[文書名] G7財務大臣・中央銀行総裁会議声明
我々、G7財務大臣・中央銀行総裁は、2024年5月23-25日に、イタリア・ストレーザにて会合した。我々は、ウクライナのセルゲイ・マルチェンコ財務大臣の参加を得たことを光栄に思う。また、国際通貨基金(IMF)、世界銀行グループ(WBG)、経済協力開発機構(OECD)、金融安定理事会(FSB)の長も会合に参加した。我々はまた、ブラジル、モーリタニア(アフリカ連合を代表)、韓国、及びサウジアラビアを交えたアウトリーチセッションを行った。我々は、このセッションの中で、人工知能(AI)の世界的な影響、開発のための既存のイニシアティブ、クロスボーダー送金について意見を交換し、G20等の関連する多国間フォーラムにおける緊密な協働を継続することに合意した。国際社会が協調した対応を必要とする複数の課題に直面する中で、我々は、持続的な開発を促進するための多国間協力へのコミットメントを新たにした。我々の議論は、アフリカ開発銀行(AfDB)、Gaviワクチン・アライアンス、決済・市場インフラ委員会(CPMI)事務局並びに金融活動作業部会(FATF)の長による貴重な貢献から知見を得た。
世界経済の見通しと進展
1 世界経済は、新型コロナウイルスのパンデミックやロシアのウクライナに対する侵略戦争、これらに伴うインフレ圧力などの複数のショックに対して予想されていた以上の強靱性を示している。特にサービス部門において、コアインフレ率はある程度の高水準が継続しているが、労働市場は引き続き相対的に強固であり、インフレは依然として緩やかである。しかしながら、世界経済の成長は、過去の平均と比べ低位にとどまり、国や地域によって異なる可能性が高い。世界経済の見通しは、引き続き、地政学的緊張の悪化のおそれやエネルギー価格の変動を含む様々なリスクにさらされている。ロシアのウクライナに対する侵略戦争と、中東の危機的な状況は、世界的な貿易の流れ、サプライチェーンの円滑な機能、生活環境をさらに混乱させうる。
2 この4年間、財政及び金融政策は、新型コロナウイルスのパンデミックによるマクロ経済的な影響や、ロシアのウクライナに対する侵略戦争により生じた負の波及効果の影響を軽減してきた。我々の政策努力は、技術革新、公正なグリーン及びデジタルへの移行の促進、その他の政策的な優先事項に引き続き焦点を当てる。また、グリーン及びデジタルへの移行に向けた投資の推進は、生産性の成長を支える。最も脆弱な人々を保護し、持続可能性及び強靱性を促進させるために必要な投資を行いつつ、また、潜在成長力を高めるための野心的な構造改革のアジェンダによって補完されつつ、財政余力を徐々に再構築することは、財政の持続可能性を強化し、新たなショックに対応するための更なる余地を生み出すための優先課題である。物価と金融の安定は、持続可能かつ均衡ある成長のための前提条件である。中央銀行は、それぞれのマンデートに沿って、物価の安定を達成することに強くコミットしてきており、引き続き、データを踏まえながら政策を調整する。我々は、2017年5月の為替相場についてのコミットメントを再確認する。我々は、明確なコミュニケーションを通して、負の波及効果を限定することに努めつつ、健全かつよくコミュニケーションの取られたマクロ経済・構造政策に対する我々のコミットメントを再確認する。
3 我々はまた、自由で公正かつルールに基づく多国間システムへの強いコミットメントを再確認する。G7の日本議長国下におけるレガシーに基づき、我々は、世界経済の強靱性と経済安全保障を強化し、システミックなショックと脆弱性から我々の経済を守るための協力を進展させる。この目的のため、我々は、重要かつ新興の技術を保護しつつ、サプライチェーンをより強靱で、信頼性が高く、多様で持続可能なものとし、有害な慣行に対応するために取り組む。我々は、必要に応じて、G7内外のパートナーとともに供給のデリスキング及び多様化を促進するための適切な措置を検討する。我々は、世界的に公平な競争条件を確保するため、広範な政策手段やルールを通じて、過剰生産能力につながるものを含む非市場的政策及び慣行、並びに歪曲的政策に対処するための協力を強化する。我々は、均衡の取れた相互的な協力への関心を再確認する一方で、我々の労働者、産業及び経済的強靱性を損なう中国の非市場的政策及び慣行の包括的な利用について懸念を表明する。我々は過剰生産能力の潜在的な悪影響を引き続きモニターし、世界貿易機関(WTO)の原則に沿って、公平な競争条件を確保するための措置を講じることを検討する。加えて、我々は、産業政策及び非市場的慣行に関するデータ及びこの分野におけるモニタリングの手段の質と利用可能性を改善するための、関連する国際機関による取組を奨励する。我々は、他の関連するトラックと協調し、補助金及びその他の産業政策・貿易政策がマクロ経済に与える影響を比較可能な情報に基づいてグローバルに評価し、産業政策・経済的分断・市場集中リスク・過剰生産能力に関連する課題についての第三国との対話を推進するための作業を支持する。
4 この目的を達成するため、我々はまた、グローバルな傾向や政策対応、それらの影響について、関連する省庁間のG7の対話を推進することを目指して、協力を強化する。適切かつ関連する場合には、我々は、IMF、WBG、WTO、OECDに加えて、G7以外のパートナーと関与していく。
5 ロシアによる不法かつ、不当で、いわれのない全面的なウクライナに対する侵攻から2年以上が経過し、ロシアの侵略戦争は、甚大な人的被害及び経済的損失をウクライナやその周辺国に引き続きもたらすとともに、エネルギー及び食料価格の上昇を通して世界経済に負の波及効果をもたらしている。我々は、ロシアの侵略戦争を改めて非難し、ロシアに対してその即時の終結を求めることについて連帯する。これは、ウクライナ及び国際社会全体に利益をもたらす。我々はまた、2023年10月7日のハマスによるイスラエルに対する残酷なテロ攻撃を断固として非難する。我々は、ガザにおける悲劇的かつ深刻化する人道危機を深く憂慮する。我々は、引き続き、緊急の行動が必要であることを強調しつつ、困窮するパレスチナの人々に対する不可欠な人道支援の提供において協力し、紛争とその波及効果によって影響を受けている地域の民間人及び経済への支援を提供する。我々は、国際海運の混乱によるものを含め、地域のエスカレーションによる人道的・経済的なリスクに留意しつつ、より広範な地域における安定を求めることを再確認する。また、ヨルダン川西岸地区の経済的安定を維持することは、地域の安全保障にとって非常に重要である。我々はイスラエルに対し、不可欠な金融取引及び重要な貿易・サービスが継続するよう、イスラエルとパレスチナの銀行間のコルレス銀行サービスが維持されるために必要な措置を講ずること、パレスチナ当局の緊急的な財政ニーズの観点から、清算を保留された収入を解放すること並びに、ヨルダン川西岸地区の経済状況の更なる悪化を避けるため、商取引に悪影響を与えている他の措置を撤廃あるいは緩和することを求める。
ウクライナ支援
6 我々は、ウクライナの人々の勇気及び強靱性に改めて敬意を表するとともに、必要とされる限りの我々の揺るぎないウクライナへの支援を再確認する。我々は、ウクライナの緊急の短期的な資金ニーズへの支援と、長期的な復旧・復興の優先事項(現時点で、10年間でおよそ4,860億ドルに及ぶとWBGが推計)に、ウクライナ復興ドナー調整プラットフォームも含めて連携していくことに引き続き強くコミットしている。この文脈において、我々は、ロシアのウクライナに対する戦争に対応するための610億ドルの経済・軍事支援を含む、米国の「ウクライナ安全保障追加予算案」の承認を強く歓迎する。我々はまた、EUの500億ユーロのウクライナ・ファシリティのもとでのこれまでの60億ユーロのウクライナに対するブリッジファイナンスの支出と、ファシリティのもとでの定期的なウクライナ支援の土台となり、緊急の経済復旧及び復興のための公的・民間投資を動員し、将来のウクライナのEU加盟も考慮している、EUによる「ウクライナ・プラン」の最近の承認を歓迎する。また、
我々は、英国の2030年まで、もしくは必要とされる限りの年間総額30億ポンドの支援の表明や、日本の2024年の追加的な20億ドルの財政支援の承認及び、カナダによる最近発表された42億カナダドルの軍事・開発・財政支援も歓迎する。IMFの拡大信用供与措置(EFF)プログラムの第三次レビューまでの前向きな完了と、困難な状況の中でのウクライナ当局の改革への永続的なコミットメントを踏まえ、6月のEFF第4次レビューの成功裡の完了を期待する。我々はまた、IMFプログラムに沿った、債務措置に係る民間債権者との適時の合意に向けたウクライナの取組を支援する。我々は、2024年にベルリン、2025年にローマで開催されるウクライナ復興会議に期待する。
7 我々の金融面及びそれ以上に幅広い経済面での制裁は、ウクライナへの不法な侵略に資金を供与し支援するロシアの能力を制約することにおいて、既に明確な影響を与えている。我々は、国際的なエネルギー市場の安定性を維持しつつ、石油上限価格の遵守及び執行を厳格化することに引き続きコミットしている。我々は、ロシアの石油の輸送中に詐欺的な行為に関与した者に制裁を科すことや、回避から追加的な収入を得るためにロシアが発展させたネットワークに対して措置を科すことを含め、上限価格の違反に強固に対応する。我々は、また、ロシアのエネルギー収入や将来的な採掘能力を対象とし続けることを含め、ロシアの収入源及びウクライナに対する侵略戦争を遂行する能力を減らすため、更なる金融・経済面での制裁にコミットしている。我々は、金融機関がロシアの防衛産業の調達を促進することを含め、制裁を回避、迂回する試みに対抗する。ロシアによる防衛産業基盤のための品目又は装置の獲得を促進する金融機関及びその他の団体は、ウクライナの領土一体性、主権及び独立を損なう行動を支援している。適切な場合には、我々はロシアが軍事産業基盤のための先進的な資材、技術、そして装置を獲得することを支援する個人及び団体に制裁を科す用意がある。我々は、また、G7の国の企業及び金融機関がロシアの迂回スキームに関与する者ではないことを確保するために、国内の取組を倍加させる。我々は、関連する国連安保理決議に直接違反する、北朝鮮とロシアの間の増大する軍事協力を強く非難する。我々は、イランに対し、ロシア軍及びそのウクライナにおける戦争への支援を停止するよう求める。我々は、中国企業を含む世界中の企業からロシアへの兵器及び軍事生産用装置のための軍民両用の資材及び部品の移転について懸念を表明する。
8 我々は、動かせないようになっているロシアの国家が有する資産から得られる特別な利益をウクライナのために向けることに関するEUの決定を歓迎する。2024年2月24日のG7首脳声明をフォローアップするため、我々は、国際法及びそれぞれの法制度と整合的に、動かせないようになっているロシアの国家が有する資産から得られる特別な利益をウクライナのために前倒しして活用する潜在的な方策について、6月のプーリア・サミットに先立ち首脳にウクライナへの追加的財政支援を提供するための選択肢を示すことを視野に入れて、議論を前進させている。我々は、それぞれの法制度と整合的に、ロシア自身がウクライナにもたらした損害を支払うまで、我々の管轄下にあるロシアの国家が有する資産を、引き続き動かせないようにしておくことを再確認する。
金融セクターの課題
9 世界経済の見通しへの様々なリスクを踏まえ、我々は、金融の安定及び規制上の課題に継続的に焦点を当てることが、金融システムの実効的な機能の確保のために引き続き不可欠であることを再確認する。我々は、金融システムにおける脆弱性を特定及び監視し、それらに対処するための政策を策定するために、FSB及び基準設定主体(SSBs)が実施する作業の重要性を強調する。
10 我々は、流動性ミスマッチ、レバレッジ、景気循環増幅効果、相互関連性に関連する脆弱性に対処することにより、ノンバンク金融仲介(NBFI)セクターの強靱性を強化するためのFSBの進行中の作業を強く支持する。この作業は、負のショックの引き金となり、又はそれを増幅させ、伝播を引き起こし、経済に持続可能な資金を提供するNBFIセクターの能力を将来的に危うくする可能性がある、同セクターから生じている潜在的なシステミックリスクの軽減を目的とする。我々は、オープンエンド型ファンドにおける流動性ミスマッチがもたらす構造的脆弱性への対応にかかるFSBの改訂された政策勧告の最近の公表を歓迎する。同勧告は、保有資産の流動性に基づきOEF運用者が投資家に提供できる償還条件に関して更なる明確性を与えることにより、OEF運用者による流動性管理を強化するとともに、流動性管理ツール(LMT)の更なる、より一貫性のある活用を達成することを目指す。我々は、希釈化防止流動性管理ツールに関する証券監督者国際機構のガイダンスと共に、そのような勧告の実施にコミットする。我々はまた、マネー・マーケット・ファンド(MMF)改革に関するFSBのテーマ別ピア・レビューを歓迎する。我々は、MMFの強靱性を確保するための、強靱性合意されたFSBの枠組及びツールキットに沿って、まだ行っていない場合には、政策を採用する必要性を再確認する。我々は、証拠金及び担保請求に対する流動性の備えを強化するためのFSBの提言、並びにSSBの関連する提案の最終化に期待する。我々は、レバレッジを監視し、関連するリスクに対処するための政策を調整するために当局及び市場参加者が利用可能な情報及びデータを改善することを目的とした、進行中のFSBの取組を奨励する。
11 我々は、地政学的緊張の増大にも鑑み、かつハイブリッドな脅威の文脈もある中で、金融セクターにおけるサイバーの強靱性の強化に引き続きコミットする。サイバー脅威は急速に進展し、ますます複雑になっている。人工知能(AI)や量子計算のような新たな技術は、新たな機会を提供するが、まだ完全に理解されていない新たな課題をももたらす。規制・監督に加えて、関連する官民のステークホルダー間の健全な協力及び情報共有を促進することが極めて重要である。ガイドラインの導入、新たなリスクのより深い分析及びサイバー演習は、実効的な戦略の重要な構成要素であり、対応及び重要な情報の共有に係る国際協調にも資するはずである。この点において、我々は、G7サイバー専門家グループ(G7CEG)が2024年4月16日及び17日に実施したクロスボーダー協調演習が成功裏に完了したことを歓迎し、G7CEGに対し、金融セクターのサイバー脅威への備え及び対応能力を向上するための作業をさらに推進することを求める。
12 我々は、G7メンバーとして、安全性、強靱性、金融の健全性を保ちつつ、より迅速で、安価で、透明性のある、包摂的なクロスボーダー送金に貢献するための、クロスボーダー送金の改善に向けたG20ロードマップを推進するイニシアティブを歓迎する。クロスボーダー送金の改善は、先進国と新興市場国・開発途上国(EMDEs)の双方の利益となり、金融統合に貢献し、市場の分断リスクへの対抗策となる。技術やデザインの観点及び公的・民間セクターの関与の度合いの異なる、決済システムのインフラや仕組みを改善するための様々な技術的解決策が現れてきている。G7は、新規及び既存のクロスボーダー送金システム間の相互運用性を可能にする責任あるイノベーションを支持する。我々は、こうした解決策は、適切な透明性や法の支配、適正な経済的ガバナンスを含む、国際通貨金融システムに関する広く共有された価値を取り入れるべきであることを強調する。また、こうした解決策は、民間セクターの競争とイノベーションのための公平な競争条件を支持するとともに、「金融市場インフラのための原則」や、マネーロンダリングやテロ資金供与、大量破壊兵器の拡散に対する資金供与への対処に関するFATF基準といった、関連する国際基準の遵守を支持するべきである。従って、我々は、こうした解決策を模索及び促進するための更なる議論に期待するとともに、即時送金システムが発展し、勢いを増し続けているため、適切な場合には即時送金システム間の接続に向けて前進しつつ、即時送金システムの開発のための技術支援や能力開発を支援することを目指す。我々はまた、G7及びその他の国々、特にG20ロードマップを通じたEMDEsとの国際協調に対する我々の支持を再確認する。この文脈において、我々は、即時送金システムのインターリンクのガバナンス及びオーバーサイトに関する報告書を含め、CPMIによる進行中の作業を強く支持するとともに、クロスボーダー送金に関連するデータ枠組の違いから生じる課題を軽減させるためのFSB勧告に期待する。これらは、G20ロードマップの下で定量目標を達成するために重要な作業である。
13 決済システムの安全性、効率性及び健全性は重要な基盤である。我々は、政策ガイダンスと能力開発に対するEMDEsからの需要の高まりに照らし、EMDEsが、その他の決済イノベーションを踏まえたCBDCの潜在的なリスクやコスト及び利点を考慮する手助けとなる、「CBDCハンドブック」に関するIMFの作業を歓迎する。我々は、最新の知見を組み入れるため、IMFがハンドブックの章の作成とアップデートを継続することを奨励する。
14 我々は、マネーロンダリング・テロ資金供与・拡散金融と闘うためのグローバルな取組を強化することの重要性及び次期相互審査も含め、グローバルネットワークに渡るFATF基準の実施を監視することにおけるFATFとその地域体を支援するとの我々のコミットメントを再確認する。我々はまた、実施状況一覧表の最近の公表を含む、暗号資産に関するその基準のグローバルな実施を加速するためのFATFによるイニシアティブ、並びに、DeFi及び個人間で行われる取引(P2P取引)から生じるものを含め、新たなリスクに関する作業を支持する。我々は、暗号資産に関するG20ロードマップへの支持、並びに、FSBの勧告及びSSBsにより確立された基準及びガイダンスと整合的な形で実効的な規制監督上の枠組を実施するとのコミットメントを再確認する。加えて、我々は、法人及び法的取極めの実質的支配者の透明性及び財産回復に関する改訂されたFATF基準を適時かつ効果的に実施することにコミットする。我々はまた、個人及び中小零細企業(MSMEs)の金融包摂を推進するための作業に関し、G20金融包摂のためのグローバル・パートナーシップを支持する。
人工知能
15 我々は、我々の経済社会に対するAIの潜在的に変革的な役割を認識する。AIは生産性向上の新たな機会を提供するが、特に労働市場と金融安定に対して、例えばハーディング現象や外生的な金融ショックの頻度の増加の可能性といった新たなリスクと政策課題をもたらす。我々は、AIの経済的な潜在力や、人間中心のアプローチを維持し、ウェルビーイングを向上させつつ、生産性と成長の向上にAIをどのように活用するかについての議論を進める。AIはまた、公共サービスの質、行政機関の効率性、及び租税徴収の有効性と公平性を向上させる新たな機会を提供する。我々は、悪影響とリスクを注意深く監視して緩和しつつ、AIの潜在力をどのように活用するかについてのG7の共通見解を築くために、財務省及び中央銀行間で経験を共有していく。我々は、以下の共通の政策アジェンダ、すなわち、マクロ経済への影響とシナリオ、測定上の課題、財政政策と金融安定への影響、労働力に求められる技術への影響、環境の持続可能性に焦点を当てつつ、どのようにAIが経済や金融セクターに影響し、どのように我々の機関がAIに対処することを確保するかについて、我々の理解を深めるため、作業を継続する。
16. 更に、我々は、AIが、保健、教育、農業などの重要セクターにおいて、発展途上国を含め、社会的・経済的進歩のための重要な機会をもたらすことを認識する。しかしながら、我々はまた、競争・分配・労働代替への影響に対し、適切な対応がなされない場合や、特にAIの利用を可能とする条件が満たされない場合において、国家間の更なる格差をもたらすリスクがあることも認識する。我々は、これらの議論を継続することにコミットしており、また、国際金融機関が、彼らのマンデートの範囲内で、AIの導入がマクロ経済に与える影響を評価するとともに、発展途上国がリスクを緩和しつつAIによる機会を活用することを支援するために、これらの課題に対する作業を継続することを要請する。
保健及び財務
17 我々は、グローバル・ヘルス・アーキテクチャー(GHA)のガバナンス及びファイナンスの強化に対する強いコミットメントを再確認する。この点に関し、我々は、国連2030アジェンダの目標に沿ったユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向けた、負担可能性の向上、地域的範囲の拡充、サービス範囲の拡大といった世界銀行による野心的な計画及び新たな焦点を歓迎するとともに、最近発表されたUHCナレッジハブの設立を歓迎する。我々は、パンデミックへの予防、備え、対応(PPR)や国内の保健システム強化への焦点を含め、他のグローバルヘルス・イニシアティブ(GHIs)との取組における相互協力と協調を強く奨励する。Gaviワクチン・アライアンス、世界保健機関(WHO)及び世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)などの複数のGHIsの今後の資金補充プロセスに関連し、我々はドナーコミュニティに対して、持続可能な資金を確保し、利用可能な資源の効果を最大化するため、彼らの能力に沿って、取組を調整し、投資を拡大するよう求める。我々はパンデミック基金への支援を改めて表明し、そのドナー層の拡大及び更なる貢献を奨励する。
18 我々は、昨年の「財務・保健の連携強化及びPPRファイナンスに関するG7共通理解」以降における、Gaviのデイゼロ・パンデミックファイナンシングファシリティや、危機対応ツールキットの拡張を含む改革アジェンダの一環での世界銀行グループのパンデミックへの備えへの注力など、連携を強化し、資金の迅速かつ効率的な供給を可能にする新たな資金支援の手段の開発を含む、対応資金に関する進展を歓迎する。我々は、G20財務・保健合同タスクフォース(JFHTF)と緊密に連携し、残された機能ギャップに対処するための対応資金の革新的なメカニズムに関する検討を継続することに引き続きコミットする。我々はまた、参加するG7の開発金融機関と欧州投資銀行及び国際金融公社による、低・中所得国における、安全で有効な、質が高く負担可能な感染症危機対応医薬品等(MCMs)の調達、生産及びデリバリーのためのサージ・ファイナンスを効果的に提供するためのパートナーシップ・フレームワークの設立に関する、協調した取組を歓迎する。我々は、これらすべてのイニシアティブが複数の国に対して共同でMCMsの調達を支援できることを確保するためのさらなる取組を奨励する。
19 我々は、IMF、世界銀行、WHO間の協調枠組が最終化に近いことを認識し、そのプロセスの妥結及び強靱性・持続可能性トラスト(RST)のパンデミックへの備えに関するコンポーネントの迅速な稼働を求める。我々はまた、今年9月の薬剤耐性(AMR)に関する国連総会ハイレベル会合の成果を考慮しつつ、国内及び国際レベルでAMRに取り組み、プッシュ型及びプル型のインセンティブを通じた新しい抗菌薬及びその使用にかかる代替品を含む研究を促進するための手段について議論を継続する。
グリーンな移行
20 我々は、ネットゼロ経済に向けたグローバルな移行の道を開くこと及びその目的を達成するために必要とされる相当な官民投資を動員する効果的な政策枠組の実施に対するコミットメントを再確認する。我々は不整合な政策による負の波及効果を最小化するための国際協力の重要性を認識する。我々は、公正な移行のための国の政策の組合せは、グリーン技術へのイノベーション、資金供給、投資を促し、公平性への配慮を反映し、気候行動のための社会的・政治的支援を促進する方法で設計されるべきであることに合意する。
21 これらの目的を念頭に、我々は、財務トラックにより、また、IMF、世界銀行グループ、OECDの分析的な支援に基づき策定された財務トラックの「ネットゼロに向けた公正な移行のための政策オプションのメニュー」を歓迎する。これは、(i)気候政策やグリーン投資の成長、生産性、及びイノベーションへの影響、(ii)短期的な移行のコストに対処しつつ、長期的な脱炭素化を追求する際の数ある政策オプションの中で、カーボンプライシングの可能性の模索、(iii)気候政策が与える分配面への影響、(iv)気候行動の正当性及び政治的な受容性を促進する方法、(v)カーボンリーケージリスクの評価及び測定の向上、それらを緩和する方法を含む国際協力の促進、という5つの主要な側面に焦点を当てている。我々はまた、炭素集約度測定に関する国際協力を促進するOECDの炭素緩和アプローチに関する包摂的フォーラム(IFCMA)の作業への支持を再確認する。
22 我々は、金融セクター及び実体経済両方における移行計画の更なる一貫性及び透明性、並びに、公的及び民間セクター両方に係る信頼性のある移行の道筋に関する情報を提供できる、先を見据えた指標等を通じて、強固で科学に基づく移行関連情報の入手可能性、比較可能性、及び信頼性を強化することの恩恵を強調する。我々は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)基準のサステナビリティに関する報告基準及び気候関連開示基準を歓迎し、グローバルに相互運用性のあるサステナビリティ開示枠組に向けて取り組むことの重要性を強調する。
23 G7の中央銀行は、モデル専門家のネットワークを活用し、また、気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)やその他の国際機関と協力しながら、各固有のマンデートに関連する、気候変動とネットゼロのマクロ金融への影響について、インフレや経済活動への短期及び長期の影響や、国境を越えた影響及び潜在的な波及効果を含め、引き続き理解を深める。
24 気候変動は、より頻繁で、深刻で、予測不能な自然災害を通じて、我々の経済・金融システムの強靱性を試している。自然災害の保険の補償ギャップを縮小するためには、リスク低減及び予防のインセンティブを与えること並びにリスク意識及び金融リテラシーを向上させることを含む幅広い分野において、あらゆるレベルの政府主体、規制当局、保険監督当局、保険会社及び再保険会社を含む複数の関係者間の協働の取組が必要である。保険の対象範囲を増大させる実現可能な施策のうち、マルチステークホルダーの協働は、官民の資金調達と並んで、関連する情報及びデータの共有並びにリスク共有を含む、官民の自然災害保険スキームの形を取り得る。そのようなプログラムの開発を検討するとき、政策立案者、規制当局及び保険監督当局を支えるため、我々は、OECD及び保険監督者国際機構と共に財務トラックによって策定された、自然災害に対する官民保険プログラムのためのハイレベル枠組を歓迎する。我々はまた、脆弱国及び新興市場の固有のニーズへの焦点を当てているものを含む、地域的な災害リスクファイナンスイニシアティブを促進する重要性を強調する。
国際租税協力
25 我々は、21世紀にふさわしい、より安定的で公正な国際課税制度を確立するため、我々の強い政治的コミットメントを再確認する。二本の柱の解決策の実施は我々の最優先事項であり、2024年6月末までに第一の柱の多数国間条約の署名を行うため、我々はOECD/G20「包摂的枠組み」における作業の最終化に対して引き続きコミットしている。我々は、「包摂的枠組み」の全ての加盟国・地域に対し、この目標に向けてあらゆる努力をするよう求める。
26 我々は、国内法制において第二の柱を実施している、あるいは実施し始めた法域が増加していることを歓迎し、一貫性のある実施を確保するために、進行中の作業を支持する。我々は、本年後半の租税条約上の最低課税ルールの実施のための多数国間協定の署名式に期待する。
27 我々は、税の透明性に関する進捗を歓迎するとともに、関連する法域が、2027年又は遅くとも2028年までに最初の交換を開始することを目指し、暗号資産等報告枠組を効果的に実施することを支持する。我々は、OECD「21世紀の税務協力に関する2024年進捗報告書」を歓迎し、執行面の協力の更なる強化、及び税を目的とする情報交換の継続のために実現可能な方法に期待する。
28 我々は、いくつかのフォーラムでの議論に留意しつつ、既存の成果に基づいて、途上国及び先進国の幅広い参加を得ながら、税の問題に関する国際協力を促進することに引き続きコミットしている。我々は、国際租税協力を推進するため、G20議長国ブラジルに引き続き建設的に協力する。我々は、個人への累進的かつ公平な課税に向けてより一層の努力を行う。
29 国際租税協力に関する国連枠組条約のための基本的事項を策定するための国連臨時委員会における議論に関し、我々は、(i)安定的かつ予測可能な国際課税制度を支援し、包摂的かつ効果的な国際課税協力を促進するため、コンセンサスに基づく意思決定を行うこと、(ii)よりコンセンサスに達しやすい課題を優先すること、(iii)ニーズのある国のため、国内資金動員及び税に関する能力構築の促進に注力することについて、重要性を再確認する。
国際開発金融機関と低所得国支援
30 我々は、最も喫緊の開発及び地球規模課題に対処するため、国際開発金融機関(MDBs)を進化させ、強化するという我々の確固たるコミットメントを再確認する。我々は、より良く、より大きく、より効果的なMDBsを達成するというG20首脳のコミットメントに沿った更なるG20の議論を歓迎し、改革アジェンダをこれらの議論の重要な構成項目として考慮する。
31 より良く、より効果的な側面では、我々はカントリー・プラットフォームを通じたものを含め、MDBsに一つのシステムとしてより良く機能し、各々の比較優位を活用し、開発効果を最大化するためにより良く協調することを奨励する。我々はまた、特に民間投資に関する制約を撤廃するために、政策、制度及び規制の改革の設計と実施の調整によるものも含む、具体的で測定可能なインパクトのために調整された政策連動融資の利用に関するG20勧告の実施を進めることを求める。さらに我々は、野心的な動員目標の設定、職員のインセンティブの調整、及び透明性のある報告を通じた、民間資金動員のための取組を強化すること並びに国内資金動員を強化することをMDBsに求める。
32 より大きいMDBsでは、我々は、G20によるMDBsの自己資本の十分性に関する枠組(CAF)の独立レビューが、今後10年間の追加的な資金見込みとして既に2,000億米ドル以上を確保したことを歓迎し、追加的な多額の資金を解放するための更なるCAF提言の実施に期待する。さらに、MDBsの融資能力の増加や、ハイブリッド資本やポートフォリオ保証といったG7や他のドナーが既に支援を示した革新的金融手法の設計においてCAFレビューが果たしてきて、今後も果たしていくであろう重要な役割を強調する。各国内で承認されれば、これらの手法に対するG7のコミットメントは今後10年間でIBRDの融資を合計で約680億米ドルさらに拡大することを可能とする。我々はまた、AfDBが市場の投資家に対する初のハイブリッド資本の発行を成功させたことを称賛する。我々は、継続的かつ野心的なCAF提言の実施を求め、MDBsが、長期的な財務の持続可能性や優れた信用格付、優先的に弁済を受ける地位を保護しつつ、更にバランスシートを責任をもって拡大し、革新的手法を追求するとともに、信用格付け機関との更なる協議等を通じて、自己資本の十分性に関する評価手法に、請求払資本の価値をより適切に反映させる方法をMDBsが共同で模索することを期待する。G20のCAF実施は将来のいかなる資金注入のレバレッジ効果をも最大化することを認識し、地球規模及び開発の課題に対処するために、CAF措置に加えて増資が必要かどうか、またいつ必要かを決定するうえで、各MDBの理事会が最も適切な立場にあることを考慮する。また、MDBsの理事会とマネジメントは、経営資源と出資国の戦略目標との整合性を定期的に評価するプロセスの確立を検討することができる。
33 我々は、欧州復興開発銀行(EBRD)と米州投資公社(IDBInvest)における一般増資と関連する政策コミットメントを歓迎し、AfDBにおける請求払資本の一般増資に期待する。
34 我々は、低所得国に対し多額の譲許的支援を継続することの重要性を再確認する。我々は、MDBsに対し、予防への投資、紛争時の関与の継続、現地の民間セクター及び金融市場の開発、脆弱性に対処するための制度的・人的能力及びインセンティブの強化並びに地域組織とのものを含む戦略的パートナーシップの活用により、脆弱性、紛争及び暴力により良く対処することを求める。
35 我々は、アジア開発基金(AsDF14)の増資の成功を歓迎し、野心的な成果をもたらす強力な政策・資金パッケージに基づいた国際開発協会(IDA21)増資の成功を支持する。我々はまた、アフリカ開発基金の中間見直しに関する有意義な議論に期待し、来年の増資(AfDF17)の成功に向けて取り組むことにコミットする。我々は、全てのステークホルダーからの貢献が必要であることを認識し、ドナーの基盤を拡大するための努力を支援する。
36 我々はまた、インパクトを強化するためのグローバルな金融機関のガバナンスを検証することへの要請を認識する。我々は、その方向における最近の進展を強調し、システム全体における適切な役割と責任についての議論を歓迎する。
37 我々は、進行中の国際的な環境及び気候基金に関するG20の独立レビューを支持し、それらのプロセスを簡素化し、気候変動に対して最も脆弱な国々によるこれらの資金へのアクセスを促進し、MDBsとのより良い協働を含め、ドナーの資金のレバレッジを高め、民間資本の動員を増加させるためのその後の提言に期待する。
38 我々は、低・中所得国における債務問題に対処する取組を強化する用意がある。我々は、予測可能で、適時に、秩序立ち、かつ連携した方法で、債務措置に係る「共通枠組」の実施を改善し、得られた教訓を踏まえ、債務者及び債権者に更なる明確性を与えることをG20に期待する。我々は、ザンビアに対する公的債権者による覚書の履行と、ザンビアと全ての民間債権者との最終的な取極めを期待する。我々は、ガーナの覚書の合意を期待し、エチオピアとIMFとの間の事務レベルの合意の最終化を奨励する。「共通枠組」の他、我々は、公的債権国会合によるスリランカに対する債務措置に関する覚書の最終化に向けて作業が前進したことを歓迎する。スリランカのケースを基礎として、中所得国の債務脆弱性を多国間の協調を強化することによって対処していくべきである。我々は、債務再編における情報共有の重要性を強調し、全てのステークホルダーに対し、信頼できかつ効果的な分析を確保するため、債務データの正確性と透明性を向上させるよう求めるとともに、全ての主要債権者によるデータ共有の取組への参加を呼びかける。我々は、公的二国間債権者と民間債権者間の措置の同等性の原則を適用するための取組を奨励する。
39 我々はまた、IMF/MDB支援パッケージに関連して多国間協調を促進することにより、債務破綻に陥るリスクを軽減しつつ、資金調達の課題に対処し、持続可能な開発目標に向けた進捗を促進することを目的として、低所得国及び脆弱な中所得国の強靱性を強化するための選択肢を検討する。国内資金動員を改善し、既存の資金調達手段を強化し、必要な場合には債権者の協調を活性化する努力を含む多次元的なアプローチは、IMFと世界銀行によって支援され、G20によって更に議論されうる。
40 我々は、私的シンジケートローンへの多数決条項の組込みの重要性を再確認する。我々は、「気候変動に対する強じん性を取り入れた借入条項(CRDC)」の進展を歓迎し、より多くの債権者が融資・債権契約にCRDCを組み込むことを奨励する。我々は、公的債務にかかるグローバルラウンドテーブルがその取組を継続し、全ての当事者間の建設的かつ包括的な対話を促進することを奨励する。
41 我々は、グローバル金融セーフティ・ネットの中心に位置する、強固で、クォータを基礎とし、かつ、十分な資金基盤を有するIMFと、世界的なマクロ経済や金融の安定を促し、加盟国が持続可能で包摂的な成長を達成するのを助ける、その触媒的役割への我々のコミットメントを想起する。我々は、我々の貧困削減・成長トラスト(PRGT)への貢献を通じたものを含め、最も脆弱な人々に対するIMFのコミットメントを強く支持する。我々は、全ての貢献可能なIMF加盟国、特にまだ貢献していない加盟国に対して、資金支援の提供を検討することの要請を再確認する。我々は、PRGTの包括的かつ適時の見直しに期待し、また、PRGTの長期的な財務の自立的な持続可能性を確保し、増大する低所得国のニーズを満たすことに資する、内部資金の活用を含む、全ての実現可能な選択肢について議論する用意がある。我々は、RSTの中間見直しを歓迎し、気候変動やパンデミックに対する強靱性に焦点を当てていることを歓迎する。我々は、サブサハラ・アフリカの発言権と代表性を強化するため、サブサハラ・アフリカのため、IMF理事会に25番目の理事を設けることを支持する。
42 我々は、途上国、特に低所得国が税制及び税務執行能力を強化し、持続可能な開発目標に向けて進展できるよう、必要な支援を提供することに引き続きコミットしている。我々は、途上国にとって、2本の柱の迅速な実施が重要であることを強調する。我々は、相乗効果を引き出し、「税に関する協働のためのプラットフォーム」及び「国境なき税務調査官」などの既存のイニシアティブを強化するために、国際機関や地域機関と引き続き協力する。
アフリカにおけるワクチン製造アクセラレータに焦点を当てた開発のためのイニシアティブ
43 我々は、輸入に対する高い依存が必須医薬品及びワクチンの入手可能性及びアクセスに負の影響を与えることを認識し、製造及び供給能力について特有の課題に直面しているアフリカにおける、医薬品に関するバリューチェーン全体の持続可能なエコシステムの構築を支持する。持続可能な製造能力の開発は、UHCへの公平なアクセスに向けて前進し、パンデミックPPRを強化するための鍵である。我々は、医薬品製造能力強化に向けたアフリカのパートナーのリーダーシップと取組を称賛し、チーム・ヨーロッパ・イニシアティブなどを通じて、持続可能な地域の産業の発展を支援することに引き続きコミットする。我々は、調整を改善し、将来の行動の優先事項を設定するための重要なステップとして、アフリカ諸国における医薬品製造能力を強化するためのG7の取組に関する情報を収集する、議長国イタリアの意向を支持する。我々はまた、G7保健大臣会合やその他のフォーラムにおいて議論されているイニシアティブとの相乗効果や補完性を検討し、関連するものを支援する。
44 持続可能なワクチン開発と製造のエコシステムを確立し、現地の需要と現地の生産との間のギャップを埋めるというアフリカのパートナーの要求に対応するため、2022年のG7ドイツ議長国下で開始された、Gaviのアフリカにおけるワクチン製造アクセラレーター(AVMA)を支援することに更にコミットした。我々は、アフリカの機関や政府、及びその他の開発パートナーの取組に対する、AVMAの相乗的な役割と補完性を強調する。これは、アフリカにおける地域生産の取組を支援するための更なる投資と政治的コミットメントを促進することを助ける。
強靱で包摂的なサプライチェーンの強化に向けたパートナーシップ
45 我々は、アフリカ大陸を含む途上国におけるグリーンエネルギーへの移行を支援することの重要性を再確認する。我々は、低・中所得国がクリーンエネルギー製品のバリューチェーンにおいて、より強力な役割を果たせるよう支援する。多様化と強靱性の向上は、世界的な気候目標を達成し、持続可能な発展を促進するために有益である。この目的のため、我々は、強靱で包摂的なサプライチェーンの強化(RISE)に向けたパートナーシップにおける進展を奨励する。特に、我々は、ザンビア、コンゴ民主共和国、ブルンジ、マラウイを含む国々における、クリーンエネルギーのバリューチェーン構築の機会と課題を特定した現在の分析作業と、投資環境を整備するための技術支援をまとめたロードマップがザンビアとの間で策定されたことを歓迎する。したがって、我々は、世界銀行グループに対し、この世界的なイニシアティブ*1*のさらなる実施を求めるとともに、本年末までのアフリカでの現地情報プラットフォームの立上げを期待する。
アフリカのグリーンインフラストラクチャーアライアンス
46 AfDBは、アフリカ連合、アフリカ50及びその他の開発パートナーと連携して、革新的な金融メカニズムとして、アフリカ大陸における革新的なグリーンインフラプロジェクトに対し、100億米ドルの融資可能なポートフォリオを設計・開発するためのブレンディッド資本を動員することを目的とした、アフリカのグリーンインフラストラクチャーアライアンス(AGIA)を支持する。その目標は、エネルギー転換を加速し、長年のインフラギャップを埋め、気候への強靱性を促進することである。我々は、G7として、AGIAに対し、最大で1億5,000万米ドルのグラント、譲許的資本、及び商業資本を共同で貢献し、アフリカにおけるグリーンインフラへの民間セクターの投資として最大約30億米ドルのレバレッジを支援することを期待する。
ウェルビーイングフォーラム
47 我々は、2024年11月4~6日にイタリア・ローマにて開催される第7回OECDウェルビーイング世界フォーラムに期待する。フォーラムは、日本議長国下の成果を踏まえ、エビデンスと適正なデータの計測・分析に基づき、ウェルビーイング、持続可能性、不平等の是正を進める政策の採用を国際的に促進することを目的とする。ローマのイベントでは、G7財務トラックのプライオリティに沿って、特に気候変動とAIのウェルビーイングに与える影響に焦点を当てる。
{*1* インドにてパイロット版現地情報プラットフォームを立上げ済み。}