[文書名] G7とアフリカのパートナーシップのためのビアリッツ宣言(G7ビアリッツ・サミット)
1.我々,G7,エジプト(現AU議長国),ルワンダ(前AU議長国),南アフリカ(次期AU議長国),セネガル(アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)議長国)及びブルキナファソ(G5サヘル議長国)の各国首脳並びにAU委員会委員長は,国連事務総長,IMF専務理事,世界銀行グループ総裁及びアフリカ開発銀行総裁と共に,国際情勢及びアフリカにおける最近の状況をレビューするため,2019年8月25日,ビアリッツに集った。
2.アフリカにおける平和と安全保障に関し,我々は,特にリビア,サヘル地域,チャド湖流域,大湖地域及びアフリカの角における情勢について議論した。我々は,カナダと日本がオブザーバーとして「サヘル同盟」への参加を決定したこととともに,「G7サヘル行動計画」を歓迎する。
3.我々は,貧困の撲滅,教育に対する権利の完全な実現の確保,良質なヘルス・ケアの提供及び浄水へのアクセス改善を含むアフリカ大陸の主要課題に対処するため,G7及びアフリカの再活性化したパートナーシップの重要性を改めて表明する。
4.我々は,繁栄した世界経済の枠組みにおける不平等との闘い,ガバナンスの強化及び包摂的かつ持続可能な経済成長の促進,並びに社会的発展が,安定と平和の鍵となる要素であり,全ての市民が繁栄した未来を分かち合うことを確保する上で基礎となるものであると確信する。したがって,我々は,共通の目的に基づき,アフリカが有する優先事項への支援を目的とした対等なパートナーシップへの我々の固いコミットメントを改めて表明する。我々は,2019年7月7日にニアメで開催されたAU臨時首脳会合において,アフリカ大陸自由貿易圏設立協定の運用段階が開始されたことの重要性を強調する。我々は,G20「アフリカとのコンパクト」といった多国間イニシアティブ及び個々のG7メンバー各々が支援する二国間イニシアティブを通じて,アフリカにおける起業及び民間部門での若者の雇用を引き続き発展させることへの我々の意欲を改めて表明する。
5.我々は,「2030アジェンダ」の持続可能な開発目標に沿って,また,「アジェンダ2063」を考慮しつつ,グローバルな課題に対処するため協働する決意である。ビアリッツ・サミットに至るまでの準備作業段階,エンゲージメント・グループ及び閣僚級会合へのアフリカのステークホルダーの積極的な関与は,我々
がかかる大望を共有していることの現れである。
6.これら共同の取組を基礎として,我々は,以下の3つの分野において,国際機関及び地域機関並びに民間部門と協力して取り組むことを決定した。
アフリカにおける女性による起業の促進
7.我々は,女性の完全かつ自由な経済参加とエンパワーメントに対する社会的,法的及び規制上の障壁に対処するための改革を求める。我々は,女性起業家資金イニシアチブ(We-Fi)等を通じた「アフリカの女性のための積極的金融アクション(AFAWA)」イニシアティブを支持する。また,我々は,G7諸国が支持する「2Xチャレンジ」や二国間プログラムを更に奨励する。
アフリカにおけるデジタル化による変革
8.我々は,アフリカにおける情報格差の是正及びデジタル化による変革の促進のため,自国のコミットメントに沿って,力強い支援を提供することにコミットする。この点で,我々は,「EU・AUデジタル経済タスクフォース」,「アフリカのためのデジタル・エコノミー・ムーンショット」及び「スマート・アフリカ・イニシアティブ」による勧告に留意する。また,我々は,全ての関係者に対し,デジタル化による変革が最も脆弱な地域の人々を含む全ての人々に恩恵をもたらすことを確保するため,具体的な措置を取るよう求める。
公共調達における透明性と腐敗との共闘
9.我々は,政府,ビジネス及び市民社会の建設的関与を通じてビジネス・投資環境,透明性,アカウンタビリティ及び債務持続可能性を改善するため,公共調達の透明性と基準を高めることを支援し,それにより,腐敗との闘いに貢献していく。
10.また我々は,ビアリッツ・サミットの直後に開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に期待する。