[文書名]　TICAD閣僚会合2024：閉会式　上川陽子外務大臣ステートメント

1　3つのセッションの総括

　昨日から今日まで、3つのセッションにおいて、大変充実した議論が行われました。「革新的解決の共創、アフリカと共に」を合言葉に、様々なアクターがアイディアを持ち寄り、未来志向の課題解決、若者と女性の重視、連結性や知のプラットフォームの活用という3つの視点を念頭においた議論が行われました。

　セッション1におきましては、日本とアフリカの若者の交流や協力の必要性が確認をされました。人と人との出会いが、新たなビジネスのアイディアを生み出します。そうしたアイディアは、科学技術を効果的に利用することで、課題解決に向けた更なる可能性を生み出します。持続可能な未来の実現のために、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けた保健システムの強化、また、環境・気候変動への取組といった様々な社会課題の解決に有益な様々なアイディアが共有されました。

　セッション2では、WPSの重要性について、多くの賛同が得られました。持続的な平和を実現するためには、何と言っても和平プロセスへの女性の参画が重要であるとの考えの下、日本は、IGADを拠点とした「アフリカの角における女性平和人材育成イニシアティブ」の立ち上げを発表しました。こうした取組を、アフリカ各地へ展開していくことの重要性が確認されました。

　また、紛争予防や紛争の根本原因に対応する重要性、人道・開発・平和の連携による分野横断的なアプローチが不可欠であることが確認されました。日本は、地雷・不発弾対策プラットフォーラムのアフリカへの展開について紹介しました。

　さらに、平和と安定のためには、グッド・ガバナンスや法の支配強化の重要性が確認されました。さらに、国際社会の主要課題であるアフリカの平和と安定の問題への取組にアフリカの声を正しく反映させるためにも、国連安保理改革が必要であるとの認識を確認しました。

　セッション3では、持続的なイノベーションを生み出す公正・強靱なスタートアップ・エコシステムの構築や、民間セクターと連携した自由で開かれたビジネス環境整備の必要性を共有いたしました。また、経済変革における若者と女性の役割の重要性が確認、強調されました。TICAD9に向けて、スタートアップを含む、日・アフリカのビジネスの間で革新的な課題解決を共に創り上げ、“MadewithJapan”の具体的な展開が生まれることを期待しております。

2　結び

　今回の閣僚会合では、各国との二国間会談、2つのワーキングランチを含めて、

　アフリカ側の考え、ご意見をよく聞きながら、対話を通じて、課題解決を進めていくことを重視しました。

　また、6つのテーマ別の関連会合を含め、多くの革新的な解決策が共有され、これらの解決策やアイディアをアフリカの各地に展開し、さらにグローバルな課題解決に貢献していくことで一致したと考えております。

　この閣僚会合で共有された皆様の経験やアイディアは、私たち参加者した全員の財産です。皆様の国で取り入れられるようなアイディアがあったのではないでしょうか。

　ぜひ今回議論されたことをそれぞれの国に持ち帰っていただき、皆様の国においてもよいアイディアをどのように実践するか検討し、社会に適用してください。TICADは皆様のアイディアを持ち寄って議論する舞台です。そして、その成果や課題を来年のTICAD9で共有してください。

　積極的に御議論に参加いただきました共催者各機関、各国の閣僚、全ての参加された皆様に感謝申し上げます。TICAD9の成功に向けて、引き続き緊密に連携をし、協力をしていきましょう。