データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] G7議長サマリー:気候中立に向けたクリーンで公正な移行を加速するために力を合わせる

[場所] エルマウ
[年月日] 2022年6月27日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

G7、インド、インドネシア、セネガル、南アフリカ及びアルゼンチンの首脳は、本日エルマウに集い、エネルギー安全保障を確保しながら、気候中立に向けて、クリーンかつ公正な移行を加速するために協働することで一致した。首脳は、公正なエネルギー移行及び持続可能な質の高いインフラへの強化された投資は、社会的及び経済的開発並びに生態学的に関連のある部門における、働きがいのある人間らしい、グリーンで、持続可能な雇用の創出に大きな機会を提供することを認識した。首脳は、世界の平均気温の上昇を、工業化以前の水準と比較して摂氏2度を十分に下回るものに抑えるというパリ協定及びグラスゴー気候合意への我々のコミットメントを再確認し、また、摂氏1.5度までに制限するための努力を追求することを決意し、各国の個別の状況及び開発優先課題を考慮しつつ、低廉で持続可能なエネルギーへの普遍的なアクセスを確保し、2030アジェンダに沿った社会・経済的利益及び開発機会をもたらしつつ、ネット・ゼロに向けた経済の脱炭素化を加速するエネルギー政策の改革に特に焦点を当てて協力することに合意した。

首脳は、エネルギー構成を脱炭素化し、化石燃料への依存からの移行を加速させ、さらにクリーン・エネルギー源及び再生可能エネルギー源を迅速に拡大させ並びにエネルギー効率を向上させるための選択肢を探求することで一致した。これには、エネルギー構成における再生可能エネルギーの割合を増やしながら、石炭を段階的に削減することが含まれる。首脳は、循環経済といったアプローチによる貢献を認識し、排出削減対策が講じられていない石炭の段階的な削減並びにクリーン・エネルギー及び再生可能エネルギーの拡大は、環境的及び社会的に公正である必要があることに合意した。首脳は、あり得る悪影響に共同で対処し、研究開発、イノベーション及び能力構築に関する協力を通じたものを含む、クリーン・エネルギー及び再生可能エネルギー並びに生態学的に関連のある部門一般における新たな、働きがいのある人間らしい、グリーンな雇用の創出を促進するために、協働することにコミットしている。首脳は、気候資金に関する国際的なコミットメントを想起し、民間資金の大規模な動員を通じたものを含む、クリーンで持続可能なエネルギー生産及びエネルギー効率のためのインフラ投資を改善し、創出し、動員するために、世界のインフラ・投資のためのパートナーシップ及び国別のプラットフォームとの相乗効果を活用する。

首脳は、国際開発金融機関(MDBs)、その他の開発金融機関又はグリーン金融機関、民間部門及びその他のパートナーと協力し、国主導の部門の変革、能力構築及び資金提供を支援する手段として、「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETPs)」のような強固なパートナーシップを認識し、支援した。首脳は、JETPs並びに世界のインフラ・投資のためのパートナーシップが、多国間及び各国のコミットメント及びプロセスに沿って、政策改革を支援し、産業及び関連のエネルギー部門を変革することにより、開放的かつ包括的な気候クラブの目的に貢献できることを認識した。

首脳は、低炭素経済及び気候強じん性のある社会への南アフリカの道筋を支援する長期的かつ野心的なアプローチとして、COP26において立ち上げられた、南アフリカとの「公正なエネルギー移行パートナーシップ」について達成された進展を歓迎した。首脳は、南アフリカとのJETPに関する首脳への進捗報告及びCOP27までの更なる前進へのコミットメントを歓迎した。

さらに、G7首脳は、パートナー国とのパートナーシップ又は類似のイニシアティブに取り組む意思を強調した。環境に配慮した生活様式に関するものを含め、この領域における取組及びイニシアティブを認識し、首脳は、今日までの議論の進展を歓迎するとともに、エネルギーシステムの脱炭素化とエネルギー効率の向上を目的としたエネルギー政策の改革を支援するため、インドネシア、インド、セネガル及びベトナムとのJETPsに係る交渉を前進させる意思を確認した。首脳は、2050年までに気候中立を達成するため、アルゼンチンと共に取り組むことへのコミットメントを強調した。

首脳は、COP27までに進捗をレビューすることに合意した。