[文書名] TICADフォローアップ・メカニズム
1.導入
・TICADⅢの際、複数のアフリカ首脳から「10年を迎えたTICADプロセスは、その一層の組織化が必要であり、恒常的な何らかのモニタリング機構が必要」との指摘があった。TICADプロセスのフォローアップに対しては高い期待が表明されている。
・TICADⅢにおける基調演説の中で、小泉総理(当時)は、「日本はTICADフォローアップ体制強化のための組織作りに着手する」と発言。その後、日本政府はTICADⅢで深めた議論をフォローアップするとの観点から、テーマ別の閣僚級会議を毎年開催。
・他方、TICADプロセスで決定・発表された文書・貢献策等は多岐にわたり、また多くのステークホルダーの関与を得ている。TICADプロセスが国際社会に与えるインパクトを具体的に考えるに当たって、きめ細やかなフォローアップが必要。
2.フォローアップ・メカニズム創設の意義
・各種関連イニシアティブの継続的な実施に貢献できること。
・TICADで推進する考え方や概念・具体的成果についてアフリカ諸国のみならず関係国・機関と開放的に議論を行うことが可能になること。
・TICADプロセスの透明性及びアカウンタビリティを向上させること。
3.モダリティ
上記を踏まえ、以下のとおり三層構造でTICADフォローアップ・メカニズムを立ち上げる。
(1)First Tier: 事務局機能
【当事者】
外務省(アフリカ審議官組織)
【目的・概要】
TICADプロセスの下での重点事項、とりわけTICADⅣのフォローアップにあっては横浜行動計画及び別表の実施状況に関し、関連政府機関と連携し情報収集・分析・広報活動を行うこと。
【活動内容】
・UNDPのTICAD関連ホームページと連携したウェブサイトを通じた情報発信。
・TICAD相談窓口を設け、市民社会との対話も可能にする。
・ADC(在京アフリカ外交団)は事務局を活用する。
(2)Second Tier: TICADプロセス・モニタリング合同委員会(日本で開催されることを想定)
【当事者】
アフリカ諸国(ADCのTICAD委員会メンバー諸国)、日本政府及び政府関係機関、TICAD共催者、AU委員会(含NEPAD事務局)、ドナー諸国、国際機関(在京大使館、駐日事務所)
【目的・概要】
年次進捗報告書をとりまとめること。ただし、(3)Third Tier: TICADフォローアップ会合の任務である報告書の検討・評価は行わないものとする。
【頻度】
原則年1回モニタリング合同委員会を開催(年次進捗報告書は年1回作成)
(3)Third Tier: TICADフォローアップ会合
【当事者】
日本政府(及び要すれば政府関係機関)、TICAD共催者、アフリカ諸国、AU委員会(含NEPAD事務局)、地域経済共同体(RECs)、ドナー諸国、国際機関等のTICAD参加者
【目的・概要】
テーマ別閣僚級会合を活用し、閣僚級(場合によっては高級事務レベル)で年次進捗報告書に基づいて進行中のTICAD関連活動について検討・評価するとともに、要すれば活動の加速化を提言する。
【頻度】
・原則、年1回TICADフォローアップ会合を開催。
(了)