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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ロシアのウクライナに対する侵略戦争に対する一致した対応に関するG7財務大臣声明

[場所] ドイツ・ベルリン
[年月日] 2022年9月2日
[出典] 財務省
[備考] 仮訳
[全文] 

1. 我々、G7財務大臣は、ロシアのウクライナに対する侵略戦争及びその世界経済に与える有害な影響に対する我々の一致した対応について議論するために、2022年9月2日に会合を開催した。

2. 我々は、ウクライナへの支援と同国との連帯を引き続き堅持する。我々は、最後までウクライナと共にあり続ける。

3. 我々は、ベラルーシの支援を受けた、ロシアのウクライナに対する残忍な、いわれのない、不当かつ不法な侵略戦争を引き続き非難する。ロシアの侵略戦争は、世界経済の混乱を引き起こし、世界のエネルギ―及び食料供給の安全を脅かしている。戦争の経済的代償とその結果としての物価上昇は、全ての経済の脆弱層に渡り、特に既に食料不安や財政面での課題に直面している国々に偏って感じられる。

4. 我々は、既にロシア経済に大きな影響を与えている、ロシアの侵略戦争に対応して課された我々の断固として協調した制裁対応への共通のコミットメントを強調する。ロシアに対するこれらの措置による累積的な影響は、時間の経過とともに増幅し、ロシア経済の潜在力を著しく悪化させる。我々は、制裁を完全に遂行し執行することに引き続きコミットするとともに、制裁の回避、迂回及びバックフィルへの警戒を続ける。

5. エルマウ・サミットにおいて、G7首脳はロシアが侵略戦争から利益を得ることを阻止し、世界的なエネルギー市場の安定を支援し、負の経済的波及効果、特に低・中所得国へのものを最小化するという共通のコミットメントを再確認した。この合意を実行するため、本日、我々は、ロシア産の原油及び石油製品の世界的な海上輸送を可能にするサービスの包括的禁止を最終化し実施するとの共通の政治的な意図を確認する。そうしたサービスの提供は、当該石油及び石油製品が、この上限価格を遵守しかつ実施する国々から成る幅広い連合により決定される価格(「上限価格」)以下で購入される場合のみ許容されることとなる。

6. 上限価格は、サービス提供者が上限価格以下で販売されるロシアの海上輸送の石油及び石油製品に関連するビジネスを継続することのみを許可することにより、ロシアの戦争が世界のエネルギー価格に及ぼす影響、特に低・中所得国に及ぼすものを抑制しつつ、ロシアの収入とロシアの侵略戦争の財源確保能力を減少させることに特化して設計されている。それゆえ、この措置は、強固な世界的枠組みを通じて一貫性を確保しつつ、既存の制裁、特にEUの第6次制裁パッケージに立脚し、その範囲を拡大するものであろう。*1*我々は、一時的な輸入上限価格の導入の実現可能性を含め、エネルギー価格の上昇を抑制する方策を国際的なパートナーと共に探求するという欧州連合の決定を歓迎する。

7. 我々の、多様な国々及び主要な利害関係者との広範かつ継続的な関与に沿い、我々は、全ての国が上限価格の設計についてインプットを提供し、この重要な措置を実施するよう求める。我々は、この取組の有効性を最大化するために広範な連合の設立を目指すとともに、ロシアの石油及び石油製品を依然として輸入しようとする全ての国に対し、上限価格以下の価格においてのみ輸入することにコミットすることを強く促す。我々は、ロシアの石油及び製品を自国の国内市場からフェーズアウトするという我々自身の措置を再確認し、上限価格措置が、世界的な石油価格の圧力を緩和し、そのような輸入を継続する国による上限価格以下でのロシア産石油への継続的アクセスを可能にすることにより、石油輸入国を世界的に支援することを目的としていることを強調する。この措置は、ロシアの侵略戦争によって悪化したエネルギー及び食料価格の高騰に苦しんでいる国々、とりわけ脆弱な低・中所得国にとって、特に有益となる可能性を有する。我々の制限措置と並行して、我々はまた、最も脆弱な国々及び影響を受ける国々が、ロシアからのものを含むエネルギー市場へのアクセスを維持することを確保するためのターゲットを絞った緩和メカニズムも開発する。

8. 我々は、我々のパートナーとともに、それぞれの国内的及び法的手続を通じて、我々の法域内における本措置の最終化及び実施に早急に取り組むことにコミットする。我々は、EUにとっては27の加盟国の間での全会一致が必要であることを認識する。我々は、EUの第6次制裁パッケージに含まれる関連措置のタイムラインと実施を一致させることを目指す。

9. 最初の上限価格は各種の技術的なインプットに基づいた水準に設定され、各法域における実施に先立って連合全体によって決定される。上限価格は、明確かつ透明性のある方法で公に伝達される。上限価格の有効性と影響は注意深く監視され、価格水準は必要に応じ再検討される。

10. 我々は、実際の上限価格の実施は、あらゆる関連する種類の契約をカバーする記録管理及び証明手続モデルに基づくことを想定する。我々は、法域を超えて一貫した実施を確保することを目指す。実施にあたっては、市場参加者の事務的な負担を最小化しつつ、上限価格体制を回避する可能性を制限することを目指すこととする。我々は、最終的な設計及び実施の観点から、透明性とコンプライアンスを強化し、想定される上限価格以下で貿易が続いていくことを可能とするべく、多様な国々及び利害関係者に引き続き関与する。我々は、この連合が、コンプライアンスを確保し、モニタリング及び監督を可能にするため、法域を超えた協力の枠組みを確立することを想定する。運用開始後、この連合は上限価格の有効性を確保するため、更なる行動を検討する可能性がある。上限価格措置は、適切な時期に、検証され、再検討される。

11. エルマウでのG7首脳のコミットメントに沿って、我々は、エネルギー市場の変動を減らすために産油国に増産することを引き続き奨励するとともに、この文脈で、厳しい供給環境の中で生産量を増加させるとのOPECの最近の決定を歓迎する。我々は、これらの国々に対し、この点に関する行動を継続するよう求める。我々は、エネルギー市場の効率性、安定性及び透明性の強化にコミットしているパートナーとの協調を強化する。


{*1* Uの第6次制裁パッケージは2022年6月3日に採択された。理事会規則No.833/2014(第3n条)の中で、EU事業者がロシアから第3国への原油または石油製品の輸送、特に海上ルートを通じた輸送に保険または資金を提供することの禁止が導入された。(https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=OJ:L:2022:153:TOC)}