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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] G7財務大臣・中央銀行総裁声明

[場所] カナダ,バンフ
[年月日] 2025年5月22日
[出典] 財務省
[備考] 仮訳
[全文] 

G7 財務大臣・中央銀行総裁声明(仮訳)

(2025年5月20-22日 於:加・バンフ)

1. 我々、G7財務大臣・中央銀行総裁は、2025年5月20-22日に、カナダ・バンフにて、国際通貨基金(IMF)、世界銀行グループ(WBG)、経済協力開発機構(OECD)、金融安定理事会(FSB)の長とともに会合した。我々はまた、ウクライナのセルゲイ・マルチェンコ財務大臣ならびに金融活動作業部会(FATF)議長について、会合の一部への参加を得た。

2. 我々はまず、G7への我々の共通のコミットメントを改めて表明する。50年間にわたり協働し、国家間の違いを乗り越え、世界の繁栄を促進してきたことを踏まえると、G7の価値は明確である。我々は、現在の世界経済・金融の状況や、我々の国々に共通するリスクや機会、そしてそれらに対処する方法について生産的で率直な意見交換を行った。この共同声明は、会議でのG7財務大臣・中央銀行総裁間の議論の成果を反映したものである。

世界経済

3. 複数の複雑な世界的課題に直面する中で、我々は、共通の政策目的の追求にコミットする。我々は、我々の共通の目標を進めるために、G7がその強力な経済関係を梃子とできることに同意する。国際機関は、我々の前回の会合において、貿易政策と経済政策の不確実性が高く、世界の成長の重荷となっていると指摘した。我々は、経済政策の不確実性はピーク時から低下したことを認識し、更なる進捗を達成するために協働していく。我々は、また、持続不可能な世界的なマクロ不均衡に対する懸念を共有した。

4. この観点から、我々はまた、潜在的な世界へのスピルオーバーを踏まえ、過度な不均衡に対処し、マクロのファンダメンタルズを強化する必要性を強調する。我々はIMFに対し、二国間ならびに多国間のサーベイランスにおいて、不均衡に関する分析を引き続き強化することを求める。我々は、国際協力を前進させ、繁栄をもたらすために、これからも互いに、また国際的なパートナーと関与し続ける。

5. 強固で持続可能な経済成長は、経済的繁栄の礎である。我々は、我々の経済安全保障および強靭性を支え、全ての市民がその成長から恩恵を受けられるような、均衡がとれた成長を志向するマクロ経済のポリシーミックスを協力して達成することにコミットする。我々は、金融市場がよく機能することにコミットする。我々は、不確実性の高まりが経済と金融安定に影響を及ぼし得ることを認識する。我々は、引き続きこれらの問題に関して監視し、緊密に協議を行う。我々の中央銀行は引き続き、それぞれのマンデートに沿って、物価の安定を確保することに強くコミットしている。我々は、2017年5月の為替相場についてのコミットメントを再確認する。

経済の強靱性と経済安全保障

6. 我々は、非市場的政策及び慣行(NMPPs)がどのように不均衡を悪化させ、過剰生産能力を助長し、他国の経済安全保障に影響を及ぼすかについて、共通理解の必要性を認識する。従前のコミットメントに基づき、また、首脳の指針に沿って、我々は、必要に応じて、NMPPsに対する監視に貢献し、それらが市場内で引き起こす歪みや、それらの世界へのスピルオーバーの評価を続ける。我々は、公平な競争条件の重要性と、同じルールに従わず透明性を欠いている国々によって引き起こされる損害に対処するための広く連携したアプローチをとることに合意する。

7. 我々は、国際機関に対して、データギャップに対処すること、そして、NMPPsとそれらの国内及び世界的な影響に対する我々の集団としての理解を深めることを求める。我々は、市場の集中及び国際的なサプライチェーンの強靱性に関する共同分析は、将来の作業に有用な分野となり得ることに同意する。この分析は、我々の基本的な産業・消費者構造により部分的に形成される、それぞれの政策アプローチに資するものである。適切かつ関連する場合には、我々は、G7以外のパートナーに関与していく。

8. 我々は、我々の経済に分散的な形で輸送される国際的な少額貨物の大幅な増加、及びこれが税関管理や関税及び租税の徴収インフラを圧倒し、悪用する可能性があると認識する。我々は、違法薬物取引、偽造品の輸入、商品の誤分類、税収の漏れ、国内小売業者にとっての不公平、大量の廃棄物が発生する可能性があると集団として認識する。我々は、少額貨物の輸入に関する制度がこれらのリスクに対処し得る方法を探求することにコミットする。

ウクライナ支援

9. 我々はロシアによるウクライナに対する継続した残酷な戦争を非難し、ウクライナの人々や経済の計り知れない強靱性を称賛する。ウクライナは重大な破壊に苦しんできた。G7は、ウクライナの公正で持続的な平和に向けて、自らの領土一体性及び生存する権利を守るウクライナ並びにウクライナの自由、主権及び独立への揺るぎない支持に引き続きコミットする。

10. 我々は、停戦を成し遂げるための進行中の取組を歓迎する。もし、そのような停戦に合意されなければ、我々は、更なる制裁の拡大といった圧力を最大化するための選択肢を含む、あらゆる可能な選択肢の追求を継続する。我々は、ロシアが侵略を止め、ウクライナに対して自らが生じさせた損害に対してロシアが支払を行うまで、それぞれの法制度と整合的に、我々の管轄下にあるロシアの国家が有する資産を、引き続き動かせないようにしておくことを再確認する。

11. 我々は、世界銀行グループが今後10年間で5,240億ドルのコストが必要となると見積もるウクライナの復旧・復興には、民間部門の動員が重要となることに合意する。我々は、二国間及び多数国間のイニシアティブを通じて、投資家の信頼醸成を支援することに共同してコミットする。このため、多数国間投資保証機関(MIGA)の「ウクライナ復興・経済支援(SURE)信託基金」を通じた継続的な支援に加え、我々は、ウクライナ・ドナー・プラットフォームを通じたものを含め、ウクライナ政府、国際金融機関(IFIs)、保険業界と協力し、ウクライナに課されている保険引受停止の早期解除に向けて取り組む。我々は、2025年7月10日~11日にローマで開催されるウクライナ復興会議を含め、ウクライナの早期復旧・復興促進を支援すべく引き続き連携していく。さらに、我々はウクライナとともに、ロシアの軍事機構に資金あるいは物品を供与したいかなる国や主体、また、そのような国のいかなる主体も、ウクライナの復興から利益を得ることのないようにウクライナと協働することに同意する。

長期的な成長と生産性の強化

12. 我々は、技術革新を加速し、生産性を向上させ、より大きな労働参加を促進する公共政策を追求することの重要性に合意する。高水準の公的債務および高まる財政圧力という環境下で、我々はまた、長期的な成長可能性を上げることが、財政の持続可能性へのリスクを管理し、賃金および生活水準を向上させるために重要であることに同意する。

13. 我々は、財政的に健全な方法で成長を促進する政策を追求するための最適な方法について議論し、知見を共有した。我々は、構造改革が強固で持続可能な経済成長の基礎作りに貢献すると合意する。我々は、個々の成長政策は、各国のニーズや状況に適応すべきことを認識する。我々は、安定的で予測可能なマクロ経済環境の維持が力強い成長と生産的な長期的投資にとって重要であることに合意する。

人工知能

14. 我々は、AIが生産性向上を高める見通しや、便益を実現するために必要となる政策について理解を深めた。我々は、AI主導の生産性向上をより良く定量化し、監視するために、OECDによって提供された枠組みを評価する。我々は、AIの導入が一層進むなかで、金融セクターにとってのAIの便益と、金融安定に対する潜在的なリスクをモニターし、評価する必要性を認識した。

金融セクターの課題

15. 我々は、強固で、強靭で安定した金融セクターにコミットしている。我々は、金融の安定及び規制上の課題に継続的に焦点を当てることが、金融システムの実効的な機能の確保のために引き続き不可欠であることを再確認する。我々は、FSB及び基準設定主体の重要な作業への支持に留意した。我々は、実体経済への資金供給においてますます重要な役割を果たすノンバンク金融仲介機関(NBFI)に焦点を当てた。NBFIの活動は、金融市場の効率性に貢献し得る一方で、グローバルな金融システムにリスクをもたらし得る。我々は、流動性ミスマッチ、レバレッジ、相互関連性から生じるものを含む、潜在的なリスクの要因について議論した。我々は、ノンバンクのデータの入手可能性、利用及び質を評価し、潜在的なリスクを監視及び評価するための知見とアプローチを共有する必要性について合意する。

16. クロスボーダー送金の改善は、世界中の市民と経済に広範な利益をもたらし得る。我々は、クロスボーダー送金の安全性、強靱性、金融の健全性を保ちつつ、より安価で、迅速で、透明性のある、アクセス可能なクロスボーダー送金を提供することに引き続きコミットする。これは、G20ロードマップの実施や、これらの目標を達成するために必要に応じ適切な将来の行動を支持することを含む。

17. サイバーリスクは、グローバルな金融システム及びそれを支える機関を混乱させるおそれがある。進展するサイバー脅威の状況に対処すべく、我々は、重大なサイバーインシデントが発生した際の我々の共有された対応能力及び手順をさらに強化するための行動を引き続きとっていく。我々は、G7サイバー専門家グループによる、AIがサイバーセキュリティにもたらすリスクと機会の評価に期待する。

18. 量子技術のグローバルな金融の状況への潜在的な影響は、ますます明らかになっている。我々の中央銀行は、如何にしてデータセキュリティや金融安定への潜在的なリスクを特定し、分類し、軽減し、経済の強靭性を促進するかを模索していく。

金融犯罪に対する行動要請

19. 我々は、マネーロンダリング、テロ資金供与、大量破壊兵器の拡散に対する資金供与を含む金融犯罪との闘い(AML/CFT/CPF)へのコミットメントを堅持する。我々は、金融活動作業部会(FATF)及びそのグローバルネットワークの更なる進捗と共同の取組を促進するため、「金融犯罪に対する行動要請」を支持する。世界の200を超える法域をまとめることを通じ、FATFは究極的な国際基準設定主体となっており、我々は、1989年のG7による設立以来金融犯罪と闘ってきたFATFのリーダーシップを歓迎する。

20. 犯罪者による金融システムへのアクセスや、摘発逃れをより困難にするために、我々は、AML/CFT/CPF枠組みと国際協力の強化を通じ、新たなリスクに関する最新情報の把握に努め、技術の役割を理解し、責任ある情報交換を深める。

21. 我々は、金融犯罪活動を、成長、発展、安定への障害と認識し、キャパシティの低い国の枠組強化に向けた取組みを支援する。我々は、国際社会がこの行動要請に参加し、金融犯罪への共同対応を強化することを奨励する。

途上国への支援

22. 我々は、世界銀行が主導する「強靭で包摂的なサプライチェーンの強化(RISE)」に向けたパートナーシップの実施継続へのコミットメントを再確認し、特にアフリカにおけるクリーンエネルギー製品のグローバルサプライチェーンへの低・中所得国のより良い統合に向けた進展を認識する。我々は、ザンビアの国別ロードマップの採択を歓迎する。我々は、世界銀行に対し、このイニシアティブをさらに推進するよう促し、アフリカでの最初の現地・地域情報プラットフォームの立上げを期待する。我々は、RISEの活動をラテンアメリカ・カリブ海地域に拡大し、重要鉱物サプライチェーンの全ての部分をより良く統合することを支持する。我々は、国際開発金融機関(MDBs)に対し、MDBs間および他の主要なステークホルダーとともに重要鉱物サプライチェーンにおける協働を強化するよう呼びかける。我々は、「G20アフリカとのコンパクト」のような、民間部門の発展を促進するG20のイニシアティブとの連携についても強調した。

23. 我々は、健康危機や自然災害を含む世界的な危機が、全ての経済に重要な課題をもたらしており、特に小規模な国々を含む脆弱な国家に深刻な影響を及ぼしていることを認識する。我々は、国内資金動員と同時に、「気候変動に対する強じん性を取り入れた借入条項(CRDC)」や、保険を含む、財政圧力を緩和するような備えと対応のためのツールの使用及び導入を促進することで、これらの国々に対する支援強化の重要性を再確認する。我々はIMF並びにMDBsに対し、危機の顕在化が生じることを減らすため、危機の予防への焦点を強化するよう奨励する。

24. 我々は、債務問題に直面する脆弱国に対する支援に取り組むことを国際社会に求める。我々は、予測可能で、適時に、秩序立ち、且つ連携した方法で、債務措置に係る「共通枠組」の実施を改善するG20の取組みに期待する。我々は、また、適正な経済ガバナンスと金融安定を支援するため、債務の透明性を推進することの重要性にも合意する。我々は、債務は持続可能である一方、短期的な流動性課題に直面する脆弱国に対する支援に取り組むことを国際社会に求める。我々は、債務データの入手可能性及び質を向上させるため、世界銀行とのデータ共有の取組を通じたものを含む、公的及び民間、全てのパートナーとの継続した取組の必要性を認識する。

25. 我々は、MDBsが、最も喫緊の地球規模課題に対処するため一つのシステムとして効果的に機能し、中核的なマンデートを遂行し、また、G20の「MDBの自己資本の十分性に関する枠組の独立レビュー」の勧告の実施を含め、資金の可能な限り効率的な使用の確保を目指す改革を通じ、より効果的で影響力のあるMDBsを実現するコミットメントを再確認する。我々は、MDBsに対し、新興市場及び開発途上国において、引き続き民間資金を動員する取組を強化すること、及び国内資金動員を促進することを求める。我々は、効率性、民間部門との競争性、透明性を促進する、質に基づく調達政策及び手続きの実施の重要性を強調する。



G7による「金融犯罪に対する行動要請」(仮訳)

G7財務大臣及び中央銀行総裁は、マネーロンダリング、テロ資金供与、大量破壊兵器の拡散に対する資金供与を含む金融犯罪との闘い(AML/CFT/CPF)へのコミットメントを堅持する。

1989年、G7は「銀行システム及び金融機関がマネーロンダリングの目的で利用されることを防止する」ため、金融活動作業部会(FATF)を設立し、同様の懸念を共有し金融犯罪に対する国際的な取組に進んで参加する多くの国や法域が間もなく加盟した。設立以来、FATFのマンデートと基準は、テロ資金供与及び大量破壊兵器の拡散に対する資金供与への対処を含むかたちで拡大してきた。マネーロンダリングの越境性、前提犯罪の悪質性、及び我々の経済の一体性は、不正資金対策に向けた共同アプローチを必要としている。2025年は、FATFの「40の勧告」が策定されてから35周年に当たる。これらの勧告はFATF加盟国により共同で策定され、FATFグローバルネットワークによる共同の取組を通じて、現在世界の200を超える法域で履行されている。

犯罪・安全保障・経済的繁栄の交点

カルテルを含む組織犯罪集団は、グローバルなマネーロンダリング対策の隙間を悪用し、麻薬取引(フェンタニルや合成オピオイドを含む)、詐欺、サイバー犯罪、人身取引など、年間数十億ドルもの不正収益を生む犯罪活動の利益を洗浄している。これらの犯罪は、我々のコミュニティに破壊的な影響を与えるだけでなく、法の支配を弱め、政府と経済の安定を揺るがそうとする広範な犯罪ネットワークへの利益の再投資を通じて、国家安全保障と経済の健全性にも影響を及ぼしている。

金融犯罪は、世界経済の成長にも悪影響を及ぼしている。国際通貨基金は、不正な資金が生産性を引き下げ、格差を拡大し、正当な投資を阻害し、有効な資源配分を妨げていると認識している。世界銀行は、金融犯罪が発展の障害であり、政治的不安定を引き起こし、民間資本を阻み、良好な統治や法の支配を弱め、政府や機関への信頼を全般的に蝕んでいると認識している。不正な資金はまた、世界中の多くの経済が歴史的に高い債務水準に直面している時に、切に必要な税収を奪っている。

世界銀行は、キャパシティの低い国における不正資金対策は、彼らの開発の優先事項において極めて重要であり、持続的な関与が必要と捉えている。開発途上国及びキャパシティの低い国におけるAML/CFT/CPF能力の強化は、金融包摂を促進し、国際的な組織犯罪集団による不正収益の洗浄やテロ資金供与の機会をさらに奪うことにつながる。この文脈において、技術的に適切で効果的なAML/CFT/CPF枠組みは、より安全なコミュニティ、我々の共通の安全保障、G7及び世界のより強固な経済に貢献する。

今後の取組

カナダ議長のもと、G7財務大臣及び中央銀行総裁は、1989年に開始した闘いを踏まえ、さらなる行動分野を特定した。本日我々は、グローバルな安全保障の強化、金融セクターの健全性の保護、及び経済成長と経済開発の促進に向けて、この「金融犯罪に対する行動要請」を支持する。

我々の枠組みの強化

・ 我々は、FATFの設立原則に改めてコミットするとともに、組織としても積極的に支援し続けていく。

 * FATFは、加盟国のAML/CFT/CPF体制の改善を促す、究極的なAML/CFT/CPF基準設定主体である。FATFの役割を国際的な不正資金対策の中心に維持することが不可欠である。

 * 我々は、FATFが、詳細かつ公平なピアレビューと継続的なリスク理解に資する調査を行う技術的主体であり続けることにコミットする。

・ 我々は、それぞれのAML/CFT/CPF体制の有効性を向上させることにコミットする。G7は模範を示さなければならない。

 * G7の金融システムは世界で最も相互に接続しており、不正な利益を洗浄しようとする悪意の行為者にとって魅力的な標的であり続けている。G7は、金融セクターへの犯罪収益の流入防止、マネーロンダリングの脅威の検知・阻止、犯罪者の制裁、不正な利益の剥奪における有効性を、国内の法的枠組みと整合的な方法で継続的に向上させていく。

 * シェルカンパニーは、犯罪者が犯罪収益を隠蔽し、大規模な脱税や制裁回避のような不正行為への参加を可能にしている。関係当局、特に法執行機関において、シェルカンパニーに関するマネーロンダリング、テロ資金供与、拡散金融を捜査・起訴するための十分なリソースとツールを確保することは、金融犯罪との闘いにおいて決定的に重要である。

 * 制裁を回避して軍民両用及び軍事技術を入手することは、国連安全保障理事会決議に違反し、グローバルな安全保障を損なう。我々は、対象を絞った金融制裁制度の実効性を高め、それが世界で最も効果的であることを確実にするようコミッ

国際協力の強化

・ 我々は、マネーロンダリング、テロ資金供与、及び拡散金融に関連する新たなリスクについて、調査及び共同タイポロジーと戦略的インテリジェンスの発展を通じて、常に最新の情報を把握する。

 * 我々は、北朝鮮によるものを含む暗号資産の窃取や詐欺が前例のない水準に達しているという深刻な懸念を表明する。これらの脅威及び犯罪者がその収益を洗浄するための手法は、より深く理解され、対処されなければならない。これは、意識啓発、予防強化、マネーロンダリング軽減のために必要であり、また、暗号資産における責任あるイノベーションを促進し、我々の管轄下において暗号資産の利用者を保護するためにも極めて重要である。我々は、サイバーセキュリティやAML/CFT/CPFからの観点を含め、暗号資産に関連する新たなリスクにおけるタイポロジー作業などの調査及び情報交換をさらに推進するとともに、必要な措置を講ずる。

 * 我々は、違法な行為者が、法域間における、制裁回避や拡散金融への対策に関するアプローチの差異を悪用し続けることを認識している。したがって、我々は、複雑な拡散金融や制裁回避スキームを防止し、また対抗することを目的として、関連する脅威、脆弱性、タイポロジーに係る最新かつ共通の理解を維持するための協働にコミットする。

・ 犯罪者による金融システムへのアクセスや摘発逃れを困難にするために、我々はサイロを打破し、国際的な責任ある情報交換を深めなければならない。

 * 悪意の行為者は、AML/CFT/CPF体制内及び体制間で存在するサイロを悪用して、その行動を隠蔽している。これに対し、我々は国内の法的枠組みと整合的に、国際的には各国の当局間、国内においては民間部門内及び官民部門間における、リスクベースで安全な情報共有を強化する。このような情報共有の促進は、詐欺が企業と市民に与える負の影響を軽減し、カルテルを含む国際的な組織犯罪集団による不正行為と闘うためのG7による取組を支援する。

 * 多くの金融機関はG7の市場で活動している。我々は、グループ全体を監督する規制当局間のより深い協力を促進する。我々は、AML/CFT/CPF監督がリスクベースで効果的であり、金融犯罪の防止に焦点を当てたものであることにコミットする。我々はまた、非遵守に対する罰則が比例的、抑止的、効果的であることを確保する。

成長と安定の障害となる金融犯罪への対処

・ 我々は、成長と経済発展の促進を目的とした、キャパシティの低い国におけるAML/CFT/CPF枠組み強化に向けた取組を支援する。

 * これは、二国間及び多国間の支援や協力を含む多様なチャネルを通じて達成され得る。この取組は、G7が他のFATF加盟国と共に、変化する地域的なリスクに遅れず、犯罪者から不正な利益をさらに剥奪するための財産回復を支援し、マネーロンダリングの機会を減らすことを確保する。

 * FATFとそのグローバルネットワークである9つのFATF型地域体(FSRBs)は、200を超える法域と20のオブザーバー国際機関をまとめ、金融犯罪との闘いの中心に存在する。我々は、次期相互審査を含む、世界におけるFATF基準の一貫した効果的な実施の監視においてFSRBsを支援することへのコミットメントを再確認する。

・ 我々は、リスクベースで比例的なAML/CFT/CPFの効果的な実施を支援することにコミットする。

 * 我々は、リスクベースのアプローチが、リスク評価の実施を促し、低リスクと高リスクのシナリオを特定するとともに、一定のシナリオにおいて関連リスクに比例した簡素なAML/CFT/CPFの実施により、経済発展と金融包摂を促進できると認識する。

 * 改訂されたFATF基準の実施により、我々は合法的な資金が正式な金融セクターを通じて継続的に流通することを促進し、意図せぬ結果を軽減しつつ経済発展と金融包摂を促進する。

・ 我々は、AML/CFT/CPFの実施における技術の役割を検討することにコミットする。

 * 我々は、不正資金の検知、報告、阻止をより効果的に行うための新たな技術の採用を促進する。これには、民間セクターとの連携を通じて、AML/CFT/CPF制度の効率性と有効性の向上に向け、(人工知能を含む)新技術がどのように活用され得るかについて理解することが含まれる。これは、データ保護と人権を確保しながら、それぞれの国内の法的枠組みと整合的かつリスクベースであるべきである。o我々は、暗号資産及び暗号資産交換業者(VASPs)に関するFATF基準のグローバルな実施を加速するためのFATFによるイニシアティブや、ステーブルコイン、個人間で行われる取引(P2P取引)、オフショアVASP及び分散型金融(DeFi)の悪用などから生じる新たなリスクに関するFATFの作業を引き続き支持する。

 * 我々は、決済のビジネスモデルやメッセージ規格の変化に対応し、送金を含むより迅速かつ安価な取引を可能にしつつ、より透明性があり、包摂的で、アクセス可能であり、安全かつ安心な決済システムを促進するため、クロスボーダー送金の透明性向上に関するFATF基準を強化する進行中の作業に貢献していく。この作業と整合的に、我々はまた、クロスボーダー送金の改善に向けたG20ロードマップを支持する。

最後に、我々は2026年のフランスG7議長国のもとで、すべてのFATFメンバーと協調しつつ、この取組をさらに推進し、この行動要請上の約束を実施するためにとった行動を報告することにコミットする。

我々は、すべての国がこの行動要請に参加することを奨励する。国際社会は、金融犯罪とその地域社会、安全保障、繁栄に与える影響への共同対応を強化することができ、また強化しなくてはならない。