データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] TICAD VIナイロビ実施計画

[場所] ナイロビ
[年月日] 2016年8月28日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

ピラー1:経済の多角化・産業化を通じた経済構造改革の促進

我々は、多角化と産業化による経済構造改革の促進には、幅広い分野における進捗が必要であることを認識する。これに従い、我々は、官民セクター及び関連機関に対し、以下をすすめるために、明確に定義された措置を取ることを奨励する。

1.経済の多角化・産業化

広域開発

1.1 ワン・ストップ・ボーダー・ポスト(OSBP)、貿易センターの構築やその他の関連する支援を通じて、効率的な税関手続や関係当局の能力強化等の貿易円滑化措置を促進する。

1.2 アフリカ連合及びアフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)の「アフリカ・インフラ開発プログラム」(PIDA)等によるアフリカ自身のイニシアティブの加速を促進する。

1.3 国際的な協働を通じて、質の高い研究、技術移転及びイノベーションを促進する。

フード・バリューチェーン(FVC)

1.4 現地情勢の分析とビジョンの策定、新たな品種、貯蔵と加工、物流、市場、サービス拡大と取引システムの確立のための研究と技術の活用を通して、フード・バリューチェーン(FVC)の開発を支援する。

1.5 小規模農家と漁業従事者のために、持続可能な市場志向型農業と漁業を促進する。

1.6 若者と女性を含む人材の能力強化を行い、官民連携を強化する。

1.7 鉱業及び農産物加工業の分野で、地域的及び国レベルの価値付加及びバリューチェーンを発展させるための戦略と行動計画に対する、資金的、技術的及びその他支援を通じて、アフリカの産業発展を促進する。

1.8 特に地方の女性農家に十分な利益をもたらす農業のバリューチェーンを拡大する新たな技術を活用することにより、地方のコミュニティ、特に女性と若者が農業のバリューチェーンから裨益するための支援を強める。

農業とブルーエコノミー/海洋経済

1.9 「包括的アフリカ農業開発プログラム」(CAADP)の過程に沿った農業生産、商業化及び生産性を増加する。

1.10 付加価値のある製品への市場アクセスの拡大と投資のインセンティブの提供のために、農業政策・戦略や投資計画、貿易・産業開発政策・戦略や投資計画、並びに関連する行動計画の整合性を強化するための対話を促進する。

1.11 海洋資源の持続可能な利用を強化し、港湾施設を開発し、海上交通を促進することにより、アフリカにおけるブルーエコノミー/海洋経済を促進する。

1.12 アグリビジネス支援機関を通じて、アグリビジネス投資を拡大し、強化する。

2.質の高いインフラ

2.1 アフリカの連結性強化のため、ライフサイクルコストの面で効率的であり、信頼でき、安全で、自然災害に対して強靱で、環境を害しない港湾、海の回廊、空港、鉄道、橋梁、幹線道路等の質の高いインフラ輸送を、最新のインフラ技術を活用の上構築し、管理する。

2.2 アフリカ開発銀行等の国際開発金融機関(MDBs)と連携した融資を行うことにより、質の高いインフラへの投資を拡充し推進する。

2.3 地熱や水力の再生可能エネルギーを含むアフリカにおける豊富なエネルギー源の活用に向けた投資を促進し、高効率の発電・送電・配電を実現するための低炭素技術を使用したエネルギー・インフラを更に開発する。

2.4 質の高い、安価で、効率的な技術の活用により、公共交通、食品物流システム、水・下水道設備、廃棄物管理、高スピードの電子的な通信等、人々の生活の改善と観光の促進の双方に貢献する、質の高い基盤整備を開発する。

2.5 情報格差を減らすために、電子通信網の大規模インフラを開発する。

3.民間セクターと人材育成

生産性と品質基準

3.1 生産性の向上、製造における基準の向上及び質の管理の確保により、労働者に対しカイゼン等の効率的な働き方を導入する。

ビジネス環境、貿易と投資

3.2 特別経済区(SEZ)開発、投資政策についての協力強化、アフリカの投資促進機関に対する能力構築、そして投資国におけるカウンターパートとの協力促進により、ビジネス環境を改善する。

3.3 既存産業の生産性と効率性の強化と、新たなビジネスチャンス及び雇用の創出のために、イノベーションとICTの発展を奨励する。

3.4 アフリカ開発銀行等の多国間の開発銀行との連携を含む融資の提供により、中小企業等を含むアフリカの民間セクター対する支援を拡大し、役割を向上させる。

3.5 国内規制の改善、規制機関の強化、より簡潔で安定した透明な規則と運営の確保、公平な競争の促進、及び貿易円滑化協定の締結に係わる各国の取組を強化する。

3.6 G7の複雑な契約の交渉支援強化(CONNEX)に係るイニシアティブ等の国際的な支援の活用を含め、アフリカの天然資源から公正な収入を確保するための複雑な契約交渉に向けた能力強化を促進する。

3.7 企業の社会的責任を育むため、市民社会組織と民間セクターとの協力体制を構築する。

人材開発

3.8 職業訓練と技術研修の提供、質の高い初等・中等教育や高等教育へのアクセスの改善等のイニシアティブを通じ、女性の起業家と研究者の育成を含め、科学、技術及び産業分野に焦点を当てた人材を育成する。

3.9 教育セクターにおける新たな情報通信に関する国の政策と戦略の活用とアクセスを促進し、定める。

官民連携

3.10 アフリカと先進国の官民双方が参加するハイレベル・ビジネス・フォーラムを開催する。

ピラー2:質の高い生活のための強靱な保健システム促進

我々は、質の高い生活及び公衆衛生上の緊急事態により良く備えるための強靱、包摂的、かつ持続可能な保健システムの重要性を再確認する。このため、我々は、政府、国際機関、民間セクター、市民社会組織がそれぞれの能力に応じ、「アフリカ保健戦略2016-2030」を十分に尊重し、国際保健のためのG7伊勢志摩ビジョンに完全に整合した形で、以下を支援するための具体的な措置を取ることを奨励する。

1.保健システムの強化

国際保健規則(IHR)に関するコア能力の構築

1.1 国家、地域、大陸レベルでサーベイランス及び研究所能力を強化し、また国のニーズやオーナーシップに基づき、コミュニティレベルでのサーベイランス能力を構築することにより、国際保健規則(IHR)の実施を促進する。

1.2 公衆衛生上の脅威の予防、検知、対応に関する国家の能力を評価するため、世界健康安全保障アジェンダ(GHSA)及びその他のパートナーと連携し、世界保健機関(WHO)の合同外部評価(JEE)を実施することを奨励する。

1.3 感染症の研究・制御に関する大陸及び地域の中核拠点としての役割を果たすこととなるアフリカ疾病予防管理センター(CDCs)の設立を加速化し、また、研究所を含む地域機関のネットワークを強化することによってパンデミックに対応し、より良く備え、予防するための能力を強化する。

ガバナンスと財政

1.4 保健専門家の能力構築のための組織計画含め、中央及び地方レベルにおいて、政策策定、ガバナンス、管理及び国家保健セクター戦略と保健プログラムの整合化のための組織能力を強化し、保健政策及びガバナンスにおいてジェンダー公平リーダーシップを確保する。

1.5 アフリカにおける保健セクターへの国内財政割当の増加による国内資金の効率的活用により、衡平かつ持続可能な保健財政の改革と公的資金管理を推進する。

1.6 保健情報管理の統合及び促進を支援する。

質の高い保健サービスと人材育成

1.7 保健システム運営のための能力を向上させ、「健康と生活様式」に対する公衆の認識を高めるため、地域及び地方当局やコミュニティに対し、疾病予防に関する研修を実施する。

1.8 「保健人材の世界戦略:保健労働力2030」及び国連事務総長の保健医療部門の雇用と経済成長に関するハイレベル委員会に整合した形で、国家、地方及びコミュニティレベルにおいて、保健サービス提供者を含む人材の教育、訓練、育成及び維持を強化する。

1.9 保健施設の質に関する基準を構築し、効率性と勤務環境を改善することにより、患者の安全を含む質の高い保健サービスを確保するための「カイゼン」アプローチを推進する。

1.10 安全な水と衛生へのアクセスを改善し、感染症の予防及び制御のための衛生に係る行動変容を促進する。

1.11 保健サービスにおけるICT活用の促進を含め、保健医療施設を整備し、特に農村部の保健サービスへのアクセスを改善する。

1.12 提供される保健サービスの質を確保するため、国家質改善プログラムの策定及び実施を支援する。

1.13 コミュニティの保健システムを強化するために、市民社会及びコミュニティを基盤とした組織の参画と能力構築を支援する

予防接種

1.14 Gaviワクチンアライアンス及びその他の関連の取り組みを通じたものを含め、命を救うワクチンの完全なパッケージによって全ての子どもたちを保護するため、予防接種の接種率と公平性の双方を向上させる。

1.15 保健サービス及び予防接種の提供の効果及び効率性を向上させるため、サプライチェーン及びコールドチェーンの改善を支援する。

様々な疾病への対策

1.16 アフリカにおいて障害及び早世の主要原因となっている癌を含む非感染性疾患(NCDs)の予防及び制御に関する対応措置を強化する。

1.17 2030年までに公衆衛生危機としてのエイズを優先的に(fast track)に終結させる一部として、人権に基づくジェンダー革新的なアプローチを通じて、少女や若い女性及び対策の鍵となりかつ脆弱なコミュニティーの間のHIV感染を予防・管理するための努力を支援する。

1.18 アフリカ大陸におけるポリオ撲滅に向けた努力を継続する。

1.19 特に結核及びHIV/エイズやアフリカの最近細菌性疾病及びその他の風土病に関する薬剤耐性(AMR)への対抗手段を強化するとともに、AMRへの認識を高める。

1.20 動物由来感染症を統制するための措置を強化する。

研究開発

1.21 国際的な共同研究の推進及び製薬産業を含む民間セクターが開発した先進的な技術の活用を通じ、感染症の予防、診断、治療を改善する。

1.22 グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)等の官民連携を通じ、顧みられない熱帯病(NTDs)、HIV、結核、マラリア及びアフリカで流行しているその他の感染症に対する薬に係る研究開発を推進する。

1.23 AMRを含む、マラリア、結核及びHIV/エイズを始めとする感染症の予防、診断及び治療を改善するため、国際的な機関との共同研究を促進する。

1.24 国際原子力機関(IAEA)による感染症及び非感染性疾患に対処するため原子力技術の平和的な応用事業を始めとする、保健を専門としない機関が国際保健向上に向け自らの専門性を適用する取組を支援する。

2.公衆衛生上の危機への対応

2.1 各国の健康危機リスクを管理する能力を強化するとともに、こうした取組を支援し、感染症の拡大を封じ込め、各国の能力を超える場合に効果的な緊急援助を提供するための国際的な緊急事態対応を主導し調整するための、WHO緊急事態対応改革を促進する。

2.2 十分かつ時宜を得た資金拠出によりパンデミック及びその他の公衆衛生上の緊急事態に対応するため、「ワンWHOアプローチ」を含むWHO改革、WHOの緊急対応基金(CFE)及び世界銀行グループが立ち上げたパンデミック緊急ファシリティ(PEF)への支援を通じ、グローバル・ヘルス・アーキテクチャーを強化し、資金調達メカニズムを支援する。

2.3 国連事務総長の下で、公衆衛生上の緊急事態におけるWHO、国連及び他の関係するパートナー間における連携のためのアレンジメントを検証し、強化し、及び公式化するためのWHO及び国連人道問題調整事務所(OCHA)による更なる取り組みを奨励する。

2.4 各国、国際機関及びNGOとの調整の強化を確保し、被災国の異なる状況やニーズを考慮しつつ、優れた資質を有する早期対応ミッションを派遣し、被災者に対し支援を提供する。

2.5 WHOと世界銀行の間の協調を含め、 パンデミックへの備え及び予防を強化するための関連するステークホルダーの間の協調を向上させる。

2.6 パンデミックに対する予防と備えの能力を強化する観点から、国際開発協会(IDA)を含む関係国際機関による更なる資金動員を奨励する。

3.ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)

3.1 UHCに向けた国家の政策決定、国家ロードマップの実施及び保健職員や保健人材の能力構築のため、保健分野借款や技術協力等の措置を通じ、アフリカ諸国における有能な保健分野の政策立案者及び管理者の数を増加することにより、UHCに関連する政策改革を支援し、関連する人材を育成する。

3.2 アフリカ諸国が各国のオーナーシップの下で国家のロードマップ及び具体的な行動を策定する上で有益な参考となる「UHC in Africa」イニシアティブを通じた関連国際機関及びドナーの支援により、アフリカにおけるUHC達成に向けた地域協力を促進する。

3.3 保健システムを支える国際的なインセンティブと国内のインセンティブの整合性を確保し、知識を結集し、優先されるサービスの提供のための説明責任を促進し、政治的モメンタムを構築し、かつUHCに向けた衡平かつ持続可能な進展を提唱するための「International Health Partnership for UHC2030」を支援する。

3.4 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)と協力し、予防、診断及び治療に関する包括的パッケージの推進を通じ、HIV・マラリア・結核の大規模感染症の撲滅を決意するとともに、グローバルファンドの2017-2022年戦略の厳密な実施及び第5次増資会合を支援し、各国のエイズ、結核及びマラリアへの対応の進捗に関するモニタリング及び報告を支援する。

3.5 UHCの達成に向けた保健システム強化のため、グローバルファンドの国別調整メカニズムを含め各国の連携メカニズムを促進する。

3.6 パートナー国や「エブリ・ウーマン、エブリ・チャイルド」を支援するグローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)等の国際プラットフォームと連携し、医療従事者の能力構築、女性及び女児の保健リテラシーの強化、家族計画へのアクセス改善、母子健康手帳等の使用促進を通じ、生殖の健康、妊産婦、新生児、子ども、若者の健康に関する一連の包括的なケアを促進する。

3.7 疾病、財政リスク、不平等及び不公正の負担を軽減するため、国家の文脈において健康の社会、環境及び経済的な決定要因に体系的に対処するアプローチを促進する。

4.栄養

4.1 食と栄養のアフリカ・イニシアチブ(IFNA)の促進により、より良いデータに焦点を当てたマルチ・ステークホルダー及び多分野の取組を通じてアフリカ諸国の栄養状態を向上させる。

4.2 栄養強化等の様々な措置及び二国間開発パートナー及び世界銀行を始めとした国際機関が支援する栄養スケールアップ(SUN)運動を含むイニシアチブを通じて、栄養不良に立ち向かうための取組を促進する。

4.3 栄養価の高い食物供給増加のためのビジネスモデルを開拓するため、SUNビジネスネットワーク及びその他のプラットフォームを通じて、栄養に関する官民連携を促進する。

4.4 栄養に関する国家目標の策定を促進し、保健や水を含む関連分野や関連計画における栄養の主流化を通じて多分野にわたる行動を確保する。

ピラー3:繁栄の共有のための社会安定化の促進

我々は、社会の安定なくして共に繁栄し前進することを達成及び維持することはできないと確認する。したがって、以下の個別的及び集団的支援措置を奨励する。

1.社会安定化と平和構築

1.1 特に紛争の影響を受けた女性、若者、移民、難民、避難民のような脆弱な状況にある人々に対し、教育、技術及び職業訓練、生計向上やボランティアの機会のためのものを含む人道支援及び開発支援を提供する

1.2 紛争中及び紛争後に起こる性的及びジェンダーに基づく暴力の多発の予防及び対応のための措置を支援する。

1.3 最も貧しい層にいる人々に焦点を当て、社会的セーフティネット、雇用創出及び社会保障を強化するための措置を実施及び拡大する。

1.4 セミナー、ワークショップ、スポーツ及びその他の文化活動等のコミュニティ行事を通じ時、対話、多様性の包摂及び社会的結束を促す。

1.5 個々人の教育や生計手段へのアクセスの基礎となるような、現地の道路、学校、ICT関連設備等の必要不可欠なインフラを開発する。

1.6 国立研究所の創設、職業訓練及び若者や女性の意思決定過程への参加促進等の措置により、若者の雇用や女性の起業家精神を促進する。

1.7 国家の一体性及び安全の確保の必要性と、移民の権利を守る必要性とを調和させる包括的なアプローチを通じて、効果的な国境管理を導入する。

1.8 紛争後の復興・開発(PCRD)に関するアフリカ連合の政策及びアフリカ連帯イニシアティブ(ASI)の実施により、また国連の平和構築活動を通じて、平和構築に向けた努力に貢献する。

1.9 PKO訓練センターを含む平和に関する地域機関及び国際機関の能力を強化し、平和維持活動に従事する人々に対する訓練を提供する。

2.テロと暴力的過激主義

2.1 政府関係者の研修、司法及び警察システムの強化、最先端の技術やICTを用いた国境管理能力の強化等の措置により、テロ、不法な取引及び腐敗に対抗するための国家及び地方政府の行政能力を強化する。

2.2 通常兵器の違法取引への対応を含む国境監視や国境安全の能力や、国境を越える違法取引を根絶するための輸出入管理の能力を強化する。

2.3 テロ、大量破壊兵器の拡散、組織犯罪等の問題に関する地域、大陸及び国際レベルにおける対話、情報交換及び協力を推進する。

2.4 アフリカの資源を巡るコミュニティの対立を防ぐため、平和の文化を推進し、脆弱性の根本原因に対処する。

2.5 暴力的過激主義の拡散の予防及び対抗を目的とした取組を支援するため、平和と安全に関する既存の女性のナショナル・プラットフォームや地域的なネットワークを活用及び強化する。

2.6 平和教育及び若者の脱過激化の促進並びに市民社会の紛争管理能力の構築に当たり、市民社会組織の関与を得る。

3.地球規模の課題と挑戦

気候変動と自然災害

3.1 人材育成や最新技術を使ったインフラの開発、ネットワークや組織の能力構築、早期警報システムの導入等を含む包括的な取組により、異常気象や気象現象、自然災害に関連した気候変動への強靱性を高める。

3.2 土壌の劣化を阻止・回復し、及び生物多様性の喪失を阻止するため、持続可能な森林の管理、統合された水資源管理、砂漠化への対処及び陸域生態系の持続可能な利用のための取組みを支援する。

3.3 防災能力強化のため、津波、地震、洪水、熱波や干ばつ等の自然災害に関連したリスクに関する国際共同研究と教育活動を促進する。

3.4 国家及び地域レベルの適応計画を策定し、実施するためのアフリカ諸国への支援を通じ、適応に向けた進展を促進する。

3.5 パリ協定の実施に向けた詳細な指針の策定に建設的に携わることにより、モロッコ王国で開催予定のCOP22(国連気候変動枠組条約第22回締約国会議)の成功を支援する。

3.6 若者への投資を増加することにより、人口ボーナスを活用するAUロードマップの実施を支援する。

食料安全保障

3.7 土壌の劣化の回復、灌漑農業や集水・貯水を活用した農業の導入、従来種及び新品種の開発及び普及、並びに自然災害、土壌の劣化及び気候変動に対する強靱性を備えた持続可能な生産等の措置を通じて、農林水産業における生産、生産性と強靱性を改善することにより、食料安全保障を推進する。

海洋安全保障

3.8 海賊や武装強盗に対する海上安全及び海洋安全保障を強化し、海上保安に携わる人々の能力構築により、海事法の遵守を強化する地域的、大陸的、国際的な取り組みを支援する。

国際法

3.9 アジア・アフリカ法律諮問委員会(AALCO)の活動の支援等により、能力構築及び情報共有を通じ、法の支配の重要性の認識、国際法の発展及び紛争の解決における平和的な手段の利用を促進する。

国連

3.10 国連の重要な役割、及び、特に安全保障理事会などの国連諸組織の改革が急務であることに鑑み、国連安保理改革に向けた最良のアプローチを見出すために対話を強化する。

3.11 効果的な輸出入の管理や違法な金融取引の監視による不拡散に関する国連安保理決議の厳格な遵守と履行のため、国家及び地方行政能力を強化する。

多分野にわたる課題に対する戦略

制度やグッドガバナンスの強化

1 アフリカン・ピア・レビュー・メカニズム(APRM)のプロセス強化やAPRM指標の開発への支援等を通じ、アフリカにおけるグッドガバナンス促進のための政府機関の強化を支援する。

2 汎アフリカ議会(PAP)の持つ、監督、勧告及び精査の権限に沿って、汎アフリカ議会を強化する支援を含む、アフリカにおけるグッドガバナンス促進のための制度の強化を支援する。

3 アジェンダ2063の最初の10年間の実施計画に明記されているとおり、アフリカの人間の安全保障インデックスの確立及び運用を支援する。

4 アフリカにおける法の支配についての説明責任を強化及び確保するための改革を支援する。