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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 横浜行動計画2019 横浜宣言2019の実施行動

[場所] 
[年月日] 2019年8月30日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

TICADはアフリカ開発に関する重要な課題を議論するプラットフォームであり,TICADのパートナーであるアフリカ連合(AU)加盟国,日本,共催者,その他開発パートナー,民間セクターや市民社会がアフリカの未来の発展のために一堂に会するプロセスである。

横浜宣言2019は,TICAD7のテーマである「アフリカに躍進を!ひと,技術,イノベーションで。」とすることを確認する。また,横浜宣言2019は,TICAD7の3つの柱であるi)「イノベーションと民間セクターの関与を通じた経済構造転換の促進及びビジネス環境の改善」,ii)「持続可能で強靱な社会の深化」,iii)「平和と安定の強化」を後押しするものである。これらの各柱について,横浜宣言2019では,これまでの成果をたたえるとともに,残る課題に光を当て,更なる発展のために継続的な連携と行動を促進する。

TICAD7で採択された横浜宣言2019の付属文書である横浜行動計画2019は,横浜宣言2019の3つの柱の重点分野を促進するため,TICADパートナーによって実施されることが期待される行動を記載したものである。横浜行動計画2019は,進化し続ける文書(evolving document)であり,TICAD7の後,TICADパートナーによって随時更新される。

横浜行動計画2019は,以下のAからEまでの内容で構成される。

A.重点分野

横浜宣言2019の各柱のもとに,重点分野とそれに関連するAUのフラグシップ・イニシアティブが記載される。

B.行動各重点分野について,例示的な行動が記載される。これらの行動は,各重点分野及びAUのフラグシップ・イニシアティブの発展に貢献し,それらが各柱の進展に貢献する。なお,これら行動は,包括的なものでも網羅的なものでもなく,今後多くの行動が追記されうるが,焦点を絞った戦略的な方法で追記されるべきである。

C.アクター

TICADの進捗は個々の,また,集団の行動に依拠するのであるから,全てのTICADパートナーが貢献者となり得,マトリックスにアクターとして追記可能である。最終的には,AU加盟国及びアフリカの諸機関と人々が最も重要なアクターであり,開発パートナーを含むその他のアクターはアフリカ側の取組を支援する。民間セクターについては,TICAD7に参加する民間企業が追記可能であり,またTICAD7への実際の参加・不参加に関わらずアフリカ諸国に複数の拠点を持つ民間企業も追記可能である。

D.取組/イニシアティブ

記載された行動が成功裏に実施されるためには幅広い取組やイニシアティブを要する。アクターはそれぞれの専門領域に従い,複数の国を対象に実施したい幅広い取組及びイニシアティブを記載することができるが,本マトリックスの管理の観点から,個別のプロジェクトや特定国を対象としたプログラムの記載は避け,むしろまとまった行動を記載することとする。ここには,取組/イニシアティブの名称,あるいはその概要を,包括的に記載する。

民間の案件については,CSR活動や特定国を対象としたプログラムを含め,B.欄の行動に資する全てのプロジェクトを含めることができる。

また,新規及び既存の取組/イニシアティブを記載することもできる。但し,全ての取組/イニシアティブは,各アクターの責任のもとで実施されることが確実であり,財源の裏付けがあるものに限られる。財源の見通しが未検討の取組/イニシアティブについては,原則,記載することはできない。

E.期待される成果

全てのTICADパートナーはそれぞれの専門領域において比較優位を利用して行動を実施する責任を負っており,同様に,進捗状況の報告とモニタリングについても責任を負う。各パートナーは,モニタリングシステムを通じ,どのような貢献を行ったかについて概略を記載するよう求められる。

いずれにせよ,TICADパートナーは、TICAD7の目的達成に向けてどのような進捗があったのかを明確にするよう,できる限り追記することが推奨される。

TICAD7では,マトリックスの書式及びA欄の重点分野及びB欄の行動のみが採択される。C欄のアクター,D欄の取組/イニシアティブ,及びE欄の期待される成果については,2019年8月30日時点では,共催者のみが記載したものである。

{柱I,柱II,柱IIIは省略}