データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ロシアに対する責任ある制裁を通じたウクライナ支援

[場所] エルマウ
[年月日] 2022年6月27日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

G7は、ロシアによるウクライナに対するいわれのない戦争についてロシアの責任を追及することにおいて結束してきた。我々の協調した制裁は、この戦争を終わらせることに資するようにロシアに対して厳しく長期にわたるコストを課す。ロシアは、他国を犠牲にして国際規範に明白に違反する限り、世界経済・政治システムの正式なメンバーであり続けることはできない。

国際の平和及び安全を維持する上での国連安全保障理事会(UNSC)の一義的な責任を認識しつつ、我々は、ロシアのウクライナに対する戦争に対して協調して行動する我々の強い決意を再確認する。この目的のため、我々の効果的な制裁(貿易制限措置を含む。)は、国際的なルール及び規範を守り、堅持する上で、貴重な役割を果たす。ロシアがこの戦争に資金供給を行う能力を著しく減じるために、ロシアの軍事・産業複合体は重要な構成要素を奪われ、ロシア経済は収縮し、ロシア中央銀行の外貨準備は広範に機能を停止し、その収奪政治(クレプトクラシー)は不正に得た利益に対する責任が問われている。

これらの措置を展開する中で、我々は、世界的な金融の安定性、持続可能な成長、食料安全保障並びに低中所得国を含む全ての国の安定及び安全を促進する我々の責任を認識してきた。我々のロシアに対する措置は主要な原則によって導かれてきた。

第一に、我々の措置は、国家の主権及び領土一体性を守る、国際ルール及び規範を支えることを目指す。

第二に、我々の措置は、これらの措置が、食料、農産品、医薬品、人道支援及び多様で信頼できる情報源の入手を妨げないことを確保するために、指針、許可及び必要な場合に一般例外を明確にすることなどによって、基本的な人道上のニーズへのアクセスを確保する。

第三に、我々の措置は、持続的な期間にわたり機能し、世界市場及び世界経済の安定を維持し、特に最も脆弱な国々に対して、意図しない影響を抑制するように調整されることを確保するように、設計されている。

第四に、我々の措置は、その効果を増幅させるため、非G7を含む関係国間で協調して実施される。

第五に、我々は、これらの措置を、状況の変化に応じて調整し、柔軟にかつ目的に比例する形で運用している。

最後に、我々は、各国の権限に従って制裁を実施してきた。その中で、我々は司法審査を求める可能性を含め、法の支配を厳格に遵守する。我々は、他の国々にも同様の措置を呼びかける。

協力を深めることに資するよう、我々は、我々のロシアへの対応を評価し、我々及び国際的なパートナーの経済安全保障を守るメカニズムを含め、将来の協力分野を特定していく。我々は、このアプローチにコミットしているパートナーと緊密に協力する形で引き続き行動していく。