データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] G7外相コミュニケ

[場所] 長野県軽井沢町
[年月日] 2023年4月18日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文] 

I.冒頭

 我々、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、及び米国のG7外相並びにE U上級代表は、ロシアによるウクライナに対する継続的な侵略戦争を含め、世界が国際システムに対する重大な脅威に対応する中で、我々の強い結束を強調する。我々は、気候変動、汚染、生物多様性の損失、保健並びに食料及びエネルギー安全保障を含む地球規模課題に対処し、国連憲章を尊重しつつ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し、強化するために共に行動をとることに対する我々のコミットメントを再確認する。我々は、人権、正義及び尊厳を擁護し、最も脆弱な人々のニーズに対処する、開かれ、透明性のある、強靱で、持続可能な社会を促進するために、我々のパートナーと共に引き続き取り組む。我々は、人間の安全保障を促進し、誰一人取り残さない国際社会を引き続き構築するという我々の意図を再確認する。我々は、全てのパートナーに対し、これらの差し迫ったグローバルな課題に対処することに参加し、より良く、より豊かで、より安全な未来を築くために協働するよう求める。

II. 平和と安全の促進

1 ロシアのウクライナに対する侵略戦争

 我々は、国連憲章を含む国際法の深刻な違反を構成する、ロシアによるウクライナに対する侵略戦争を改めて可能な限り最も強い言葉で非難する。ロシアは、ウクライナから全ての軍及び装備を即時かつ無条件に撤退させなければならない。我々は本日、必要とされる限りウクライナを支援するとともに、ウクライナが自らを守り、自由で民主的な未来を確保し、及び将来のロシアの侵略を抑止することを支援するため、持続的な安全保障、経済及び制度上の支援を提供することに改めてコミットする。

 我々は、国連憲章に沿った包括的で、公正で、永続的な平和を促進するためのゼレンスキー大統領の取組への支持を改めて表明し、同大統領の平和フォーミュラに示された基本原則を支持する。我々はまた、2023年2月23日に国連総会緊急特別会合において、国際社会の広範な支持の下に採択された決議(A/RES/ES-11/6)を歓迎する。我々はまた、ウクライナの重要なエネルギー及び環境インフラの復旧及び回復を引き続き支援し、ウクライナのエネルギー安全保障に対する我々の強固な支持を改めて強調する。ウクライナの反汚職及び国内改革の取組は継続されなければならず、我々はこれを支援する。この観点から、我々は、ウクライナにおけるG7大使によるウクライナ・サポート・グループ及び実施プロセスを支援するとの同グループの役割に全面的に信頼を置いていることを改めて表明する。

 ロシアの無責任な核のレトリック及びベラルーシに核兵器を配備するとの威嚇は受け入れられない。ロシアによる化学兵器、生物兵器又は核兵器のいかなる使用も、深刻な結果をもたらす。我々は、1945年以来の77年間に及ぶ核兵器の不使用の記録の重要性を想起する。我々は、原子力安全及び核セキュリティに深刻な結果をもたらす可能性がある、ロシアによるザポリッジャ原子力発電所(ZNPP)の継続的な占拠及び軍事化を非難する。我々は、ZNPPにおける取組に際する国際原子力機関(IAEA)事務局長のリーダーシップを含む、ウクライナにおける原子力安全及び核セキュリティの強化を支えるIAEAの取組を支持する。

 我々は引き続き、実施調整メカニズムを通じたものを含め、ロシアに対する制裁を強化し、協調及び完全に実施し、並びに我々の制裁措置を回避し、損なおうとするロシア及び第三者の試みに対抗することにコミットしている。我々は、第三者に対してロシアの戦争への支援を停止するよう求め、そうしなければ深刻なコストに直面することとなることを改めて表明する。我々は、ロシアに対して武器を供給している第三者を防止し、対応するための連携を強化し、ロシアのウクライナに対する戦争を物的に支援する者に対し、引き続き行動をとる。我々は、それぞれの法制度と整合的に、ウクライナの主権及び領土一体性のロシアによる侵害に対応するこの紛争の解決が達せられるまで、我々の管轄下にあるロシアの国家が有する資産を、引き続き動かせないようにしておくことを決意する。いかなる紛争の解決もロシアが自身のもたらした損害について支払うことを確保しなければならない。

 民間人及び重要な民間インフラに対するロシアの攻撃など、戦争犯罪及びその他の残虐行 為に対する不処罰は認められてはならない。我々はさらに、児童を含むウクライナ人の不法 な移送及びウクライナ人に対する紛争に関連した性的暴力を非難する。我々は、国際的なメ カニズム、特に国際刑事裁判所の取組を支援することによるものを含め、責任を有する者の 責任を国際法と整合的な形で追及するとの我々のコミットメントを改めて表明する。我々は、ウクライナに対する侵略犯罪を訴追するために、ウクライナの司法制度内に置かれる国際化 された法廷の創設を追求することを支持する。我々はさらに、侵略戦争によって被害を受け、脅かされたウクライナの文化財及び文化的遺跡の保護と保全の重要性を強調する。

 ロシアによる食料及びエネルギー資源の武器化は、経済の脆弱性を増幅させ、既に悲惨な人道危機を悪化させ、世界的な食料及びエネルギー不安をエスカレートさせてきた。我々は、影響を受ける国や人々を支援するために、食料関連の援助を含む支援を引き続き提供する。

2 インド太平洋

 我々は、自由で開かれたインド太平洋の重要性を改めて表明する。これは、包摂的で、繁栄し、安全で、法の支配に基づき、主権、領土の一体性、紛争の平和的解決を含む共有された原則、基本的自由及び人権を守るものである。我々は、G7メンバー各々のイニシアティブを再確認し、地域への関与を強化するための我々のパートナーのイニシアティブを歓迎する。我々は、地域に関するG7間の連携を更に強化し、ASEAN及びその加盟国を含む地域のパートナーと共に取り組むとの我々のコミットメントを強調する。我々は、ASEAN の中心性・一体性に対する揺るぎない支持及び「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」に沿った協力を促進するとの我々のコミットメントを再確認する。我々はまた、太平洋島嶼国とのパートナーシップを再確認し、2024年の第4回小島嶼開発途上国(SIDS)国際会議を通じたものを含め、太平洋諸島フォーラムの「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」に従って、これらの国の優先事項及びニーズを支持する重要性を改めて表明する。我々は、自由で開かれたインド太平洋の実現に貢献する民間部門、大学、及びシンクタンクによる取組を歓迎し、更に促す。

3 中国

 我々は、中国に率直に関与し、我々の懸念を中国に直接表明することの重要性を認識する。我々は、気候変動、生物多様性、世界健康安全保障及びジェンダー平等を含む、グローバルな課題及び共通の関心分野について、中国と協働する必要性を認識する。我々は、中国に対し、国際社会の責任ある一員として行動するよう改めて求める。我々は、対話を通じて建設的かつ安定的な関係を構築し、相互に利益のある方法で世界経済の回復及び人的交流を促進するために協働する用意がある。透明で、予測可能で、公正なビジネス環境を確保することは、中国を含む全ての国にとっての利益である。外国企業の正当な企業活動及び利益は、市場アクセスと引換えの、不当な技術移転又はデータ開示を通じたものを含む、不公正で、反競争的で、非市場的な慣行から保護されなければならない。我々は、中国に対し、商業的利益のためにサイバーにより可能となる知的財産の窃取又はその幇助を控えることを含め、サイバー空間において責任ある行動をとるとのコミットメントを堅持するよう促す。

 我々は、中国に対し、国連憲章の目的及び原則を堅持し、威嚇、威圧、脅迫、又は武力の 行使を控える必要性を想起する。我々は引き続き、東シナ海及び南シナ海における状況につ いて深刻に懸念している。我々は、力又は威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも 強く反対する。南シナ海における中国の拡張的な海洋権益に関する主張には法的根拠がなく、我々はこの地域における中国の軍事化の活動に反対する。我々は、国連海洋法条約(UNC LOS)の普遍的かつ統一的な性格を強調し、海洋における全ての活動を規律する法的枠組 みを規定する上でのUNCLOSの重要な役割を再確認する。我々は、2016年7月12 日の仲裁裁判所による仲裁判断が、仲裁手続の当事者を法的に拘束する重要なマイルストー ンであり、当事者間の紛争を平和的に解決するための有用な基礎であることを改めて表明す る。

 我々は、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素としての台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認し、両岸問題の平和的解決を促す。台湾に関するG7メンバーの基本的立場(表明された「一つの中国政策」を含む。)に変更はない。我々は、国家性が必須条件でない場合はメンバーとして、必須条件である場合はオブザーバー又はゲストとして、世界保健総会及び世界保健機関(WHO)の技術会合を含む国際機関への台湾の意味ある参加を支持する。国際社会は、全てのパートナーの経験から恩恵を得られるべきである。我々は、新疆ウイグル及びチベットにおけるものを含む、報告された中国の人権侵害に関し、懸念を引き続き表明する。我々は、香港の自治権及び自由の継続的な侵食に対して、我々の懸念を改めて表明し、中国に対して、英中共同声明及び香港基本法に規定されたものを含む、国際的なコミットメント及び法的義務に従って行動するよう求める。

 我々は、中国に対し、外交関係に関するウィーン条約及び領事関係に関するウィーン条約に基づく義務に従って行動するよう求める。

4 北朝鮮

我々は、北朝鮮が固体燃料式大陸間弾道ミサイルと主張する4月13日の発射を含む、北朝鮮による前例のない数の不法な弾道ミサイル発射を強く非難する。そのいずれもが複数の国連安保理決議に違反している。北朝鮮の行動は、核兵器の使用に関する、ますます状況をエスカレートさせ、不安定化をもたらすレトリックと合わせ、地域の安定を損ない、国際の平和及び安全に重大な脅威をもたらしている。我々は、北朝鮮に対し、核実験又は弾道ミサイル技術を使用する発射を含め、不安定化をもたらす、又は挑発的ないかなるその他の行動をも自制するよう求める。このような行動は、国連安全保障理事会により採られる更なる重大な措置を含め、迅速で、結束した、力強い国際的な対応により対処されなければならない。

 我々は、関連する国連安保理決議に従った、核兵器及び既存の核計画、並びにその他の大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画の、北朝鮮による完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な放棄という目標への揺るぎないコミットメントを改めて表明する。我々は、北朝鮮に対し、核兵器不拡散条約(NPT)及びIAEA保障措置を完全に遵守するとともに、包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名及び批准するよう強く求める。北朝鮮は、NPTの下で核兵器国の地位を有することはできず、有することは決してない。我々は、北朝鮮に対し、日本、米国及び韓国からのものを含め、繰り返し提示されてきた対話の申出に応じるよう求める。

 北朝鮮の大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画が存在する限り、制裁は、全ての国によって完全かつ厳密に実施され、維持されることが極めて重要である。我々は、北朝鮮の悪意のあるサイバー活動に対抗するため、一層の国際的な連携を求める。

 我々は引き続き、北朝鮮の人々の福祉よりも不法な大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画を優先するとの選択によって引き起こされた、北朝鮮において拡大する人道危機を深く懸念する。我々は、北朝鮮の組織的な人権侵害に対して遺憾の意を表明するとともに、北朝鮮に対し、人権を尊重し、国際人道機関によるアクセスを容易にし、拉致問題を即時に解決するよう強く求める。

5 ミャンマー

 我々は、ミャンマーにおける軍事クーデターを引き続き強く非難し、引き続き、治安、人道、人権、政治状況の悪化を深く懸念するとともに、ミャンマーの人々との連帯を表明する。我々は、児童を含む数多くの市民を殺害した、サガイン地域カンバル地区におけるミャンマー国軍による4月11日の空爆を強く非難する。我々は、ミャンマー国軍に対し、全ての暴力を直ちに停止し、全ての政治犯及び恣意的に拘束された人々を解放し、同国を真に民主的な道に戻すよう求める。我々は、国民民主連盟を含む40のミャンマーの政党の、ミャンマー国軍による政治プロセスからの更なる排除を非難する。ミャンマー国軍は、国内の全ての関係するステークホルダーを含む、包摂的で平和的な対話のための環境を作り出すべきである。我々はまた、全ての人々、特に最も脆弱な人々への、安全で妨害されない人道アクセスを求める。我々は、ASEAN議長及びミャンマー担当ASEAN特使を通じたものを含め、

 5つのコンセンサスの実施のためのASEANの取組を引き続き支持する。我々はまた、ミャンマー担当国連事務総長特使への支持を再確認し、暴力の即時停止、人権及び基本的自由の尊重、並びに民間人の保護を求めるミャンマー情勢に関する国連安保理決議第2669号を歓迎する。我々は、全ての国に対し、ミャンマーへの武器流入を防止するよう改めて求める。我々は、ロヒンギャ難民を含む全ての避難民の、自発的で、安全で、尊厳ある、持続可能な帰還のための条件を作り出す必要性を強調する。

6 アフガニスタン

 我々は、アフガニスタンの安定に対する増大する脅威及び悪化する人道・経済状況に重大な懸念をもって留意する。我々は、タリバーンによる人権及び基本的自由の制限が増大していることに対して、最も強い反対を表明する。我々は特に、タリバーンによる女性及び女児の人権の組織的な侵害並びに宗教的・民族的少数派の人々への差別を非難する。全てのアフガニスタン人は、公的生活の全ての領域への完全で、平等で、意義ある参加、命を救う人道支援及び、教育を含む基礎的サービスへのアクセス並びに移動及び表現の自由を享受しなければならない。これらは、アフガニスタンの平和、安定及び繁栄の前提条件である。支援を実効的に届けるためには、援助要員の阻害されないアクセスが不可欠である。我々は、アフガニスタン人女性がNGO及び国連のために働くことを禁止した今般の禁止措置を含む、人権及び基本的自由を制限するこれらの容認できない決定の即時撤回を求める。

 我々は引き続き、政治的包摂性と統治の代表性の恒常的な欠如を懸念する。我々は、タリバーンに対し、ジェンダー、民族、又は宗教的・政治的信条にかかわらず、全てのアフガニスタン人が声を上げることができる、信頼可能で包摂的な国民対話に関与するための重要な措置を採るよう強く求める。我々は、地域諸国及びその他の国際パートナーと連携して、タリバーンに統一されたメッセージを伝えることの必要性を認識する。我々は、全てのアフガニスタン人の人権及び尊厳ある生活の尊重並びにアフガニスタンの安定及び回復を確保するとともに、アフガニスタンがテロの温床になることを防ぐというタリバーンの責任を強調する。我々は、特定の民族及び宗教の集団を標的としたものを含め、繰り返し発生しているテロ攻撃を非難することで結束している。我々は、平和及び安定の実現に向けて取り組む事務総長特別代表(SRSG)、国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)及びアフガニスタン人権状況特別報告者のマンデートを支持する。

7 イラン

 我々は、イランが決して核兵器を開発してはならないとの我々の明確な決意を改めて表明 し、イランに対し核エスカレーションを停止するよう強く求める。我々は、イランに対し、更なる遅滞なく、核不拡散に関する法的義務及び政治的コミットメントを果たすよう求める。我々は引き続き、信頼に足る民生上の正当性がなく、実際の兵器関連の活動に危険なほどに 近づいているイランの核計画の継続したエスカレーションを深く懸念している。我々は、ウ ランの粒子が83.7パーセントにまで高度に濃縮されたことを確認した、最近のIAEA によるサンプル抽出を想起する。イランの核計画に関する国際的な懸念を解消するためには、外交的解決が引き続き我々の望む方法である。この文脈において、包括的共同作業計画(J CPOA)は、引き続き、有益な参考である。我々は、イランによる、未解決の保障措置の 問題に対処するために、IAEAに更なる情報とアクセスを提供する用意があるとの表明、並びにIAEAによる更なる適切な検証及び監視活動の実施を許可することへの同意に留 意する。我々は、イランに対し、迅速かつ具体的な行動により、保障措置に関する義務及び 表明されたコミットメントを遵守することを求める。

 我々は、イランによる、国連安保理決議第2231号及び第2216号を含む国連安保理決議に違反した、国家主体及び非国家主体並びに代理団体に対する、ミサイル、無人航空機(UAV)及び関連技術の移転を含む、継続的な不安定化をもたらす活動について重大な懸念を表明する。イランは、侵略戦争を行うロシア軍への支援を止めなければならない。特に、我々は、イランに対して、ウクライナにおいて使用されている、武装化されたUAVの移転を止めるように求める。文民及び重要な民生インフラに対する無差別な攻撃は、戦争犯罪を構成する。我々は、弾道ミサイルの移転は大きなエスカレーションを意味するとの我々の確信を改めて表明する。我々は、イランとサウジアラビアの最近の国交正常化に関する合意を含む、地域の国家間の二国間関係を改善し、緊張を緩和するイニシアティブを歓迎する。我々はさらに、ホルムズ海峡及びバブ・エル・マンデブ海峡を通じたものを含む、中東の水路における海洋安全保障を確保することの重要性を強調するとともに、イランに対し、全ての船舶による航行の権利及び自由の合法的な行使を妨害しないよう求める。

 我々は、イランによる組織的な人権侵害、特に威嚇と脅迫を通じて平和的反対を抑圧する取組に対して、深刻な懸念を改めて表明する。我々は、イラン内外の女性、女児、少数派グループ及びジャーナリストを含めた個人を標的とすることを非難する。我々は、イランに対し、これらの問題に対処するための具体的な行動をとることを求める。我々は、イランが二重国籍者及び外国人を標的としていることを強く拒絶し、イランの指導者に対し、全ての不当で恣意的な拘束を終わらせるよう求める。

8 中東・北アフリカの平和と安定のための協力

 緊張緩和、安定及び地域の繁栄は、主要な優先課題である。我々は、イスラエル人及びパレスチナ人に対して、イスラエルと自立可能なパレスチナ国家の双方が平和と安全、及び相互承認の下に共存することを想定した、二国家解決の実現に向けて相互の信頼を構築するための措置を採ることを求める。全ての当事者は、入植活動や暴力の扇動など、二国家解決の見通しを損なう一方的な行為を控えなければならない。我々は、テロを含むあらゆる形態の市民に対する暴力を強く非難する。我々は、歴史的なエルサレムにおける現状及びこの点に関するヨルダンの特別な役割に対する支持を改めて表明する。我々は、ヨルダンのアカバ及びエジプトのシャルム・エル・シェイクにおける緊張緩和を目的としたヨルダン、エジプト、米国、イスラエル及びパレスチナ自治政府との間の最近の諸会合を歓迎するとともに、成果物である共同コミュニケにおけるコミットメントが真摯に履行されることを期待する。我々は、パレスチナ人の経済的自立を向上させるために引き続き支援する。我々は、国連パレスチナ難民救済事業機関に対する国際社会による広範で持続的な支援を求める。

 イエメンについて、我々は、国連事務総長特使への支持を改めて表明し、全ての当事者、特にホーシー派に対し、持続的な停戦を確保し、イエメン人主導の包括的で、持続的で、包摂的な政治プロセスに向けて取り組むよう求める。我々はまた、ホーシー派に対し、特に女性と女児に関し、人道支援の提供に対するあらゆる障害を取り除くよう求める。我々は、イエメン政府並びにサウジアラビア王国、アラブ首長国連邦及びオマーン国を含む地域の国々による協調した取組に感謝の意を表明する。我々は、全ての関係する当事者及び国際社会に対し、資金の不足分を迅速に拠出することを含め、浮体式石油貯蔵設備「サーフィル号」問題を解決するための国連主導の計画の実施を支援することを求める。

 リビアにおける安定を実現し、結束を推進するため、我々は、2023年末までに、政治的合意に達し、自由で、公正で、包摂的な大統領選挙及び議会選挙を実施することに向けた道筋を特定するための事務総長特別代表の提案を支持する。我々は、全ての関係者が現地の安定を維持し、政治プロセスに建設的に取り組むことにコミットするよう強く求める。

 我々は、チュニジア政府が自国の経済状況に対処するために自国の経済改革プログラムを迅速に実施し、国際通貨基金(IMF)との合意に達することを促し、後押しする。

 シリアにおいて、我々は引き続き、国連安保理決議第2254号と整合的な、包摂的で国 連が仲介する政治プロセスに強くコミットしている。我々は、国際社会が国連特使を引き続 き支援する必要性を強調する。我々は、国連安保理決議第2254号に沿った政治的解決に 向けた真正かつ揺るぎない進展があった後にのみ、国際社会は復興支援を検討できることを 改めて表明する。我々は、シリアの人々に対する進行中の残虐行為を非難する。我々は、化 学兵器の使用並びに適用可能な国際人道法及び国際人権法を含む国際法の違反に責任があ る者の責任を追及することに強くコミットしている。我々は、シリア政権に対し、国連安保 理決議第2118号の下での義務を遵守するよう引き続き強く求める。我々はまた、適切な 場合には、早期復旧支援を含むあらゆる必要な手段を通じてシリアの人々を支援するという、

 我々の継続的なコミットメントを確認する。我々は、特に範囲や規模において代替の無い国連によるクロスボーダー支援を通じ、支援を必要とする全てのシリア人への完全で妨げられない人道アクセスを求める。

 我々は、恐ろしい2月の地震の被害を受けたトルコ及びシリアの人々と連帯するとともに、この大災害が及ぼした影響に取り組む我々の支援を引き続き行う計画である。人道支援はま た、それを必要とする全ての人々に、安全で、妨げられることなく、可能な限り効率的に届 けられることが極めて重要である。

9 中央アジア諸国との協働

 我々は、中央アジア諸国の主権、独立及び領土一体性を支持するとの意図を確認する。我々 は、ロシアの侵略戦争の影響、アフガニスタン情勢による不安定化、食料及びエネルギー不 安、テロ並びに気候変動の影響を含む地域の課題に対処するために、中央アジア諸国と協働 していくことにコミットする。我々は、地域の繁栄を高めるために、持続可能な連結性、輸 送及び貿易・エネルギー関係を促進することを決意している。さらに、我々は引き続き、社 会経済開発、女性の経済的エンパワーメント、人権、ジェンダー平等、国内制度改革及び地 域の安全保障に関する中央アジア諸国との協力を強化することにコミットしている。我々は、上記の分野における中央アジア諸国による地域協力の強化を歓迎するとともに、引き続きか かる協力を支援することにコミットしている。

10 G7-アフリカ・パートナーシップ

 我々は、アフリカ諸国及びアフリカ連合(AU)を含む地域機関とのパートナーシップを深めている。我々は、国際場裏においてより大きな代表性を求めるアフリカの呼びかけを支持する。

 我々は、アフリカ全域におけるテロ、暴力的過激主義及び不安定の拡散につながる根本的な状況に取り組む地域の政府を支持するとの我々の強いコミットメントを改めて表明する。我々は、大陸におけるロシア関連のワグナー・グループ部隊のプレゼンスの高まり、並びにその不安定化させる影響及び人権侵害を深刻に懸念する。我々は、全ての主体に対し、国際人権法及び国際人道法を尊重することを強く求めるとともに、全ての責任ある者が責任を果たすよう改めて求める。我々はまた、支援を必要とする人々に支援が届くよう、人道支援関係者の安全で妨害されないアクセスを求める。

 我々は、サヘルにおいて、国連マリ多面的統合安定化ミッションが、同ミッションに対する政治上及び安全上の制約がある中で、民間人の生命の保護を支援するための取組を行っていることを称賛する。我々は、国連事務総長による戦略的レビュー及び同ミッションの遂行を可能にするために設定された指標に留意する。我々はまた、西アフリカの沿岸諸国に対するテロの脅威と活動の拡大を深刻に懸念する。我々は、国民のニーズに対する政府の対応力を向上する必要性及び自由で公正な選挙の重要性を認識しつつ、憲法秩序への道を歩む国々における移行憲章の包括的な実施を求める。

 アフリカの角における平和及び安全を強化するとともに、深刻な人道上のニーズに応え、地域における強靱性を構築することが緊急に必要である。我々は、エチオピア政府とティグライ人民解放戦線との間の敵対行為の停止に関する合意から生じている前向きな進展を歓迎するとともに、AUの仲介を称賛し、移行期正義及び責任追及に関する進展を強く求める。我々は、両当事者に対し、引き続き、国際人権監視団の妨げられないアクセスを含む、同合意の完全な実施にコミットするよう求める。我々はまた、ソマリア大統領の改革の優先事項とアル・シャバーブとの闘いに対する国際的な支援を求める。

 我々は、スーダンの人々の治安及び安全を脅かし、スーダンの民政移管の回復への取組を損なう、スーダン国軍と即応支援部隊との間の進行中の戦闘を強く非難する。我々は、当事者に対して、即時かつ前提条件なしに敵対行為を終了することを強く求める。我々は、関係者に対して、暴力を放棄し、交渉に戻るとともに、緊張を低減させ、並びに外交及び人道支援関係者を含む全ての人々の安全を確保するための積極的な措置を採るよう求める。

 我々は、コンゴ民主共和国(DRC)の主権、独立、統一性及び領土一体性に対する我々のコミットメントを再確認する。我々は、極限状態に置かれた人道状況を悪化させている、国連によって制裁を受けている3月23日運動(M23)武装集団の前進を非難する。我々は、M23が、あらゆる更なる前進を止め、管理下に置いている全ての地域から撤退することを強く求める。全ての武装集団は、全ての暴力行為を直ちに停止し、武装解除しなければならない。我々は、3月3日に合意した敵対行為の停止の即時かつ完全な実施を要求する。我々は、東アフリカ共同体主導のナイロビ・プロセスやアンゴラの仲介による首脳対話を含む、地域安定化の取組を歓迎するとともに、民間人を保護し、DRC政府による平和の定着に係る取組を支援する、国連コンゴ民主共和国安定化ミッションの極めて重要な役割を強調する。

11 中南米のパートナーとの協力

 我々は、共通の利益及び価値観を堅持するために、中南米の国々との協力を強化することの重要性を強調する。我々は、経済的課題、自然災害及び気候変動への対応、法の支配の強化、社会経済強靱性の強化、貿易及び投資の促進並びにグローバルな課題への対処のために協働することにコミットする。

 我々は、地域における前例のない移住の流れにつながり、受入国の能力を超えるような、強制的な移動を引き起こしているベネズエラの経済、政治及び人道状況を懸念する。我々は、複合的な危機の影響を受けている人々の緊急のニーズに対応するための人道アクセスを求める。今後の道は、ベネズエラの人々の利益のための、自由で公正な大統領及び議会選挙につながるベネズエラ主導の交渉にある。

 我々は、国際社会の他の主体と共に、公的機関を強化し、ハイチにおいて悪化する治安及び人道状況を解決するためのあらゆる取組を支援するとのコミットメントを改めて表明する。我々は、武装ギャング及びそれを支援する者による暴力及び犯罪行為を非難するとともに、ハイチに対する制裁レジームを設ける国連安保理決議第2653号を歓迎する。我々は、国連ハイチ統合事務所の役割を支持するとともに、全てのステークホルダーに対し、相違を克服し、2022年の政治合意である「包摂的移行及び透明性のある選挙のための国民合意」に基づく対話の進展の達成を求める。我々は、ハイチの安定を回復し、自由で公正な選挙を可能とする必要な条件を確立するとともに、ハイチの人々への妨害されない人道支援の提供を促進することの重要性を改めて表明する。

 我々は、エルサルバドル、グアテマラ及びホンジュラスにおける人道及び安全のニーズの高まりに懸念を持って留意する。これらの国々は、大規模な移動、食料価格の上昇及び治安の課題に苦しんでいる。我々は、それぞれの2023年国連人道対応計画で示された緊急のニーズを満たすために、民間のアクターを含めた、ドナーによる既存の及び新たな取組を促す。

 我々は、人権侵害が継続しているニカラグアにおける状況を非常に注意深く注視している。我々は、300人以上のニカラグア国民の国籍を恣意的に剝奪するニカラグアの決定を非難 する。我々は、ニカラグアに対し、市民社会、民間部門及び政治関係者への広範な抑圧を終 了し、全ての政治犯を釈放し、国際的義務を尊重し、並びに人権侵害に対する救済を提供す ることを求める。

III. グローバルな課題への対処

12 自由で開かれた国際秩序

 我々は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を強化することを決意している。それは、国連憲章、全ての国の主権及び領土一体性の尊重、人権及び基本的自由の尊重に基づくものである。大小を問わず全ての国は、これらの原則から利益を享受する。我々は、これらを堅持し、守ることを決意しているとともに、このために全ての意思あるパートナーと共に取り組む用意がある。

 国連憲章の規定に従った、あらゆる国の領土一体性又は政治的独立に対する武力による威嚇又は武力の行使の禁止は、戦後の国際システムの礎を成している。しかし、領土的野心によって、一部の国が再び力による支配に回帰しつつあり、そのため、我々は、法の支配に導かれた平和を堅持するための取組を倍加してきた。1970年の友好関係原則宣言で再確認された、武力による威嚇又は武力の行使による領土の取得の禁止は、誠実に遵守されるべきである。我々は、世界のいかなる場所においても、力又は威圧により、平穏に確立された領域の状況を変更しようとするいかなる一方的な試みにも強く反対する。この点、一方的に領土を併合するために正規又は非正規の軍隊を派遣することは禁止されている。

 我々は、自由で公正な貿易が、全ての人々、特に最も脆弱な人々にとって強靱で持続可能な発展の鍵となることを強調する。我々は、科学的知識への自由で公平な公的アクセスが、グローバルな課題を解決するために不可欠であることを認識する。我々はまた、途上国への支援を通じたものを含め、違法・無報告・無規制(IUU)漁業を、探知し、抑止し、及び終わらせるための国際的な行動を強化することの重要性を認識する。

 我々は、テロ資金供与及びテロ目的のためのサイバー空間の悪用を含む、テロ及び暴力的 過激主義の防止及び対策に向けたパートナーとの協力を加速させる必要性を再確認する。 我々は、オンライン及びオフラインの双方における違法薬物取引、小型武器の取引、人身取 引及び児童虐待に関する犯罪を含む、国際的な組織犯罪と闘うことの重要性を改めて表明す る。我々は、合成薬物がもたらす重大な公衆衛生上及び安全上の問題を認識する。我々は、これらの物質の不正な製造及び取引を阻止し、それらの濫用が及ぼす公衆衛生上の影響に対 処するための取組を強化する。我々は引き続き、世界中における安全で、秩序があり、正規 の移住にコミットするとともに、移民の密入国や人身取引の防止と対策に引き続き取り組む。我々のアプローチは引き続き、人権を重視し、サバイバーを中心とし、及びジェンダーに配 慮するものであり、最もリスクの高い人々の特定及び保護並びに加害者の訴追に焦点を当て る。我々は、国境を越えた法執行の取組を強化するとともに、腐敗に対する責任を追及する ために協働することにコミットしている。我々は、外国贈収賄と闘うための取組を含む、腐 敗対策のための我々の既存の義務及びコミットメントの強力で効果的な実施を確保し、我々 共通の腐敗対策の優先事項を推進するために取り組むことにコミットする。

13 グローバルガバナンス

 我々は、平和、安定及び繁栄を促進するための多国間主義及び国際協力の重要性を改めて表明する。我々は、国連事務総長の「我々のコモン・アジェンダ」のビジョンに対する支持を表明する。我々は、変化する国際環境及び集団的安全保障への挑戦に対処するため、国連は強化されるべきと信じる。この点、我々は、ロシアが国連安保理での決定を阻止した一方、ロシアの侵略戦争を非難するとの明確なシグナルを送った、国連総会における圧倒的多数の加盟国の声を強調する。我々は、フランス、英国及び米国による、非常に限定された特別な状況を除き、国連安保理における拒否権の行使を自発的に控えるとのコミットメントを歓迎するとともに、残りの常任理事国がこれらの国に加わることを期待する。我々は、この文脈において、ACTグループ行動規範並びに大規模な残虐行為の際の拒否権抑制に関するフランス及びメキシコによるイニシアティブを想起する。我々は、国連事務総長及び国連総会の役割を強化するために全ての加盟国と共に取り組むことにコミットする。我々はまた、国連安保理改革に再びコミットする。

 我々は、持続可能な開発目標(SDGs)の資金ギャップを埋めるための世界の主要経済が共有する責任を強調しつつ、2030アジェンダの実施及びSDGsの達成に取り組むとともに、2030年までにそれらを達成するために行動を加速する必要性を認識する。我々は、2023年SDGサミット、国連食料システムサミット・ストックテイク会合及び20

 24年未来サミットの成功に貢献することにコミットしている。我々は、新しい時代の人間の安全保障の概念の推進を含め、特に、極度の貧困がますます集中すると予測されるサハラ以南アフリカにおいて、脆弱な人々への支援を強化する取組を再確認する。我々は、全てのG7の取組における持続可能な開発に関する取組の死活的重要性を強調するとともに、進行中の日本の開発協力大綱の改定作業を認識する、2023年3月20日に公表されたG7開発担当高官会合議長総括を歓迎する。我々は、6月にパリで開催される、2030アジェンダ全体の実現に向けた進行中の取組の促進及び補完を目的とする、「新たな国際的開発資金取決めのための首脳会合」を歓迎する。我々は、国際金融機関の強化の必要性を再確認し、危機の影響下にある場合を含め、SDGs達成における国際開発金融機関(MDB)の役割を強調する。我々は、世界銀行グループの進化のためのロードマップを含む、MDB改革のための進行中の取組を支持する。我々はまた、G20への支持を再確認し、2023年9月のニューデリー・サミットの成功に向け取り組む我々の首脳を支える。

14 平和構築・平和維持

我々は、ますます複雑になっており、相互に関連する安全保障上の課題に対処するため、平和構築の取組を強化するとのコミットメントを新たにする。我々は、持続可能な平和を達成するために、強靱な社会を構築し、人権を保護し、良いガバナンスを支持し、及び人への投資を実施しなければならない。我々は、特に紛争に関連する場合、性及びジェンダーに基づく暴力を非難する。

 我々は、国連の役割を高く評価し、平和構築と平和維持に対する統合的アプローチを支持する。我々は、平和構築委員会による関連するステークホルダーを招集する役割及び他の国連機関に対する諮問機関としての役割を支持する。我々は、国連平和維持活動及び特別政治ミッションが、紛争の拡大及び再発を予防し、マンデートの範囲内で文民を保護するための価値ある手段であることを再確認する。我々はさらに、そのような活動を改革及び強化するための国連事務総長による「PKOのための行動(A4P)」及び「PKOのための行動プラス(A4P+)」に対する、我々のコミットメントと支持を再確認する。我々は、例えば国連三角パートナーシップ・プログラムを通じたものを含め、派遣される要員の能力を強化し、安全を確保する。我々はまた、「女性・平和・安全保障(WPS)」アジェンダの世界規模での実施を強化することの重要性を強調する。我々は、国連における「新・平和への課題」に関する議論に貢献するとの我々のコミットメントを改めて表明する。

15 軍縮・不拡散

 我々は、より安全で、より安定し、より安心できる世界のために、軍縮・不拡散の取組を維持及び強化することにコミットするとともに、2023年4月17日のG7不拡散局長級会合ステートメントを支持する。

 我々は、G7サミットが、1945年の原子爆弾投下の結果として広島及び長崎の人々が経験したかつてない壊滅と極めて甚大な非人間的な苦難を長崎と共に想起させる広島において開催されることを認識し、全ての者にとっての安全が損なわれない形で、現実的で、実践的な、責任あるアプローチを通じて達成される、核兵器のない世界という究極の目標に向けた我々のコミットメントを再確認する。この点に関し、日本の「ヒロシマ・アクション・プラン」は、現下の厳しい安全保障環境を踏まえた実践的なアプローチを具体化する歓迎すべき貢献である。我々は、他の指導者、若者及びその他の人々も広島及び長崎を訪問するよう促しつつ、軍縮・不拡散教育の重要性を強調する。

 世界の核兵器数の全体的な減少は継続しなければならず、逆行させてはならない。NPT は、国際的な核不拡散体制の礎石であり、核軍縮及び原子力の平和的利用を追求するための基礎である。我々は、長きにわたって遅延している核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(F MCT)の交渉の即時開始を求めるとともに、まだそうしていない全ての国に対し、そのような物質の生産に関する自発的なモラトリアムを宣言又は維持することを求める。我々は、CTBTを発効させる喫緊の必要性を強調する。我々は、核実験を行う用意があるとのロシアの発表に懸念を表明し、ロシアによる核実験モラトリアムの遵守を求める。

 G7は、核兵器使用のリスクを最小化し、軍備管理を強化するための措置を更に特定し、実施するために全ての国と共に取り組むことにコミットしている。我々は、2022年1月3日に発出された核戦争の防止及び軍拡競争の回避に関する五核兵器国首脳の共同声明を想起し、核戦争に勝者はなく、また、核戦争は決して戦われてはならないことを再確認する。我々は、ロシアに対し、同声明に規定された原則に関して、言葉と行動で改めてコミットするよう求める。我々は、G7の核兵器国による自国の核戦力やその客観的規模に関するデータの提供における透明性を歓迎する。我々は、まだそうしていない他の国々がこれに倣うことを求める。我々は、ロシアによる新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止の決定を深く遺憾に思うとともに、ロシアに対して、同条約の完全な履行及び核のリスクの低減に関する米露間の対話に戻るよう求める。我々はまた、透明性、誠実な軍備管理及びリスク低減措置を欠いた、中国の現に行われており、加速している核戦力の拡大及びより高度な運搬手段の開発を懸念する。G7は、中国に対して、戦略的リスク低減に関する米国との対話に速やかに関与するとともに、中国の核兵器の政策・計画・能力の更なる透明性を通じて安定性を促進するよう強く求める。我々の安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている。

 原子力発電又は関連する平和的な原子力応用を選択するG7の国は、最高水準の原子力安全、核セキュリティ及び不拡散を遵守しつつ、原子力エネルギー、原子力科学及び原子力技術の利用が、低廉な低炭素のエネルギーを提供することに貢献することを認識する。我々は、これらの水準を支える人的・組織的能力を構築するために加盟国を支援する上でのIAEA の不可欠な役割を認識する。我々は、民生用プルトニウムの管理の透明性を向上させることの重要性を強調する。我々は、平和的原子力活動における全てのプルトニウムの保有量をI AEAに年次報告することにコミットした全ての国に対し、かかるコミットメントを履行することを求める。我々はまた、包括的保障措置協定、IAEA追加議定書及び該当する場合には改正少量議定書を含む主要な保障措置協定の普遍化を支持する。

 我々は、ロシアからの民生用原子力関連製品への依存を減少させるための措置及び供給の多角化を追求する国を支援するための措置を評価するとのG7首脳のコミットメントを想起する。

 我々は、輸出管理が引き続き、国際的な安全保障及び安定を維持するための重要な手段で あること、並びに全ての国が国連安保理決議第1540号の下で大量破壊兵器及びその運搬 手段の拡散を防止するために国内における管理を確立するための効果的な措置を採り、実施 する法的義務を有することを強調する。この点に関し、多国間輸出管理レジームは中心的な 役割を担っている。我々は、軍事目的に使用され得る物質、技術及び研究に対する効果的で 責任ある輸出管理を強化する上で、引き続き、G7間で協調するとともに、他国と共に取り 組む。我々は、急速な技術の発展に対応するため、我々のそれぞれの取組を協調させること、 及び多国間輸出管理レジームの対象品目リストを更新するための作業を支援すること等を 通じ、我々の管理する物質及び技術を見直すという我々のコミットメントを改めて表明する。我々は、核兵器、化学兵器及び生物兵器の脅威に対抗するために、我々のパートナーと協働 するとの我々の決意を再確認する。我々は、G7が主導する31のメンバーからなる大量破 壊兵器及び物質の拡散に対するグローバル・パートナーシップが、大量破壊兵器及び物質に よってもたらされる脅威に対処する上で、指導的役割を維持することを確保することへのコ ミットメントを改めて表明する。

16 経済的強靱性及び経済安全保障

 我々は、経済安全保障に対する脅威が増大していることに懸念を表明するとともに、G7 及びその他の国々において、我々の連携及び協力を強化することが急務であることを強調する。我々は、特に最も脆弱な国々のために、経済安全保障を強化するとの我々の継続的なコミットメントを表明する。我々は、グローバルな経済安全保障及び強靱性を擁護するために国際的な規範及び義務を守る重要性を強調するとともに、グローバルな経済的強靱性を構築し、WTOを中核とするルールに基づく多角的貿易体制を損なう有害な慣行に対応するという我々のコミットメントを再確認する。我々は、強靱なサプライチェーンは、透明で、多様で、安全で、持続可能な、信頼できる形で構築されるべきとの認識を共有する。

 我々は引き続き、経済的威圧を含む、我々の利益のみならずグローバルな安全及び安定を損なうことを意図した脅威に対抗するため、我々の警戒を高め、協力を強化することにコミットする。我々は、経済的威圧に対抗するために必要な手段を備えるとともに、力強い外交上の連携に基づき、そのような脅威への我々の評価、備え、抑止及び対応を強化するため、新興国や発展途上国のパートナーを含む、志を同じくするパートナーと協働する重要性を強調する。

 我々はまた、重要技術や知的財産の不当な又は強制的な国家主導の獲得に対して、それが特に標的となった国の安全保障に対するリスクを構成する場合、対策を講じることが急務であることを強調する。重要・新興技術は、社会の機能の仕方を変革する効果を持ち、その本来想定されない、悪意のある、信頼性のない、又は不適切な使用は国家及び個人の安全を阻害する可能性がある。我々は、このような技術の設計、開発、ガバナンス、輸出及び利用は、共有された民主的価値によって導かれるべきであることを改めて表明する。

 我々はまた、民間企業及びその他の非政府パートナーとの連携・協力を促進するために、経済安全保障に関する議論及びテロ対策と犯罪防止の取組に関する議論を橋渡しするとともに、予防措置を含む法執行機関の対応を強化するG7ローマ・リヨン・グループの取組を歓迎する。

17 開発金融及びインフラ

 我々は、持続可能で、強靱で、包摂的で、質の高いインフラへの資金提供及びその他の支援を提供することにより、インフラ投資のギャップを縮小することへのコミットメントを改めて表明する。我々は、国主導のパートナーシップ及び持続可能なインフラ整備のための実施環境への投資を通じたものを含む、グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGI I)の運用化のために協働する。我々は、気候及びエネルギー、情報通信技術(ICT)及び交通を含む連結性、食料安全保障、保健並びにジェンダーを含む、公平な成長及び強靱性を促進する分野に投資を集中させることを目指す。

 2023年にSDGsが折り返し地点に到達する中で、我々は、包括的な方法で、SDG s達成に向けた国際協力を再活性化するための取組を強化する必要があるとともに、多くの途上国における債務負担が増大し、より環境に優しく、より強靱で、包摂的な経済への移行への投資が閉め出されることを懸念し、公正で開かれた貸付慣行の重要性を強調する。我々は、債務再編のための債権者間連携を強化するとともに、関連する能力開発を通じて既存の枠組みの実施を改善することを目指す。

 我々は、透明で公正な開発金融の慣行を推進することを決意するとともに、債務透明性及び持続可能性、国際的に協調された債務措置及び措置の同等性の尊重、公正な審査、選択及び貸付慣行並びに質の高いインフラ投資といった既存の原則の実施ギャップに対処するために協働する。この点、我々は、全ての主体に対し、質の高いインフラ投資に関するG20 原則及びOECD国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約を含む、国際的に認められたルール、スタンダード及び原則を遵守することを求める。我々は、志を同じくするパートナー間で議論を深め、協力を促進することにコミットする。

18 宇宙及びサイバーセキュリティ

 社会が宇宙システムにますます依存していることを踏まえ、我々は、平和的で、安全で、安心でき、持続可能な宇宙環境の維持を促進することにコミットするとともに、全ての国に対し、将来の世代のために協働することを求める。我々は、急激に増加しているスペースデブリの問題に対処することの重要性を改めて表明する。我々は、宇宙空間平和利用委員会(C OPUOS)で採択された国際ガイドラインの実施を強く支持するとともに、スペースデブリの低減と改善のための更なる解決策を進展させる各国の取組を歓迎する。国連総会決議(77/41)を支持しつつ、我々は破壊的な直接上昇型ミサイルによる衛星破壊実験を実施しないことにコミットし、他国が後に続くよう促す。我々は引き続き、宇宙システムに対する脅威が増大していることを深刻に懸念している。我々は、「責任ある行動の規範、規則及び原則を通じた宇宙における脅威の低減」に関する国連オープン・エンド作業部会を強く支持する。また、意図しない衝突を回避するための宇宙状況把握に係る能力を共同で向上させ、このようなデータをより良く共有することも重要である。

 我々は、開かれた、相互運用性があり、信頼でき、安全なサイバー空間を支持する。我々は、増大するサイバー空間の脅威を懸念しつつ、引き続き、サイバー空間において、課題に対抗し、法の支配を推進することにコミットしている。我々は、国連憲章を含む既存の国際法がサイバー空間にどのように適用されるかについて、全ての国が実質的な議論を深めることを促す。我々は、地域的及び世界的な信頼醸成措置を履行し、サイバー空間における国際的に確立され、自発的で、法的拘束力を持たない責任ある国家の行動規範を促進し、並びに能力構築の取組を強化することを決意している。我々は、捜査及び訴追のための既存の国際協力の枠組みを普及させ、及びサイバー犯罪と闘うための進行中の取組に貢献することを堅持する。

19 偽情報を含む外国からの干渉への対応

 我々は引き続き、民主主義の過程を破壊し、我々の社会を不安定にし、我々の国民を危険にさらし、並びに我々の制度及び共有された価値を損なうことを目的とする外国からの偽情報を含む干渉行為により、我々の国家、経済及び社会に対する脅威が増大していることを懸念する。我々は、外国による情報操作のない自由で開かれた情報環境を推進することにコミットしている。我々は、他の国際的な取組と共に、外国の情報の脅威を含め、民主主義に対する外国の脅威から、我々を集団的に保護するための取組の一環として、G7即応メカニズム(RRM)を強化するとのコミットメントを再確認する。我々は、ウクライナに対する侵略への支持を得るためにロシアが情報操作や偽情報を広く使用していることを強く非難する。質の高い、信頼できる情報へのアクセスは、情報操作や偽情報と闘うための鍵であり、我々は、情報と民主主義のためのパートナーシップといった関連する国際的イニシアティブ及び国連やOECD等による取組の支援を通じたものを含め、この点についての我々の取組を倍加する。我々はまた、デジタル企業が、自由で、開かれ、安全なインターネットを推進するとともに、自社のプラットフォームを情報操作のために悪用されないように強化することを促すことにコミットする。

20 エネルギー安全保障、気候変動及び環境悪化

 我々は、エネルギー安全保障を達成すると同時に、2050年までに温室効果ガス(GH G)排出ネット・ゼロへの変革を加速するとともに、2030年までに生物多様性の損失を止め、反転させることが緊急の課題であると認識する。この目的のため、我々は、世界のエネルギー・システムの脱炭素化を加速するために、化石燃料への依存を低減するとともに、エネルギー消費を削減し、エネルギー効率を促進し、及びクリーンで、安全で、持続可能なエネルギーの開発・展開を迅速に進めるとの決意を改めて確認する。我々は、いかなる国も地政学的威圧の手段としてエネルギー輸出を梃子にすることを防止するため、世界のエネルギー・ガバナンスを強化し、クリーン・エネルギーの利用拡大などの方法を通じて、エネルギー市場の流動性を確保するとの決意を再確認する。我々は、ネット・ゼロ経済とクリーン技術に不可欠な、安全で、強靱で、持続可能で、責任ある、透明性のある多様な重要鉱物のサプライチェーンを強化するとともに、世界のエネルギー移行を支援するために、より広いクリーン・エネルギーのサプライチェーンの多様化に取り組む。2035年までに電力部門の完全又は大宗の脱炭素化を達成するとの目標への我々のコミットメントを想起しつつ、我々は引き続き、全ての人々にとって、安価で、信頼でき、持続可能なエネルギーへのアクセスを確保するために取り組むことにコミットしている。我々は、気温上昇を摂氏1.5度に抑えることを射程に入れ続けるために、クリーンで持続可能なエネルギーへの移行を加速するための国際協力を促進する。我々は、エネルギー市場の安定化を目的として、客観的なデータ及び分析並びにステークホルダー間の対話の重要性を強調する。

 気候変動、生物多様性の損失及び汚染という3つの世界的危機の影響が加速していることに関して、我々は、気候変動に関する政府間パネルの見解を踏まえ、この勝負の10年にパリ協定及び昆明・モントリオール生物多様性枠組(KMGBF)の実施を強化するとの揺るぎないコミットメントを再確認するとともに、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)の成功に向けて取り組んでいく。我々は、UNCLOSの下で、国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)の保全及び持続可能な利用に関する法的拘束力を有する国際文書の交渉の妥結を歓迎する。我々は、全ての主体に対し、それぞれの気候変動に関するコミットメントが、遅くとも2050年までに、可能な限り早期に世界のGHG排出ネット・ゼロを達成するための摂氏1.5度の道筋に沿ったものとなることを確保するため、拡大した、即時の、野心的で、包摂的な行動をとることを求める。我々はまた、全ての国に対し、COP28において、遅くとも2025年までに、可能な限り早期に世界のGHG排出量を全体としてピークにするとともに、必要に応じて、「国が決定する貢献(NDC)」の2030年目標を再検討し、強化することにコミットするよう求める。我々は、意味のある緩和行動及び実施に関する透明性の文脈において、2025年にかけて年間1,000億ドルの気候資金を合同で動員するという先進国の目標に対する我々のコミットメントを再確認する。我々は、途上国に対する適応のための気候資金の共同での供与を2025年までに2019年の水準から少なくとも2倍にする努力を引き続き加速し、他者にも同様のことを行うよう求める。我々は、緑の気候基金の野心的な第2次増資プロセスにおいて、強固なG7のプレッジ及びドナー・ベースを拡大することの必要性を再確認する。我々は、資金の流れをパリ協定及びKMGBFと整合的なものにすることにコミットするとともに、他国及びMDBにも同様のことを行うよう求める。我々は、「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETPs)」の重要性を再確認するとともに、南アフリカ、インドネシア及びベトナムにおけるJETPで達成された進展並びにインドとセネガルとの継続中の協議を歓迎する。

 SIDS、後発開発途上国(LDC)及び脆弱な国家を含む気候変動に脆弱な状況に暮らす人々を保護することは、人間の安全保障及び安定の維持に不可欠である。我々は、気候変動によってより悪影響を受ける可能性のあるグループのエンパワーメント及び保護を促進する。我々は、適応を促進し、これらの人々の強靱性を強化するとともに、気候変動及び環境の悪化によって平和及び安定にもたらされるリスクを低減するために適時かつ効果的な行動をとるために、更なる支援を引き続き提供する。我々は、海面上昇に直面する中で、基線及び海域の安定性に関する太平洋諸島フォーラム及び小島嶼国連合(AOSIS)のメンバー国を含む、多くの国々の特定の懸念を認識する。我々は、損失及び損害に対応する新たな資金面での措置を設立するとのCOP27及びパリ協定第四回締約国会合における決定を成功裏に実施するために取り組むという強い決意を強調する。我々は、2030年までに生物多様性の損失を止め、反転させる緊急の必要性を再確認する。


21 食料安全保障、栄養及び人道支援

 我々は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック、エネルギー及び食料価格の高騰、気候変動、生物多様性の損失並びに武力紛争、特にロシアの侵略戦争を含む複数の要因が、生産及び肥料並びにエネルギーのサプライチェーンを含む世界の食料システムを妨害し、特にアフリカ及び中東において食料不安及び栄養不良を悪化させていることを再確認する。我々は、痩せた土壌の健全性及び肥沃度、水不足、水資源の不適切な管理、高栄養価の食品の不足並びに肥料へのアクセス及び廉価性の不足に関する懸念の高まりを認識するとともに、より強靱で持続可能なサプライチェーンを構築するための措置を採る重要性を強調する。

 我々は、あらゆる形態の栄養不良を予防し、治療するための取組を強化し、影響を受けている国、地域並びに食料及び栄養の危機で不均衡に影響を受けた女性及び女児を含む人々への支援を強化することによって、食料・栄養危機に対応してきた。我々はまた、G7が世界銀行と共に設置した食料安全保障のためのグローバル・アライアンスの枠組みの中から始まった取組の重要性を強調する。我々は、飢饉防止及び人道危機に関するG7コンパクトへの支持を再確認する。我々は、ウクライナの農業部門の復興を支援し、更なる食料システムのショックを防ぐため、連帯レーン、黒海穀物イニシアティブ及びウクライナからの穀物イニシアティブが極めて重要であることを認識する。我々は、ロシアに対し、グローバルな食料供給を脅かすことを止めるとともに、黒海穀物イニシアティブが最大限の能力で無期限に運用されることを認めるよう求める。

 我々は、栄養不良の予防及び治療並びに最も脆弱な人々及び十分な食料を得る権利の保護の重要性を強調する。我々は、手頃で、安全で、高栄養価の食料へのアクセス及び十分な食料を得る権利の実現は、人間の基本的ニーズであると考える。我々は、加工、貯蔵、灌がい及び輸送システムを含む農業関連インフラを強化する必要性を確認する。我々は、特に脆弱な国への支援を加速し、地域的な農業貿易を促進し、食料供給管理を強化し、及び小規模農業従事者のための市場連関を構築する意図を確認する。我々は、農業開発への持続的な投資が、世界的な飢餓、貧困及び栄養不良の削減に貢献したことを認識する。我々は、脆弱な国が気候変動に適応し、増大する人口に持続的で、栄養があり、安全な形で食料を供給し、及び長期的に強靱性があり、持続可能な農業及び食料システムを構築する中で、農業部門を変革し、持続可能な形で農業生産性を高めることを支援するために公的部門及び民間のパートナーを動員することへのコミットメントを確認する。

 我々は、複数の危機から深刻な影響を受けた脆弱な人々を支援するため、人道危機の予防及び対応へのコミットメントを再確認する。我々は、グランド・バーゲン及びその他のコミットメントに沿って、先行的行動及びその他の方策等、人道支援の効率性と効果を向上させることを決意する。我々は、2023年12月の第2回グローバル難民フォーラムに向けて、引き続き国際社会と共に取り組む。我々はまた、国連事務総長のフォローアップの取組である国内避難に関するアクション・アジェンダの重要性を認識する。

22 グローバルヘルス

 健康な環境は、人々の健康及び福祉にとっての前提条件である。我々は、将来の感染症やパンデミックに対し、より良く予防し、備え、及び対応するために協働し、グローバルなパートナーと共に取り組む。ワンヘルス・アプローチは、これらの取組に不可欠な要素である。我々は、将来のパンデミック、薬剤耐性及びその他の国際保健上の脅威への予防・備え・対応(PPR)を改善するため、より強靱な保健システムを構築することを決意している。我々は、政府間交渉会議において、他の世界保健機関(WHO)加盟国と共に取り組みつつ、パンデミックへの対応に関する新たな法的文書(WHO CA+)の作成及び交渉への我々のコミットメントを改めて表明する。我々はまた、2005年の国際保健規則を強化するための対象を絞った改正に関する交渉を行っている。

 我々は、保健システムを強化し、人道的状況下を含めて、安全で、高品質で、安価で、効果的な感染症危機対応医薬品等(MCM)への公平で、タイムリーなアクセスを強化することにコミットしている。この目的のため、我々は、将来の健康危機のためのエンド・ツー・エンドなMCMエコシステムの強化を支援することにコミットしている。我々は、公衆衛生のニーズに基づいた、持続可能な現地・地域における製造及びデリバリーを促進することの重要性を強調する。プライマリー・ヘルス・ケア(PHC)を礎に据えたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックからの継続的な社会・経済回復と、他の保健課題に取り組む上で決定的に重要である。我々は、パンデミックの予防及び備えの能力の強化に焦点を当てたパンデミック基金の効果的な運用を確保することにコミットする。

 我々は、性と生殖に関する健康、母子保健、栄養及び改善された家族計画へのアクセスを進展させるための調整強化を通じたものを含め、全ての者に対するメンタルヘルス及び心理的・社会的支援に対する包括的アプローチ並びに全ての個人に対する包括的な性と生殖に関する健康と権利に対する我々の強いコミットメントを再確認する。我々は、パンデミックP PR、UHC及び結核に関する国連総会ハイレベル会合において、相乗効果を最大化し、野心的な行動指向の成果を確保するために協力することを決意する。我々は、グローバルなバイオセーフティ及びバイオセキュリティを強化するためのサーベイランスの拡大や検査能力の強化を含み、協力的な能力構築の取組の重要性を強調する。

23 ジェンダー平等

 我々は、ジェンダー平等並びにあらゆる多様性を持つ女性及び女児並びにLGBTQIA

+の人々の権利の促進と保護に関するG7の継続的な世界的リーダーシップを再確認する。我々は、特に女性及び女児の権利の世界的な後退並びに紛争及び危機が女性及び女児に与える不均衡な影響に強い懸念を表明する。我々は、紛争関連の性的暴力及び技術により促進された性的暴力を含む、性的及びジェンダーに基づく暴力の撤廃にコミットしている。我々は、全ての政治及び和平プロセスにおける女性の完全なエンパワーメント及び完全で、平等で、意義ある参加を確保する重要性を強調する。我々は、ジェンダーに配慮した気候変動対策を進め、デジタルにおけるジェンダー間の格差を埋め、ケア・エコノミーを強化及び制度化し、並びに教育におけるジェンダー障壁を取り除く重要性を認識する。我々は、国連安保理決議第1325号及びそれに続く決議に従って、世界的なWPSのアジェンダを実施することへのコミットメントを再確認する。

24 防災

 我々は、多くの国が自然災害やその結果の強制的な避難に対して脆弱であることを認識しつつ、防災に関する国際的な協力を強化している。我々は、その多くが気候変動によって悪化している災害に対する強靱性を強化する観点から、国連事務総長による「全ての人への早期警報」イニシアティブ、適応性のある調達及び社会保護システムに沿った、能力開発及び早期警報システムの重要性を十分に認識する。我々はまた、仙台防災枠組2015-2030に沿った国際協力を加速することにコミットするとともに、本年、国連防災機関(UND RR)が各国及び関連するステークホルダーと共に実施した中間レビューの成果を歓迎する。我々は、COP27の成果に立脚して、かかる防災取組が、気候変動に関連する損失及び損 害を回避し、最小化し、及び対処するとともに、持続可能な開発を達成することに貢献する ことを強調する。我々は、深刻な人道危機が完全に拡大する前に未然に防止又は軽減するた めの先行的行動をとる重要性を強調する。

(了)