核セキュリティ・サミットの目的を支持する現存する関連の国際的なイニシアティブに参加するよう奨励する。

31. 我々は,すべての国に対し,最新のIAEAによる核物質及び原子力施設の防護に関する核セキュリティ勧告(INFCIRC/225/Rev.5.)の実施を求める。

32. G8は,大量破壊兵器及び物質の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップ(GP)を賞賛する。GPは,ロシアにおける優先事業の完了に引き続きコミットし,核と放射性源のセキュリティ,バイオ・セキュリティ,科学者の雇用及び国連安保理決議第1540号の履行を含む,ドーヴィル・サミットで合意されたマンデートを前進させている。生物兵器の潜在的使用の可能性,又は生物材の故意の拡散から生じる重要な国際的脅威を認識し,GPは,安全で,安定した国家の建設に欠かせない要素としてグローバルなバイオ・セキュリティを推進するための包括的なアプローチを構築するための取組を支持する。2010年及び2012年の核セキュリティ・サミットでの約束を踏まえ,GPは,核セキュリティの研究拠点,国際協力の促進,しっかりした核セキュリティ文化,情報と輸送のセキュリティの進展を通じ,各国の核と放射性源のセキュリティを支援し続けている。GPはまた,2011年に首脳間で合意されたように,GPの参加国を拡大することを引き続き追求し,カザフスタンのGPへの参加に祝意を表明する。GPは,大量破壊兵器の拡散防止への様々なイニシアティブの調整を改善するためのグローバルなイニシアティブに対する現在実施中の関係国際機関の参加を歓迎する。